離乳食は、赤ちゃんが食べ物を消化・吸収しやすいように食材の下ごしらえが必要になります。今回は、離乳食作りでよく使う基本の調理テクニックをご紹介します。
やわらかく煮る
離乳食では、大人の料理よりも食材をやわらかく煮るのが基本です。レシピによく登場する「やわらかく煮る」方法は、以下のポイントをおさえましょう。
根菜類はフタをして約10分
にんじんなどの根菜類なら、水からゆで始め、沸騰してからフタをして約10分煮るのが目安です。葉ものの野菜なら2分程度でよいでしょう。
フタをしないと2倍の時間がかかるので、フタをするのがおすすめです。
指でつぶれるまで
「やわらかく」とは、食材が指でつぶれるくらいのやわらかさと考えましょう。調理機器によって違いが出ることがあるので、10分という加熱時間はあくまで目安にしてください。
パスタ・うどんのゆで時間は通常の2倍が目安
パスタやうどんをゆでる場合は、パッケージに書いてある2倍の時間ゆでてみて固さをみましょう。ゆであがったら、フタをして火を止めて蒸らすとやわらかくなります。
食材はみじん切りにする前にゆでる
先にみじん切りにせず、ある程度の大きさを残してゆでた方がやわらかく煮ることができます。食材をゆでるとき、水は多めがおすすめです。
電子レンジ使用時はラップをふわっとかける
加熱には、電子レンジを使うのもひとつの方法です。水を入れラップをふわっとかけて加熱しましょう。
パサつきやすい肉や魚は、薄く片栗粉をまぶすとやわらかく仕上がります。
裏ごしする
裏ごしは、離乳食初期によく使います。タネや皮、繊維などを取り除きながら食材をつぶすことができるので、口当たりがなめらかになり、食べやすくなりますよ。
やわらかくゆでた食材をあたたかいうちに裏ごし器や小さめのザルにのせ、スプーンなどで押しつぶします。
裏ごし器やザルがない場合は、茶こしでも代用できますよ。
すりつぶす
すりつぶしは、やわらかくゆでた食材をすり鉢に入れ、すりこぎで押しつぶしてから円を描くように混ぜてさらにつぶす方法です。
食材は包丁である程度小さく切ってからすりつぶすとラクですよ。すりこぎがない場合は、離乳食の調理セットでも代用できます。
離乳食初期はペースト状にするために、お湯や野菜のゆで汁などを加えて、なめらかになるまで伸ばしましょう。
繊維などがある食材は、すりつぶしと裏ごしを併用することで、つぶつぶとした食感を効率的に取り除くことができますよ。
ブレンダーが便利!
特に離乳食初期は、とろとろのペースト状になるまですりつぶすのは時間がかかって大変ですよね。そんな時は、ハンドブレンダーがあると短時間で調理できます。
耐熱容器や鍋の中に直接入れて、素早く均一につぶせるので、まとめて下ごしらえするのに便利ですよ。
すりおろす
やわらかい野菜や果物などを簡単に細かくできるすりおろしは、離乳食初期に重宝するテクニックです。
にんじんなどのかたい野菜をすりおろすと、火が通りやすくなりふんわり仕上がりますよ。かたい野菜は皮をむいて少し固くゆでた方が、力を入れずにすりおろせます。
お麩や高野豆腐などの乾物、冷凍したパンなども、先にすりおろすと刻む手間が減るので調理がラクになりますよ。
つぶす・ほぐす
赤ちゃんが口の中で食べ物をすりつぶせるようになったら、食材をほぐす調理が増えてきます。ゆでた野菜や魚、バナナなどは、フォークの背でつぶしましょう。
離乳食初期だけでなく中期頃に、食材を粗くつぶしたいときにも使えるテクニックです。包丁で切るよりも口あたりがなめらかになりますよ。
とろみをつける
とろみをつけることで、肉や魚などのパサパサした食材や、そのままではポロポロしてしまう刻んだ野菜などを食べやすくできます。
とろみをつける方法はいくつかあるので、やりやすい方法を活用してくださいね。
水溶き片栗粉を使う
片栗粉に2〜3倍量の水を入れて混ぜ、水溶き片栗粉を作ります。よくかき混ぜながら、具材が煮立った鍋の中に加えましょう。
この時、煮汁がよく煮立っているのを確認してから入れるのがポイント。ダマにならずにとろみをつけることができますよ。
電子レンジを使う
耐熱容器に食材と水を各大さじ1、片栗粉をひとつまみ入れて混ぜ、ふわっとラップをかけて約20秒加熱します。
取り出したらすぐに混ぜ合わせましょう。
おかゆの残りを使う
おかゆをすりつぶした後のすり鉢に食材を入れてすりつぶすと、残っているおかゆによってとろみをつけることができます。
粉末のベビーフードを使う
米がゆやとろみのもとなど粉末のベビーフードを利用すれば、お湯で溶くだけでとろみの付いた離乳食になります。
離乳食の基本テクニックをマスターしよう
今回ご紹介したものは、赤ちゃんが離乳食を食べやすいようにするために必要な基本テクニックです。
大人用の料理では使わない調理方法が多く、最初は大変かもしれませんが、基本を覚えて少しずつ離乳食作りに慣れていけるといいですね。