伝染性紅斑とは?症状や原因、治療法は?出席停止になる?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

「伝染性紅斑」。この病名を聞いてもピンとこない人も多いかもしれませんが、伝染性紅斑は別名「りんご病」としても知られている感染症です。そこで今回は、伝染性紅斑にかかるとどんな症状が出るのか、また原因や治療法、出席停止になることはあるのかなどをご説明します。

伝染性紅斑とは?原因は?

頰 ほっぺ 発疹

伝染性紅斑とは、ヒトパルボウイルスB19が人に感染することで発症する感染症の一種です。

別名「りんご病」とも呼ばれるように、頰に出る赤い発疹が特徴的な病気で、ほぼ5年ごとに流行する傾向があります(※1)。

感染者は1月から7月上旬にかけて多く、9月頃にもっとも少なくなります。5歳ごとの年齢分布では、5~9歳がもっとも多くみられます(※1)。

伝染性紅斑の症状は?

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伝染性紅斑は10~20日ほどの潜伏期間を経て、頰に境目のはっきりしたかゆみを伴う赤い発疹が現れ、それに続いて手や足、まれに胸やお腹、背中にも網目のような発疹が現れます(※2)。

伝染性紅斑で現れる発疹は1週間ほどで消えることが多いですが、長引いたり再発したりすることもあります。運動したり、温めたりすると、発疹の症状が強くなりやすいのも特徴です。

熱が出ることもありますが、高熱が出ることはあまりありません。

また、伝染性紅斑は子供だけでなく大人もかかることがありますが、その場合は関節痛や頭痛など、子供とは違った強い症状が出ることがあります。場合によっては、感染しても目に見える症状がないこともあります。

伝染性紅斑の感染経路は?

ウイルス ポリオウイルス 

伝染性紅斑の感染経路には、くしゃみや咳でウイルスが飛ばされることによる飛沫感染、指などを経由して口からウイルスが入ることで感染する接触感染、まれに輸血用血液による血液感染があります(※2)。

感染力がもっとも強いのは、頰に発疹が現れる7~10日ほど前の頃で、この時期はウイルスが血流に乗り全身に広がる、ウイルス血症という状態になっています(※2)。

症状として発疹が現れる頃には、感染力はほぼなくなっていると考えられています。

伝染性紅斑の治療法は?

薬 吸入 錠剤

伝染性紅斑には特効薬が存在しないため、感染したら、症状を和らげるための対症療法が行われます。

子供がかゆみを訴える場合には、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン薬の内服や塗り薬などの外用薬が処方されることがあります(※1)。

伝染性紅斑の予防法は?

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伝染性紅斑にワクチンは存在しないため、予防接種による予防はできません。また前述の通り、伝染性紅斑でもっとも感染力が強いのは、発疹などの症状が現れる前の時期であるため、一見すると予防が難しい病気のように見えます。

しかし、飛沫感染と接触感染が主な感染経路であるため、マスクの着用や手洗いうがいなど、一般的な感染症予防に効果が期待できます。

周りで伝染性紅斑が流行しているときは、注意してみてくださいね。

伝染性紅斑は出席停止になる?

小学校

伝染性紅斑は、くしゃみや咳などの飛沫感染や接触感染で人から人に感染します。そのため、共有物の多い学校や保育園などでは感染が広がりやすい傾向があります。

学校を出席停止になる基準について、伝染性紅斑は、学校保健安全法において、溶連菌感染症や手足口病などと同じ「その他の感染症」に分類されています(※3)。これは、必ずしも出席停止になるわけではないものの、必要に応じて出席停止になる可能性がある病気だということです。

子供が伝染性紅斑になった場合、出席停止になるかどうかは、通っている学校によって異なるため、感染していることがわかったら、学校に相談してみましょう。

発疹が出ている頃には感染力はほとんどなくなっていると考えられるため、発疹の症状しか出ていなくて子供自身の体調が良ければ、登校できる場合が多いようです(※3)。

伝染性紅斑は感染する前に予防を

手 手洗い 石鹸 清潔

伝染性紅斑、もしくはりんご病という名前を聞くと、「怖い感染症」というイメージを持つ人もいるかと思いますが、実は感染経路が多くないため、経路さえ絶ってしまえば予防が可能な病気とも言えます。

効果的なワクチンは見つかっていないものの、主な感染経路は飛沫感染と接触感染なので、マスクの着用や手洗い、うがいなどの一般的な感染症予防で防げる可能性があります。

もし子供の周りに伝染性紅斑の感染者が出たという情報を聞いたら、すでに流行している可能性があるため、できるだけ早く感染予防を行うことをおすすめします。

また、ヒトパルボウイルスB19が妊娠中の女性に感染すると、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんにもうつり、胎児水腫などになる可能性があります(※4)。そのため、お腹に赤ちゃんがいるママは、特に感染に注意しましょう。

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