赤痢とは?症状、感染経路は?検査が必要なの?

記事監修 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 続きを読む

赤痢とは、発熱や下痢を伴う感染症の一つです。以前は途上国でよく見られていた病気で、日本では1970年代後半から患者数が激減していました。しかし、近年は日本でも再び増えつつあり、子供やお年寄りは重症化することもあるので、感染した場合は注意が必要です。今回は、赤痢の症状や感染経路、検査方法、子供はかかりやすいのかなどについてご紹介します。

赤痢とは?子供はかかりやすいの?

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赤痢(英語ではdysenteryと呼ばれています)は原因となる病原体によって「細菌性赤痢」と「アメーバ赤痢」の2種類に分けられます。ただし、一般的に「赤痢」というと細菌性赤痢を指すことが多いようです。

細菌性赤痢は全世界で毎年8000万人から1億6500万人程度の患者が発生し、患者の約80%が10歳未満の子供です(※1,2)。

日本国内の患者の70~80%は、インド、インドネシア、タイなどのアジア地域を訪れた際に感染しています(※2)。しかし保育園やホテルで集団感染したという例もあり、国内での感染にも注意が必要です。

一方、アメーバ赤痢は全世界で5000万人が発症し、年間4~7万人が死亡していると言われています(※3)。日本国内では、2000年に377人だった患者数が2006年には747人となっており、増加傾向にあります。割合としては男性が多く、国外よりも国内での感染例が多く報告されています(※4)。

以下では、特に子供の発症が多い細菌性赤痢についてご紹介していきます。

赤痢の症状は?

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細菌性赤痢に感染すると、1~3日の潜伏期間を経て、下痢や腹痛、発熱、血便などが見られます(※2)。

重症化することはあまりなく、数回の下痢や軽い発熱だけで済むことも多くありますが、下痢が長期間続くと、脱水になりやすくなります。

他には細菌が多量に血中へ侵入することで起きる敗血症などもみられ、その場合は死亡率が高くなる傾向にあります(※5)。

赤痢の原因や感染経路は?

ウイルス 感染 ばい菌 潜伏 感染症

赤痢菌(Shigella)という細菌が、この病気の原因です。

細菌性赤痢は、赤痢菌に感染した人の便、それらに汚染された手指、食品、水、食器などを介して感染します。患者の便などに触れたハエや、細菌性赤痢に感染したサルを介してうつることもあります(※2)。

細菌性赤痢は感染に必要な菌の数が少なく、一人でも感染者がいると、周りの人も感染してしまう可能性が高いのが特徴です。家庭内での二次感染は、40%にものぼるとされています(※2)。

赤痢は検査が必要なの?

実験 検査 ウイルス 菌

サルモネラ菌や大腸菌O-157に感染したときにも同じような症状が出ることがあるため、下痢や血便、腹痛があるからといって、必ずしも細菌性赤痢に感染したとは断定できません。

正しく診断してもらうには、医師に便の培養検査をしてもらう必要があります(※5)。

下痢で血便が出た場合には、近くの病院に行き、調べてもらうようにしましょう。

赤痢の治療法とは?

診断 聴診器 診察 治療 医師 医者 ドクター

細菌性赤痢に感染したら、抗菌効果のある薬を服用することで治療を行います。抗菌効果のある薬を5日間飲んだ後に便のなかに赤痢菌が見つからなければ、治ったと判断されます(※2)。

ただし薬の種類は大人と子供で異なるため、自己判断で薬を使いまわさないようにしてください。

また、下痢や嘔吐によって脱水症状になることがあるので十分な水分を補うことが必要です。4~8日で回復することが多いものの、重度の場合は3~6週間かかることもあります(※6)。

赤痢の予防法は?

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赤痢の予防の基本は感染経路を断つことです。そのためにしっかり手洗いを行いましょう。また衛生環境の悪い国に旅行に行ったときには、生ものや生水、氷などを口にしないようにしましょう(※2)。

下痢の症状がある人は食品を調理しないこと、ハエを駆除することなども大切です。また下痢の症状がある子供は念のため保育園や学校に行かせず、感染を広げないようにしましょう。

赤痢は予防、治療できる病気です

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日本にいるとあまり馴染みのない赤痢ですが、合併症を引き起こしたり重症化したりすることもあるため注意が必要な病気です。とはいえ、予防法や治療法がちゃんとあるので安心してください。

原因となる赤痢菌は衛生環境の悪いところにいます。台所やトイレ、浴室などを清潔に保ち、外から帰ってきたときやトイレを使った後、食事前には必ず手を洗いましょう。

もし仮に発症してしまったとしても、治らない病気ではないので焦ることはありません。病院に行けば、適切な治療をしてもらえます。子供だけでなくママやパパ自身も感染しないように予防を心がけ、臨機応変に対応していきましょう。

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