母乳やミルク以外から栄養を摂る準備である離乳食。赤ちゃんが少しずつ大人と同じ食事ができるようになるのは楽しみなもの。
しかし、赤ちゃんが初めての食材を食べてアレルギー反応が出てしまった場合、その食材を「このままずっと食べられなくなってしまうの?」と気になるママ・パパもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、書籍『子どもの食物アレルギー あんしんBOOK』より、食物アレルギーが治るのか治らないのかについてご紹介します。
卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーは治ることが多い
食物アレルギーにはいくつかのタイプがありますが、圧倒的に多いのは「即時型食物アレルギー」です。
特定の食物を食べたあと、2時間以内に症状が現れるタイプで、一般的に食物アレルギーというと、このタイプを指します。即時型食物アレルギーは、乳児の約10%に見られます。
原因となる食物として多いのは、鶏卵、牛乳、小麦ですが、これらが原因の即時型食物アレルギーの場合は、3歳までに約5割、小学校入学までに約7〜8割の子どもが、原因食物を食べられるようになるといわれています。
一方で、そのほかの食物(ピーナッツ、ナッツ類、くだもの、甲殻類など)が原因の場合は、治りにくい傾向があります。
病気のタイプによっても治りやすい、治りにくいがある
小さい子どもの即時型食物アレルギーが、年齢とともに治ることが多いのは、自然に原因食物に対する耐性(適応する能力)を獲得していくからです。
アレルギーの原因食物でも、加工の仕方や量によっては症状が出ないこともあり、食べ続けることで食べられる範囲を徐々に広げられる場合があります。
ただし、自己判断で行なうのは危険。医師のもとで食物経口負荷試験を行ないながら、食べる食品や量を調整していく必要があります。
「即時型」以外の食物アレルギーでは、「特殊型」に分類される「口腔アレルギー症候群」「や「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、残念ながら治りにくい傾向があります。
一方で、粉ミルクに含まれる牛乳のたんぱく質や卵黄が原因で起こる「新生児・乳児消化管アレルギー」や「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」などは、乳幼児の時期に治るケースが多いといわれています。
多くの子どもの食物アレルギーが
小学校入学ごろまでに治ります
いかがでしたか?この記事では、「子どもの食物アレルギーは治ることが多い?」という疑問に対して、「多くの子どもが小学校入学ごろまでに治る」ということが分かりました。
書籍では、上記のように離乳食をはじめる前に気になることをはじめ、食物アレルギーであることがわかった後の離乳食の進め方や注意点のほか、成長とともに増えるさまざまな悩みにこたえています。
- 正しい予防・診断・治療が知りたい。
- 保育園や幼稚園、祖父母に安心して預けるには?
- 誤食を防ぐ正しい食品表示の見方とは?
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ぜひチェックしてみてくださいね。
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子どもの食物アレルギー あんしんBOOK
食物アレルギーをもつ子供は年々増えており、共働き家庭も増え、家族をとりまく食の環境も子どもの成長とともに複雑に。そんな親のリアルな悩みに寄り添いながら、最新の確かな情報をわかりやすく丁寧に掲載しています。
【書籍監修】
今井孝成 昭和大学医学部小児科学講座教授
近藤康人 藤田医科大学ばんたね病院小児科教授
高松伸枝 別府大学食物栄養科学部教授