多発性筋炎・皮膚筋炎とは?初期症状は?治療法は?

女性は様々な体の不調に悩むことが多いと思いますが「多発性筋炎・皮膚筋炎」という病気をご存知でしょうか?筋肉が炎症を起こして筋力が低下してしまう、女性に起こりやすい病気です。そこで今回は、多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状と原因、初期症状が出た場合どうすれば良いのか、そして治療法についてご紹介します。

多発性筋炎・皮膚筋炎とは?

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「多発性筋炎」とは、免疫細胞が体内の組織を攻撃することで筋肉が炎症を起こし、体幹、腕、太ももなどの筋力が落ちる病気です。筋力の低下に加えて、皮膚の紅斑を伴うものを「皮膚筋炎」といいます。

発症のピークは50歳代で、女性の患者数が多いのが特徴です。近年、患者数は急速に増えていて、毎年1,000〜2,000人が発症しています(※1)。

多発性筋炎と皮膚筋炎は死亡率の極めて低い病気ですが、進行するとごく稀に喉や心臓の筋力が低下して呼吸不全、不整脈、心不全を引き起こす可能性があるため、早期に治療を始めることが大切です。

多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状は?

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多発性筋炎の初期症状で特徴的なのは、筋力の低下です。それに加えて皮膚の発疹がある場合は、皮膚筋炎と考えられます。初期症状について、以下で詳しくご紹介します。

多発性筋炎の初期症状

筋力の低下

筋力の低下は主に体幹に近い部分の筋肉に現れやすく、最初は腕や太ももの筋力が低下します。

しかし筋力の低下は徐々に進行していくため、自分ではなかなか気づきにくく注意が必要です。以下のようなことを感じるようになった場合、多発性筋炎の初期症状の可能性があります。

● 髪を乾かしたり、洗濯物を干したりするときなどに腕が上げづらい
● 階段の上り下りが難しい
● 座った状態から立ち上がりにくい
● 頭が枕から持ち上げられない

多発性筋炎が進行すると、首や喉の筋肉も低下し始めます。そうすると、食べ物が飲み込みにくい、よくむせる、喋りづらいといった症状が現れることがあります。

倦怠感・疲労感

全身の倦怠感や疲労感が生じることもあります。また、稀に発熱を伴うこともあります。

皮膚筋炎の初期症状

皮膚筋炎の場合、上記のような多発性筋炎の初期症状に加えて、皮膚の赤みが現れます。

● 顔にむくみを伴った赤い発疹がでる
● 手の指関節の皮膚表面に、カサカサして盛り上がった紅斑がでる
● 首や肩に紅斑がでる

これらの症状はどれもかゆみを伴っていることが多く、最初はただかゆみを感じるだけの場合もあります。

多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状がでた…原因はなに?

多発性筋炎と皮膚筋炎は、免疫細胞が自分の筋肉や皮膚を攻撃してしまう自己免疫疾患です。

多発性筋炎と皮膚筋炎は、もともと自己免疫を起こしやすい体質の人に、ストレスや感染症など様々な要因が重なったことで起きてしまうのではないか、と考えられていますが、まだ原因ははっきりとは分かっていません。

多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状が出たらどうすればいい?

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多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状が出たら、早めに膠原病内科またはリウマチ内科を受診しましょう。

筋力の低下や皮膚の赤みがあると、整形外科や皮膚科に行こうと思うかもしれませんが、多発性筋炎と皮膚筋炎は自己免疫疾患なので、内科の先生に診てもらうことが必要ですよ。

多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状が出た…治療はどうする?

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多発性筋炎と皮膚筋炎の治療法は、主にステロイド薬による薬物療法です。

筋力が低下しているからといって、無理に運動をすることは筋肉の炎症を悪化させてしまう可能性があります。まずは安静にし、ステロイド薬の服用により症状が改善されてきたら、リハビリを始める必要があります。

皮膚筋炎の場合は、日光などの紫外線があたることを最小限にするようにしましょう。

ステロイド薬の服用によって90%以上の人は症状が改善され、日常生活に戻ることができます(※1)。しかし、多発性筋炎と皮膚筋炎を完治することは難しく、ステロイド薬で症状をコントロールして継続的に通院することが必要とされています。

また、年齢が高い場合、治療を続けても筋力の低下が残ってしまうこともあります。

多発性筋炎・皮膚筋炎の初期症状が出たら早めに病院へ

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多発性筋炎と皮膚筋炎の初期症状は、筋力の低下というなかなか気づきにくい症状です。しかし先述のように、進行してしまうと喉や心臓の筋力が低下して危険な場合があるため、早期の治療が大切です。

そのため、腕が上がらない、階段の上り下りが大変になった、と少しでも違和感を覚えたら早めに病院を受診しましょう。

もし多発性筋炎または皮膚筋炎だった場合、定期的な通院が必要になってしまいますが、医師と相談して病気とうまく付き合っていきたいですね。

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