食べ物の好き嫌いはどう対応すべき?まずは原因を知ることからはじめよう

この記事では、管理栄養士である中村美穂さん著『まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳 発達を促す子どもごはん』より、子どもの食の悩みのひとつである、「好き嫌い」について紹介します。

記事提供:まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん(中村美穂著、日東書院本社)

食の悩み「好き嫌い」について

子どもが意思表示するようになる1〜3歳は、好き嫌いが出てくる時期。ただ、食べない理由は嫌いだからとは限りません。「食べない」と決めつけず、いろいろ工夫をしながら気長に食べるようになるのを待ちましょう。

自我の発達の表れなので、
嫌いと決めつけないで

2歳 男の子 ほっぺ

この時期の子どもの好き嫌いは、特定の食べ物が「本当に好き」「本当に嫌いで食べられない」という意味とは限りません。自我が発達してこだわりが出てくるため、食べなかったり、逆に同じものばかり食べたがったりすることが多くなるのです。

さらに、その時々の気分で好みが変わたり、食卓の雰囲気、見た目の面白さでも好き嫌いは変わってきます。

いずれは解決するものと捉え
対策を考えましょう

赤ちゃん 食器 スプーン フォーク

好き嫌いは、あきらめなければいずれ解決できることですから、対策を立ててサポートしてあげましょう。

好き嫌いの度が過ぎていないかどうか、子どもの様子を見ることも必要ですが、食事がストレスにならないよう、無理強いしないことが大切です。

また、歯の生え具合によっては、そしゃくしきれなくて食べられない場合も考えられます。虫歯もでき始める子どももいる時期なので、「実は歯が痛くて食べられない」ということも…。歯の状態も合わせてチェックするといいでしょう。

このとき子どもが感じていること

● こだわりがある
● 味や食感になじみがない(初めての食材)
● 食べきれない(かたい・大きい)
● 体の不調がある(歯が痛いなど)

【CASE1】色や形を見ただけで食べない

手掴み 赤ちゃん 手 野菜

なぜ? 
初めての食材には、
慣れるのに時間がかかることも

初めての食材の場合、慣れない色や形に慎重になり、食べられるまでに時間がかかることも。大人が「嫌いなもの」と決めつけると、子どももそう思い込む可能性が。緑色=苦いと認識していたり、白いものしか食べないなど色へのこだわりがあることも。

これで解決!  
無理強いせず、
ダメなら混ぜ込んで見えない状態に

まずは大人がおいしそうに食べてみせ、気長に食卓に出し続けます。見た目などの工夫で、食べられた!という体験をさせましょう。それでもダメなら、似た栄養素を含む食材で補ったり、混ぜ込んで与えるなどして栄養不足を防いで。

【CASE2】べーっと口から出す
(味・食感の問題)

離乳食 食事 好き嫌い おいしくない 子供 あかんべー

なぜ? 
慣れない味や食感に違和感を感じている

食べようとして口に入れた後で出す場合は、「嫌い」というよりも、慣れない味や香りに驚いたり、食感(ざらつきなど)に違和感があって食べられない可能性が。繊維質の多い葉野菜や肉などは、飲み込めずに出してしまうこともあります。

これで解決!  
好きな味つけや調理法で与えてみる

子どもの好きな味つけや調理法を試しながら、気長に食べさせ続けます。特に、酸味や苦味は食べるうちに好きになっていく味なので、 油を加えるなどの工夫で味を和らげ、 少しずつ取り入れていきましょう。

【CASE3】食べにくそうにしている
(かたさ・大きさの問題)

離乳食 食事 好き嫌い おいしくない 子供

なぜ? 
食材の形状や、
食べる環境に問題があるのかも

食材が嫌いなのではなく、大き過ぎる、かた過ぎるなど、食べにくさが原因の可能性があります。また、食器やスプーンなどが使いにくい、イスとテーブルが合っていないなど環境面の食べにくさも原因となります。

これで解決!  
苦手なものほど、調理の工夫で食べやすく

苦手な食材は特に、小さめに切ったり、やわらかめに調理したりするなど、無理なく食べられるようにします。平行して、好きな食材を使って、大きさやかたさに慣れる練習もしていきましょう。

【CASE4】同じものばかり食べたがる

3歳 男の子 食事 スパゲティ

なぜ? 
食べる・食べないのこだわりも成長のひとつ

子どもの好みは、環境や気分でころころと変わるもの。嫌なものは食べず、好きなものは「もっと!」と要求するようになるのは、自我が発達してきた証拠です。こだわりや意思表示も成長のひとつだと考えましょう。

これで解決!  
食への関心を広げることが
解決につながります

苦手なものを食べてから好きなものをあげるという方法もありますが、ある程度一人で食べられるようになったら、一度に全部の料理を出しても順番に食べられるよう、繰り返し声をかけていきます。一緒に買い物に行って食材を見たり、名前を覚えたりするなど、食べ物と仲良くなる働きかけをしたり、簡単なお手伝いをするなどして、食への関心を広げることも大切です。

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