40代半ばにさしかかって、「なんだかイライラするようになった」という人もいるのではないでしょうか?しかし、原因がわからないので、対処できずに悩んでいる女性も多いようです。そのイライラ、「更年期障害」かもしれません。そこで今回は、更年期障害で起こるイライラの理由と、対処法についてご説明します。
更年期障害でイライラする原因は?
閉経が近づいて卵巣の機能が低下するとエストロゲンの分泌量が減って、ホルモンバランスが大きく変化するようになります(※1)。
このホルモンバランスの変化が、更年期障害の原因のひとつです。
さらに更年期を迎える頃は、女性を取り巻く環境に変化が起こりやすい時期でもあります。ホルモンバランスの変化に加え、社会的なストレスを同時に受けることが、更年期障害の症状を複雑にしているとされています(※2)。
このストレスこそが、更年期障害で見られるイライラ、情緒不安定などの精神症状の原因になるとされています(※2)。
更年期障害でイライラを引き起こすストレスとは?
社会的ストレスといっても、どんな女性にも見られるものばかりです。更年期障害のイライラに悩んでいる人で、以下のような問題に「ひとつは心あたりがある」という人は多いのではないでしょうか?
家族の問題(※2)
・父母の介護や死
・配偶者の病気や死、定年、不和
・子供の問題行動、受験、自立
職場の問題(※2)
・人間関係
・責任の増大
自分自身の問題(※2)
・健康に対する自信の喪失、老化の意識
・精神と体のギャップ
・子供の自立による虚無感
更年期障害のイライラ、いつまで続くの?
閉経前後の5年間を更年期といいます。日本人の平均閉経年齢は50.5歳なので、45〜55歳頃までが更年期にあたります。
更年期障害は1〜数年間続きますが、多くは老年期に近づくとともに症状が軽くなっていきます(※1)。
ただ、更年期障害の症状は変化しやすく、程度が一定ではないことも多いのが特徴です。また、症状が長期に渡ることも珍しくなく、いつまで続くかに関しては個人差が多いものです(※1)。
更年期障害でイライラするときの対処法は?
更年期にイライラするからといって、更年期障害によるものとは限りません。更年期を迎える頃は、糖尿病、高血圧、動脈硬化症などの生活習慣病をはじめとした病気も発症しやすいので、更年期障害と似た症状を引き起こす、他の病気を見落とさないように注意が必要です(※2)。
他の症状や病気がなく、かつ、うつ病などの精神疾患がなければ、更年期障害と診断されます。自己流の対処法をとるのではなく、まずは医師の診察を受けることをおすすめします。
更年期障害と診断されたら、問診やホルモン検査によって治療法を検討します。その結果に応じて、欠乏しているホルモンを補ったり、漢方薬や向精神薬を服用します(※1)。
更年期障害のイライラ改善にはカウンセリングも効果的
更年期障害のイライラに、社会的なストレスが深く関係していると診断された場合、悩みをカウンセリングし、更年期障害に結びつくような生活習慣の改善をアドバイスされることもあります(※1)。
過去に精神障害にかかったことがなく、社会への適応に問題がなければ、簡易的な精神療法がとられます(※2)。
具体的には、更年期障害の患者さんは不安や不満を伝え、カウンセラーに感情や気持ちを言葉にして整理してもらいます。そして、更年期の症状などをわかりやすく説明してもらいます。
カウンセリングを行ううちに、カウンセラーは更年期障害のイライラで悩む患者さんの性格の傾向や、ストレスへの対応方法がわかってくるといいます。
そうして、どのようにしたら日常生活の中で問題を克服していけるか、具体的なアドバイスをもらいます(※2)。
更年期障害のイライラの対処法として、無理をしすぎないように心がけること、適度な運動をすること、食事の栄養バランスに気をつけることをアドバイスされることが一般的です(※2)。
更年期障害のイライラは、適切な対処法で軽減しよう
更年期障害のイライラが続くと、どうしたらいいのかわからず、気分が滅入ってしまいますよね。それに、家族や周囲の人との関係に悪影響が出ないかも気になります。
「なんだかイライラしてつらいな」と思ったら、更年期障害を疑って、婦人科や更年期外来を受診しましょう。
更年期障害のイライラは、薬やカウンセリング、生活改善での対処することができます。1人で悩みを抱えず、医療の力を借りてスッキリしましょう。