体外受精で受精しない理由は?受精率を上げる方法は?

体外受精をしても100%妊娠できるわけではありません。高齢のために受精卵が着床しにくいこともあれば、そもそも受精卵を形成することができないこともあります。特に、体外受精として受精しやすい状況を作っているにもかかわらず、うまく受精できないとなると、受精率を上げる方法がないか気になるところです。そこで今回は、体外受精で受精できない理由と受精率を上げる方法についてまとめました。

体外受精の流れは?

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体外受精の基本の流れは、大きく5つのステップに分かれます。排卵タイミングに合わせるために、生理の数日後から治療がスタートし、「排卵→採卵→精子採取→受精→胚移植」という流れで進みます。

体外受精の受精は、体内から取り出されてシャーレ上で起こるため、卵子と精子が出会う前でのトラブルは少なくなりますが、それぞれの受精能力が十分あるかによって、受精率が異なってきます。

体外受精の受精率は?受精しないことがあるの?

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体外受精では人工的に取り出した卵子と精子を受精させるので、自然妊娠や人工授精に比べると受精率は約70~80%とかなり高い確率になります(※1)。ただし、この受精率は年齢や卵子・精子の質、治療を行う病院によっても異なり、60〜70%とする病院もあります(※2)。

勘違いをしやすいポイントですが、体外受精は「体外で人工的に受精卵をつくる」わけではなく、「取り出した卵子と精子が自然に受精して受精卵ができるのを待つ」ため、体外受精でも受精できない場合があるのです。

その理由として、卵子または精子の受精能力が低くなっていることが考えられます。では「受精能力が低い」とは一体どういうことでしょうか?

体外受精での受精卵ってどうやってできるの?

受精卵

着床して妊娠できるだけの受精卵ができるまでにはいくつかプロセスがあります。「受精能力が低い」とはこのプロセスのどこかに問題があるということです。

1. 精子が卵子を覆う膜である透明帯を破る
2. 卵細胞を覆っている卵細胞質膜と融合し、卵細胞質膜内に引き込まれる
3. (2と並行して)精子がカルシウムを分泌することで卵子が活性化し、卵子の前核が形成される
4. 卵子の前核と精子の前核が融合し、受精卵が形成される

体外受精でも受精率が上がらない理由は?

why 疑問 なぜ

女性側と男性側それぞれで、以下のような要因があり、精子と卵子が受精できないといわれています。

卵子の要因

● 卵子を覆う透明帯が固く、精子が透明帯を通過できない
● 卵子が未熟で、精子が卵細胞質に入っても活性化しない
● 細胞の元となる前核を形成できない

精子の要因

● 卵子の透明帯を通過する力がない
● 卵子を活性化させる能力がない

体外受精の受精率を上げるには?

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体外受精の受精率を高める方法としては、まず卵子や精子の質を高めることです。卵子や精子は生活習慣の影響を受けるので、健康的な生活を送ることで受精しやすい卵子や精子を維持することができます。

良質な睡眠をとる

睡眠時に分泌される睡眠ホルモンは、傷んだ細胞を修復する作用があります。そのため、傷んだ卵子の質を高めるためにも、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

できるだけ12時までには就寝して、生活リズムを整えるのがおすすめです。

体を冷やさない

女性に多い体の冷えは、血行が悪くなることによって、卵巣や子宮といった臓器の働きを鈍らせてしまいます。卵巣の働きが悪くなることで、体外受精に必要な卵子が質のいい状態で取得できなくなる可能性も。

お風呂に入るときは湯船に浸かる、できるだけ冷たい食べ物ではなく温かい物を食べる、腹巻をしてお腹が冷えないようにするといった対策を行っていきましょう。

運動の習慣をつける

体の冷え解消と同様に、運動によって血流が良くなると、卵巣から出るホルモンの分泌や子宮内の環境が改善されます。

また、食事や呼吸で蓄積された不妊や子宮内膜症の原因になる化学物質は、そのままにしておくと卵子の老化につながります。この化学物質は運動することで汗として体外に排出されるため、適度な運動によるデトックスを習慣化するようにしましょう。

ビタミン類の多い食事で卵子や精子の酸化を防ぐ

卵子や精子の質は体の酸化によって細胞の老化が進んでしまいます。そこで、抗酸化作用のある食べ物として、ビタミン類を多く含むべ物を意識的に食べるようにしましょう。

たとえば、アボカド、柑橘類、いちご、トマト、かぼちゃ、アーモンドなどの木の実類などがおすすめです。

精巣をあたためない、陰嚢を圧迫しない

精子は温度に弱いため、精巣をあたためてしまう行為や、血流を悪くしてしまうようは陰嚢の圧迫は避ける必要があります。ノートパソコンを膝上で長時間使わないようにするなど、精子の劣化を防ぐようにしましょう。

禁煙する

喫煙は精子にも卵子にも悪影響を及ぼす可能性高まります。精子のDNA構造が傷つけられ、受精しづらくなったり、受精卵の質が悪く流産しやすくなったりする可能性があります。

体外受精で何回も受精しないときは受精障害かも?

記号 ひらめき 黒板

卵子や精子の質を高めながら体外受精に励んだ結果、広義には受精率が約25%以下だったときに受精障害と診断されます(※3)。受精障害があると診断された場合には、生活習慣を見直すことで受精率を高めることは難しいため、治療によってその障害を取り除きます。

1. 顕微授精(ICSI)

体外受精では精子が透明帯や細胞質へ進入できないのに対して、顕微鏡下で精子を人工的に卵子の中に注入する治療法

2. カルシウムイオノフォア(卵子活性化処理)

薬で卵子内のカルシウム濃度を高め、精子が卵子を活性化させるのを補助する治療法

3. 体外成熟培養(IVM)

未成熟な卵子を培養液で1~2日培養し、成熟卵へ育成する治療法

体外受精でも受精しないときには顕微授精も検討を

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体外受精で受精できない理由はいくつかあります。受精率を高めるためにできることはありますので、なかなか受精がうまくいかずに悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

現在の医療技術では受精できない原因が完全に把握できないこともありますが、原因はわからなくても生活習慣を見直したことで受精・妊娠がうまくいったという方もいます。

もし体外受精でもなかなか受精できないときには、早い段階で顕微授精に切り替えることも検討しましょう。妊娠・出産の成功率を高めるには、年齢が若いうちに取り組むのが大切ですよ。

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