子供の目薬の差し方は?嫌がるときはどうしたらいい?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供がものもらいや結膜炎などになったときに目薬を処方されますが、子供の目薬の差し方が分からないママは多いのではないでしょうか。子供が目薬を泣いて嫌がると、どうしたらいいか困ってしまいますよね。そこで今回は、子供の目薬の差し方と注意点をご紹介します。

子供が目薬を嫌がる理由は?

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子供が目薬を嫌がる、ということはよくあると思いますが、その理由は「恐怖」です。自分の目に容器の先端が向いていることや、目薬が目に向かって落ちてくること、目薬が目に入る瞬間などは目薬に慣れていない子供にとって怖いことです。

また、そもそも目薬とは何なのか、何のために目薬を差すのかを子供が理解していない場合、子供は何をされているのか分からないため余計に怖くなってしまいます。

子供の目薬の差し方は?

子供 目薬 点眼

それでは、一体どのように子供に目薬を差せば良いのでしょうか?ここからは、子供の目薬の差し方を流れに沿ってご紹介します。

1. 手を洗う

子供に目薬を差す前に、まずは手を洗いましょう。ママの手が汚れていると、雑菌を増やして症状を悪化させてしまう可能性もあるので、手を清潔にすることが大切です。

2. 仰向けに寝かせる

子供に目薬を差すときは、仰向けに寝かせるのが良いでしょう。ママの足の間に子供を寝かせ、ママの両足で包み込むようにしてあげると、子供も安心できます。ママの膝の上に子供の頭を乗せて寝かせるのでも構わないので、ママの体に無理のない姿勢にしてくださいね。

3. 下まぶたを引き下げて目薬を差す

子供の下まぶたを軽く引き下げて、目薬を差しましょう。このとき、子供の顔をしっかり真上にあげた状態で目薬をさすことが大切です。子供は笑ったママの顔を見つめていることで、目薬が目に入る瞬間が見えなくなり、目薬に対する怖さを取り除くことができますよ。

4. 目を閉じて目頭を押さえる

目薬を差したあとにパチパチとまばたきをすると、目薬が目から流れ出てしまったり、鼻や口の方へ流れてしまったりして、目薬の効果が薄れてしまいます。目薬を差したあとは、子供に目をつぶらせ、目頭を1分ほど軽く押さえましょう。

5. 目の周りを拭く

目頭を押さえて1分ほど経ったら手を離し、目の周りに溢れた目薬をガーゼやティッシュなどで必ず拭き取りましょう。

6. 褒める

きちんと目薬を差すことができたら、子供を褒めてあげましょう。「よく我慢したね」「頑張ったね」と褒めてあげることで、子供の目薬に対する恐怖心や苦手意識がだんだんなくなっていくと良いですね。

子供が目をつぶってしまう場合の目薬の差し方はどうする?

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目薬が怖くて、どうしても目薬を差すときに目をつぶってしまう子供もいると思います。その場合は、子供が目を閉じた状態で目頭付近に目薬を差してみましょう。すると、子供がまばたきをすることで自然と目薬が目の中に入っていきます。

この方法で目薬を差す場合、目の周りのものまで目薬と一緒に目の中に入るため、事前に目の周りをきれいに拭き、清潔にしておくことを忘れないようにしましょう。

また、子供が寝ている間に目薬を差すというのも一つの方法です。寝ている間に軽く下まぶたを引き下げて目薬を差したり、目頭付近に目薬を差してから目尻を軽く引っ張ったりしてみましょう。

子供の目薬の差し方で注意することは?

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子供に目薬を差すときには、次のようなことに気をつけましょう。

目薬を高いところから差さない

目薬をあまり高いところから差すと、子供も目薬が目に入る瞬間が怖いですし、目薬が目に入る前に子供がまばたきをしてしまうことがあります。目薬は、なるべく目の近くから差しましょう。目からだいたい5〜10cm程度離したところから差すのがよいですよ。

容器をまぶた・まつげにつけない

容器を目に近づけすぎて、まぶたやまつげに触れないように気をつけましょう。容器の先がまぶたやまつげに触れてしまうと、容器に涙や細菌、花粉や目やになどが付着して、目薬が汚れてしまう可能性があります。

点眼後すぐまばたきさせない

先述のように、目薬を差したあとはまばたきをさせず、目を閉じておくようにしましょう。そうすることで、目薬が目の全体に行き渡ります。

子供を暴れさせない

子供が目薬を嫌がって動いてしまうと、目薬を差すときに目薬の容器で目を傷つけてしまう恐れがあるので注意しましょう。ママの足の間に子供を寝かせている場合は、ママの足で子供の体を軽く挟むと安全ですよ。

子供がどうしても目薬を嫌がって暴れるようであれば、目をつぶった状態で目薬を差す方法を試してみましょう。

泣いているときは目薬を差さない

子供が目薬を嫌がって泣いてしまうこともあると思いますが、泣いているときに目薬を差しても、涙とともに目薬が流れ出てしまうため意味がありません。

子供が泣いてしまったら、泣き止むまで待ってから目薬を差しましょう。

子供の目薬の差し方を工夫して目薬に対する恐怖心を取り除こう

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目薬を差すのは、子供にとって怖いことです。なんのために差しているのか、何を差しているのか分からないわけですから、その怖さは大人よりも大きなもの。

子供が目薬を嫌がったからといって、叱ったり怒ったりして無理やり差すのではなく、優しく声をかけて、子供の目薬に対する恐怖心を取り除いてあげましょう。

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