赤ちゃんの歯が生え始める頃は、口の中のトラブルが増えてきます。歯茎の腫れや出血もその一つで、原因も様々で、1歳未満の赤ちゃんにも症状が現れることもあります。今回は赤ちゃんの歯茎の出血や腫れについて、原因や対処法、予防法などをご紹介します。
赤ちゃんの歯茎が出血したり腫れたりする原因は?
赤ちゃんの歯茎に出血や腫れが見られた場合、以下のような原因が考えられます。
歯肉炎
母乳やミルク、離乳食のカスが口の中に残っていると、口の中に生息している細菌が歯垢(プラーク)を作り、歯肉炎(歯茎が炎症している状態)を引き起こします。
また、乳歯が歯茎を突き破って生えてくるときに、歯肉炎が起こることもあります。
前歯にあたる乳歯は先端が尖っているため、歯茎を突き破りやすく、生えてくるときに大きな問題はあまり起きません。一方で、奥歯にあたる乳歯は、先端が尖っておらず、噛む面が平らなため、生える際に歯肉炎が起こることがあります(※1)。
歯肉炎になると、歯茎が赤く腫れ、食事や歯磨きなどの刺激で出血する恐れがあります。
ヘルペス性歯肉口内炎
ヘルペス性歯肉口内炎とは、口の粘膜が炎症した状態で、単純ヘルペスウイルス1型への感染によって引き起こされます。
ヘルペス性口内炎の主な症状としては、歯茎が赤く腫れて出血を伴うこともあり、39度前後の高熱が4〜5日ほど続きます(※2)。
赤ちゃんの歯茎の出血や腫れで病院へ行くべき?治療法は?
赤ちゃんの歯茎に出血や腫れが見られる場合、原因を突き止めるためにも、歯医者もしくは小児科を受診しましょう。
原因が分かったら、それに合わせた治療を行っていきます。
歯肉炎
原因が歯肉炎であった場合、食べカスが口に残らないように、歯をきれいにして対処していきます。
歯磨きに慣れていない赤ちゃんには、ガーゼや綿棒で歯の表面を拭いてあげましょう。それに慣れてきたら、赤ちゃん用の歯ブラシで歯を磨いてあげます。
歯肉炎の原因となる歯垢は、歯と歯の間や、歯肉の縁など歯ブラシが届きにくいところに溜まりやすいので、これらの部分は特に丁寧にブラッシングしましょう。
歯が生えてくる過程で起こる歯肉炎は、歯が生え終わったら、自然に治まっていきます。
ヘルペス性歯肉口内炎
ヘルペス性歯肉口内炎は、基本的には1週間程度で自然に治まっていきます(※3)。
しかし、口内炎の痛みがひどいと、授乳や離乳食を嫌がるようになり、栄養不足や脱水症状に陥ってしまう恐れがあります。高熱が出ていたり、食事を口にしないときは、病院で解熱剤や抗ウイルス薬が処方されます。
離乳食をあげているときは、無理に固形物を食べさせようとせず、豆腐やゼリーなど、噛まずに食べられるものを与えてください。麦茶や冷めたスープなど、赤ちゃんが口にしやすいものを見つけ、水分補給をしましょう。
赤ちゃんの歯茎の出血や腫れを予防するには?
赤ちゃんの歯茎の出血や腫れを予防するには、ガーゼで歯を拭いたり、歯を磨いたりして、口の中を常に清潔に保つことが大切です。
また、口の中の乾燥は口内炎を招きやすいので、母乳やミルク、水を飲ませて口の中を潤しておくようにすると、口内炎の予防につながります。
赤ちゃんの歯茎の出血や腫れにはすぐに対処を
大人にしてみれば、それほど大事に見えない歯茎の出血や腫れでも、赤ちゃんにとっては不快なことなので、できるだけ早めに対処してあげましょう。対処が遅れると、母乳やミルクの飲みが悪くなったり、離乳食を拒否したりして、赤ちゃんの健康面に心配を及ぼす恐れもあります。
赤ちゃんは口の中に違和感があっても言葉で訴えることができないので、ママやパパが赤ちゃんの口の中を日頃から観察しておくことが大切です。
歯磨きや食事の前など、こまめに赤ちゃんの口の中をチェックして、歯や歯茎の異変にすぐに気づけるようにしておきましょう。