子供の耳掃除は必要?耳かきを嫌がるときはどうする?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

子供の耳掃除、どうしていますか?お風呂あがりに膝枕で子供の耳をのぞき込むのが習慣になっている、というママも多いのではないでしょうか。でも、耳かきを嫌がる子供は多いもの。どんな工夫をすれば、うまく耳掃除ができるのでしょうか?今回は、子供の耳かきや耳掃除のやり方や、子供が嫌がるときの対策のほか、耳鼻科で耳掃除してもらうべきか、についてご説明します。

子供の耳掃除は必要なの?

疑問 why 

耳垢は、耳の穴から鼓膜までの「外耳道」と呼ばれる部分の入り口近くに溜まります。古い皮膚がはがれたフケのようなものと、皮膚から分泌される皮脂、外から入って来るホコリなどが固まってできています。

音の振動を感知する「鼓膜」は、外耳道の奥にあるとはいえ外気にさらされているので、細菌感染や乾燥から身を守る必要があります。しかし、外耳道には大きなホコリの侵入を食い止める耳毛以外、ほとんど何も防御するものがありません。そこで、鼓膜を正常に保つため、耳垢は鼓膜を守る役割の一端を担っています。

頻度は低いものの、耳垢が外耳道をふさいでしまうと、耳の聞こえが悪くなったり、難聴になってしまったりすることがあります。

一方で、外耳道に生えている細かい毛が、耳垢を自然に外に押し出すので、「家庭での耳掃除はそれほど必要ない」という耳鼻科医の意見もあります。また、「耳掃除そのものが、耳道を傷つける可能性があるので行わない」という意見もあります。

子供の耳かきをするときの注意点は?

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しかし、耳の中の汚れはやっぱり気になるもの。そこで、多くの耳鼻科専門医が推奨しているのは、「月1回程度、外から見えている範囲だけを、軽くぬぐうように掃除する」という方法です。

耳の自浄作用を利用しつつ、耳を傷つけないよう適度に掃除するのがポイントです。耳掃除をしすぎると、外耳道に引っかき傷ができ、そこから細菌が感染して外耳道炎などのトラブルを起こす恐れもあるので注意が必要です(※1)。

さらに、耳の中をいじりすぎることで、せっかく自然に外へ出てこようとしていた耳垢を、綿棒で奥に押し込んでしまうことも。

また、子供の耳かきをするときは、兄弟などほかの子供がぶつかってきたりしないよう、周りをよく確認するようにしましょう。耳の中に綿棒を入れているときに、衝撃で鼓膜を破ってしまうと大変です。

子供の耳掃除を上手に行うポイントは?

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子供の耳を清潔に保つために、家庭で行う場合の上手な耳掃除のポイントをご紹介します。

膝枕ではなく、座った状態で

耳掃除といえば膝枕が定番ですが、この姿勢で耳掃除を行うと、取れた耳垢が鼓膜の方へと落ちてしまうことも。子供を座らせた状態で、横から耳掃除するのがおすすめです。

影になって良く見えない…という場合は、耳たぶをちょっとだけ引っ張り、ペンライトや懐中電灯で耳の穴を照らしながら行いましょう。

耳かきではなく、細めの綿棒で

耳かきで外耳道をこすっても、耳垢を擦り付けているだけで効果がないだけでなく、皮膚を傷つけてしまうことも。子供の耳掃除は、ベビー綿棒などの細めの綿棒にベビーオイルやオリーブオイルを少しつけて行うと良いでしょう。

耳掃除用の吸引器は、乾いていて細かいカサカサの粉のような耳垢に有効です。ただし、音に驚くことがあるので、子供が怖がらないように注意しながら使用してくださいね。

1cm以上は入れない

耳の穴から1cmくらいのところに皮脂腺があり、そこより奥は皮脂が分泌されないので、耳垢が固まることはありません。そのため、耳の入口から1cmほどの範囲を綿棒でくるっとぬぐうように掃除すれば、ほぼ耳垢が溜まることはない、と考えましょう。

皮膚を傷つけたり、耳垢を押し込んでしまったりするリスクがあるので、1cm以上奥へは入れないようにしてください。耳の穴の中は距離感がつかみにくいので、綿棒の1cmあたりにペンなどで印を付けておくと、分かりやすいですよ。

綿棒の先の綿が巻かれている部分がちょうど1cmくらいの長さなので、それを目安にしてもいいですね。

子供が耳かきを嫌がるときはどうすればいい?

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子供が耳掃除を嫌がるとじっとしていられず、手を動かしてしまわないか心配ですよね。子供の手がサッと出ない安全な状況を作ってから、耳掃除をしましょう。

3歳以下の小さな子なら、バスタオルやタオルケットで体をぐるっとまき、手足が動きにくい状態を作って耳掃除をすると安全に行えます。

それよりも大きな子であれば、大好きなお人形やぬいぐるみなどを持たせて、そちらへ意識を集中させるようにしながら、そっと耳掃除を行いましょう。

パパの膝の上でテレビを見たり、本の読み聞かせをしているすきに、ママがさっと耳掃除…という連係プレーも有効ですよ。

耳鼻科で耳掃除してもらうのも一つの方法

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「耳掃除が大好き!」という子もいれば、「耳を触られるのもイヤ!」という子もいます。子供が極端に耳かきを嫌がるなら、無理に押さえつけて耳掃除をしても、上手にできないだけでなく、子供が暴れて鼓膜を傷つけてしまったり、思わぬ事故につながる危険もあります。

どうしても子供が耳掃除を嫌がる場合や、外耳道が狭くて耳かきがしづらいときは、耳鼻科を受診して耳垢を取ってもらうと良いでしょう(※2)。耳鼻科の先生であれば、そのような対応にも慣れているので、専用の機器を使って、安全に、キレイに耳垢を取り除いてくれますよ。

耳掃除を嫌がらない子でも、半年に1度ほど耳鼻科で耳掃除をしてもらうと、安心ですね。

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