母乳やミルク以外から栄養を摂る準備である離乳食。赤ちゃんが少しずつ大人と同じ食事ができるようになるのは楽しみですよね。
しかし、赤ちゃんが初めての食材を食べて「アレルギーが現れるのではないか」と、離乳食を進めるにあたって不安に感じるママやパパもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、書籍『子どもの食物アレルギー あんしんBOOK』より、離乳食の開始時期と食物アレルギーの関係性についてご紹介します。
「離乳食の開始は遅いほうがいい」というのは古い常識
食物アレルギーの発症を防ぐために離乳食のスタートを遅らせる人がいますが、これは古い常識です。
確かに以前は、「生後早い時期にアレルギーの原因になりやすい食物を食べさせると食物アレルギーの発症につながるので、早期に食べさせないほうがいい」と考えられていました。
けれどもその後、離乳食を遅らせても、食物アレルギーの予防効果はないことがわかってきました。
世界各国の研究では、「遅らせるとかえってアレルギー発症のリスクが高くなる」という研究結果も出ています。
離乳食は、子どもの様子を見ながら、生後5〜6か月ごろから始めることが望ましいでしょう。
卵・牛乳・小麦の摂取を遅らせても予防効果はありません
アレルギーの原因として頻度の高い鶏卵、牛乳、小麦については特に、親や兄弟にアレルギーがあるからといった理由で、与えるのをためらう人がいるようです。
けれども、これらの食物の摂取を遅らせたり、避けたりしても、食物アレルギーを予防できるという科学的根拠はありません。適切な時期に、少量ずつ与えることがたいせつです。
たとえば、鶏卵の場合は、離乳食初期 (生後5〜6か月ごろ)から与え始めて問題ありません。
はじめは固ゆでの卵黄のみをほんの少し(耳かきひとすくい分程度)与えて、徐々に量を増やしていきます。慣れてきたら、加熱した 全卵を与えていきますが、そのときも最初はごく少量からにします。
ただし、もし、離乳食を始める時期に、 かゆみのある湿疹(アトピー性皮膚炎)が見られる場合や、すでに食物アレルギーと診断さている場合は、医師の指導のもとで離乳食を進めます。まずはかかりつけ医に相談しましょう。
アレルギー予防のために
離乳食の開始を遅らせる必要はありません
いかがでしたか?この記事では、「アレルギー予防のために離乳食を遅らせたほうがいい?」という疑問に対して、「遅らせる必要がない」ということが分かりました。
書籍では、上記のように離乳食をはじめる前に気になることをはじめ、食物アレルギーであることがわかった後の離乳食の進め方や注意点のほか、成長とともに増えるさまざまな悩みにこたえています。
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- 保育園や幼稚園、祖父母に安心して預けるには?
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ぜひチェックしてみてくださいね。
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子どもの食物アレルギー あんしんBOOK
食物アレルギーをもつ子供は年々増えており、共働き家庭も増え、家族をとりまく食の環境も子どもの成長とともに複雑に。そんな親のリアルな悩みに寄り添いながら、最新の確かな情報をわかりやすく丁寧に掲載しています。
【書籍監修】
今井孝成 昭和大学医学部小児科学講座教授
近藤康人 藤田医科大学ばんたね病院小児科教授
高松伸枝 別府大学食物栄養科学部教授