生理前になると、自分の臭いがきつく感じることはありませんか?ただでさえ生理前は不快症状に悩まされやすいのに、臭いがきついとさらに気が滅入ってしまいます。それに「何かの病気なの?」と心配になるかもしれませんね。今回は、生理前に臭いがきつくなる原因や対処法についてご説明します。
生理前に臭いがきつくなる原因は?おりもののせいなの?
生理前に臭いがきつくなる原因は、主に以下の3つです。
おりものの影響
生理前は、「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が増える影響で、おりものが粘っこく、べたっとした状態になります。さらに、生理が近づくにつれて量も増えていきます(※1)。
べたっとした大量のおりものが陰部や下着につくと、なかなか取れず、サラサラとしたおりものが出る生理後~排卵前に比べると、臭いが気になることもあります。
また、生理前はおりものが酸性になるので、酸っぱい臭いがすることもあります。
皮脂量の増加
生理前は、脂の分泌を抑制する「エストロゲン」の分泌量が減少するため、皮脂の量が増えます。大量の皮脂が皮脂腺を塞いでしまうと、臭いがきつくなることがあります。
脇などの臭いがきつくなるのと同じ仕組みです。
雑菌の増殖
女性の陰部には、「アポクリン汗腺」と呼ばれるものがあります。ここから分泌される汗には、脂肪やアンモニアなど、雑菌の餌になりやすい物質が多く含まれているため、女性の陰部は雑菌が繁殖しやすくなっています。
陰部付近が蒸れると、汗がたくさん出て、そのぶん雑菌が繁殖することで、臭いがきつくなってしまうことがあります。
アポクリン汗腺の影響は生理前だけとは限りませんが、生理前は体温が上がって皮脂量も増加する時期なので、特に影響を受けやすいといえます。
生理前の臭いは病気の可能性もある?
生理前は、いくつかの要因が重なって臭いがきつくなりやすい時期です。ただ、生理前の影響で現れる臭いは病気などとは無関係のもので、少し臭いがきつくても治療などは必要ありません。
しかし、鼻を背けたくなるほどの悪臭や生臭い臭いなどがある場合は、下記の病気が隠れている可能性があります(※1)。
淋菌感染症
淋菌感染症は、性行為でうつる病気です。基本的に性行為から数日の間に発症します。
感染すると、悪臭を伴う膿のようなおりものが増えるほか、外陰部のかゆみや不正出血、排尿痛、発熱、下腹部痛などの症状が現れます。主に注射の抗菌薬によって治療が行われます。
腟トリコモナス症
腟トリコモナス症も性感染症のひとつですが、性行為だけでなく、衣類や便器、浴場、検診台などからも感染する可能性がある病気です。
悪臭のある黄色~淡い灰色のおりものが増え、腟のなかが赤くなるのが特徴的な症状です。感染がわかったら、抗菌薬を服用することで治療を行います。
生理前の臭いがきついときの対処法は?
性感染症などの病気がない限り、生理前に現れる臭いは自然な現象ですが、できるだけ改善したいですよね。臭いが気になるときは以下の対策をしてみましょう。
通気性の良い下着を身につける
陰部が蒸れると、汗をかきやすくなるうえ、雑菌も繁殖しやすくなるので、臭いがきつくなります。下着は綿やシルクなど、通気性のよい素材のものを身につけるようにしましょう。
陰部を清潔に保つ
特に汗をかきやすい夏場は、陰部を清潔に保つように意識しましょう。腟には自浄作用があるので、お風呂では石けんを使わずやさしく洗いましょう。トイレではビデを使用する方法もあります。
洗いすぎはかえって臭いを強くしてしまう原因になるので、ほどほどにしてくださいね。
便秘を解消する
生理前は、プロゲステロンの作用で便秘がちになることがあります。すると、腸内に残った便の腐敗臭で、臭いがきつくなる可能性があります。できるだけ便通を良くして、便秘にならないようにすることが大切です。
ヨーグルトなどを積極的に食べて腸内の乳酸菌を増やしたり、適度な運動を行ったりすることが大切です。
おりものシートを使う
おりものが臭いの原因になりやすいので、こまめに下着を取り替えるのも1つの方法です。ただ、頻繁に下着を変えるのは大変なので、おりものシートを上手に使いましょう。
最近は、微香性や消臭機能がついたおりものシートも販売されています。
生理前の臭い予防は生活習慣の見直しから
生理前の臭いには個人差があります。人によっては、どんなに対処しても臭いがきつくなってしまうということがあるかもしれません。
そういうときは、一度生活習慣を見直してみることをおすすめします。過度なストレスがかかっていたり、体が十分に休めていなかったりするときは、体の臭いもきつくなりやすいものです。
また前述のとおり、臭いが強いときは病気の可能性もゼロではないので、気になる臭いが続くときは、一度病院を受診するようにしてくださいね。