「伸びるおりものが出たら排卵日が近い証拠」という話を聞いたことはありませんか?妊活中の人は、おりものの状態から排卵日を予測している人もいます。それでは、どうして排卵日が近くなると、おりものが伸びるようになるのでしょうか?今回は、おりものが伸びる理由と、排卵日との関係性、妊娠しやすいタイミングの見分け方などをご説明します。
おりものが伸びる理由は?
おりものは子宮内や子宮頸管、腟からの分泌液と、腟壁の古い細胞が混ざり合ってできているとされています。
おりものに含まれる成分のうち、子宮の入り口にある子宮頸部から分泌される「頸管粘液」は、生理周期に合わせて性質を変えます。ある時期になると、指でつまんで伸ばしたときに、10cm以上も糸を引いて伸びることも(※1)。
おりものがネバネバと伸びるようになるのは、この頸管粘液の影響だと考えられます。
伸びるおりものは排卵日が近い証拠?
そもそも頸管粘液は、「細菌などの侵入と繁殖を防ぐ」のと、「精子を迎え入れて卵子まで到達しやすくすることで受精のサポートをする」という2つの役割を持っていると考えられます。
この役割に応じて、頸管粘液の量や状態は変化しているのです。
具体的には、排卵期以外は量が少なく、精子や最近が侵入しにくいようになっています。しかし排卵期が近づくと、エストロゲンというホルモンの働きによって量が増え、精子が子宮へ入っていきやすくなります。
排卵後は、プロゲステロンというホルモンによって再び量が減っていき、精子や細菌などの異物が侵入しにくくなります。
そして、排卵期が近づくと頸管粘液は伸びる性質も持つようになるため、排卵日が近づくに連れて「伸びるおりものになった」と感じるようになります(※1)。
伸びるおりものは排卵前にピークになるの?性交のタイミングは?
エストロゲンの分泌は排卵日の直前にピークを迎えるため、伸びるおりものの分泌量もそのタイミングがもっとも多くなります(※1)。
射精された精子の女性体内での寿命は3日間です(※2)。そのため、伸びるおりものの分泌量がピークを迎える排卵前から性交を行い、精子には卵子が排卵されるタイミングを子宮内で待ってもらうのが、一番妊娠する確率を高めることができると考えられます。
ただし、おりものの分泌量が一番多い時期を見分けることは困難で、「あのときがもっとも多かったのかも」と後々気づくケースがほとんどです。
そのため、おりものの量というよりも、おりものが伸びることの方が変化をつかみやすいでしょう。徐々に増えるおりものを指でつまんでみて、伸びるようになってきたら、その日から継続的に性交を行うのがおすすめです。
おりものが伸びる以外に排卵の兆候はあるの?
伸びるおりものから排卵日を予測する以外にも、排卵の兆候として排卵痛や排卵出血、胸の張りなどを感じる女性もいるようです。
しかし、こうした症状は個人差が大きいため、正確な排卵時期を把握することは困難です。伸びるおりものによっても予測することは可能ですが、妊娠を希望している人であれば、基礎体温グラフや排卵検査薬を活用することが大切ですよ。
基礎体温を日々記録していると、低温期の中でもぐっと体温が下がるタイミングがあり、この兆候があると排卵直前ということになります(※1)。
もし低温期に体温が下がるタイミングが見つけられなくても、3ヶ月ほど基礎体温を記録し、低温期から高温期への変化のタイミングをつかむことができれば、おおよその排卵日を把握できるようになりますよ。
伸びるおりものが生理前まで続くのは異常?
排卵タイミングを把握する意味で、伸びるおりものは便利な兆候ですが、生理前までずっと続くと体の異常を示しているかもしれません。
正常な生理周期であれば、おりものが伸びるようになるのは排卵の前後だけで、それ以外の時期は少量でベタベタとしたやや白っぽいおりものになるとされています。
もし生理周期に合わせた変化が見られず、生理直後から次の生理が始まるまで伸びるおりものが続く場合は、排卵が起こらない「無排卵月経」になっている可能性があります(※1)。
しばらくたっても伸びるおりものが出続けているようなときは、一度婦人科を受診してみましょう。
おりものが伸びるかどうか日々チェックしよう
おりものは、体の状態を知るためのバロメーターで、生理周期や体調、病気の有無などを知るきっかけになります。日頃からおりものの状態をチェックしておくと、いち早く体の異変に気がつけるようになるだけでなく、妊娠確率を高めることにもつながります。
おりものというと下着が汚れるなどのイメージが強く面倒なものと考えがちですが、自分の体にとって大切なものだと見つめ直して、普段から状態をチェックする習慣をつけたいですね。