赤ちゃんが突然鼻血を出したらびっくりしますよね。初めて育児をするママやパパは、赤ちゃんが少し血を出しただけでも不安なのに、鼻血が出ているのを見たら「何かの病気なのでは?」と深刻に考えてしまうかもしれません。今回は赤ちゃんの鼻血が出る原因や対処法、新生児や1歳児も鼻血を出しやすいのかどうか、病院へ行くかどうかの見分け方についてご説明します。
赤ちゃんが鼻血を出す原因は?新生児や1歳児も出る?
赤ちゃんが鼻血を出す原因は、主に血管が発達している「キーゼルバッハ部位」が傷つくことです。
キーゼルバッハ部位とは鼻に少しだけ指を入れたときに触れる硬い部分のことで、ここには血管が密集しています(※1)。
赤ちゃんの鼻水を吸引器で吸ってあげたときや、赤ちゃんが鼻の穴に自分の指を入れたときなどにキーゼルバッハ部位を傷つけ、鼻血が出てしまうことがあります。
赤ちゃんの鼻の粘膜は薄いため、大人よりも鼻血が出やすいのが特徴です。そのため、鼻の中を直接刺激しなくても、赤ちゃんが自分で鼻をこする、ハイハイやあんよをしていてどこかにぶつけるなど、外部からの刺激でも赤ちゃんは鼻血を出すことがあります。
また、赤ちゃんが風邪を引いたりやアレルギー性鼻炎になったりすると鼻の粘膜に炎症が起き、いつも以上に鼻血が出やすくなります。
新生児でも1歳児でも鼻の粘膜は弱く、綿棒で鼻の中を掃除したりするだけで鼻血が出ることもあります。
赤ちゃんが鼻血を出したときの対処法は?
赤ちゃんが鼻血を出したら、慌てずに落ち着いて対処しましょう。
基本的には下記の手順で圧迫止血してあげます(※1)。
- 1. 赤ちゃんを座らせ、下を向かせる。もしくは、頭の位置を高くして寝かせる
- 2. 鼻血が出ている側の小鼻を指で押さえる
※赤ちゃんの顔を上に向かせてしまうと、鼻血が喉の方に流れ込んでしまい、赤ちゃんに不快な思いをさせてしまう恐れがあります。
※鼻にものを詰めて止血する場合は脱脂綿を親指の先くらいの大きさに丸め、鼻血が出ている側の鼻の内側に詰めます。鼻の奥の方まで詰めたり、赤ちゃんが鼻の奥に押し込んだりしないように注意してください。
赤ちゃんが鼻血を出したときの注意点は?
体温が上がると、鼻の粘膜の血管が拡張しやすくなります。
血管が拡張すると鼻血が出やすくなり、鼻血が止まるのにも時間がかかります。赤ちゃんが鼻血を出したら、しばらくはお風呂に入れるのは控えましょう。
入浴は鼻血が止まり、赤ちゃんの様子が少し落ち着いてからにしてください。
お風呂内で、赤ちゃんがまた鼻血を出してまった場合は、お風呂から上がり、すぐに圧迫止血しましょう。
お風呂と同様に夏場も体温が上がりやすく、赤ちゃんは鼻血を出しやすくなる可能性があります。赤ちゃんが鼻血を出していないか、気をつけて見るようにしてくださいね。
赤ちゃんがどんな鼻血を出したら病院へ行くべき?
前述のとおり、赤ちゃんが鼻血を出すほとんどの原因は、鼻の内側の粘膜(キーゼルバッハ部位)が傷つくことです。その場合は、自宅で対処できます。
しかし、赤ちゃんが鼻血を出して以下のような状況になったときは、赤ちゃんの体に問題が起きている可能性があります。すみやかに病院を受診するようにしましょう。
- ・止血処置を行っているにもかかわらず、30分以上鼻血が止まらない
- ・頭を強く打ったあとに鼻血が出た
- ・鼻血の量が多い
- ・鼻血が出るたびに止血できているものの、一週間に何度も鼻血を繰り返す
- ・手足などにもあざが多い
赤ちゃんの鼻血がなかなか止まらない、あるいはあまりに鼻血を繰り返す場合は、ごくわずかな可能性ですが、「特発性血小板減少性紫斑病」や「血友病」といった血液の病気も考えられます。
こうした病気の場合は、鼻血以外にも顔色が悪い、貧血、発熱が続くなど、さまざまな症状が現れます。
赤ちゃんが頻繁に鼻血を出すときは、その他の症状がないか注意してください。
赤ちゃんの鼻血には落ち着いて対処を
赤ちゃんは、新生児や1歳児でも鼻血を出しやすいものだと知っておけば、いざ鼻血を出したときにも慌てず対処できますね。
赤ちゃんの鼻血はほとんどの場合、鼻血が出ている側の小鼻を押さえていれば自然と治まっていきます。
ただ、赤ちゃんを安静にさせようとしてもじっとしてくれず、動き回ってまた鼻血を出してしまうこともあります。
そんなときは心配のあまり大声で叱ったりすると、赤ちゃんが興奮して泣いてしまい、血圧が上がって鼻血が悪化する恐れもあります。
赤ちゃんが鼻血を出したら安静にさせるためにも、まずはママやパパが落ち着いて、赤ちゃんを抱っこしてあげましょう。
赤ちゃんの鼻血はよくあることですが、「いずれは鼻の粘膜が強くなって鼻血も減っていく」と、気長に赤ちゃんの鼻血と付き合っていけるといいですね。