突発性発疹にかかった子供に熱が出たーー。そんなとき、過去に処方されて余った解熱剤の座薬を使おうかと、迷う人もいると思います。突発性発疹の熱に対して、解熱剤の座薬は使っていいのでしょうか?今回は、突発性発疹に解熱剤の座薬を使っていいのか、効かないこともあるのかなどをご紹介します。
突発性発疹とは?
突発性発疹とは、ヒトヘルペスウイルス6型または7型というウイルスによって引き起こされる感染症で、0~1歳が感染のピークとされてきましたが、近年では発症年齢が上がってきています。
突発性発疹に感染すると、突然高熱が出ることが多く、39度以上になることも少なくありません。あわせて嘔吐や下痢、けいれんの症状が出ることもあります。
熱は3~4日ほどで下がり、その前後で胸やお腹、背中や顔を中心に、赤い色の発疹が現れます(※1)。この発疹は数日で消え、跡も残りません。
突発性発疹は、治療をしなくても自然治癒することがほとんどです。しかしヒトヘルペスウイルス6型が原因の場合、熱性けいれんや、まれに脳炎・脳症、肝炎・劇症肝炎、腸重積症、特発性血小板減少性紫斑病、血球貪食性リンパ組織球症などの合併症が発症する可能性があります(※1)。
突発性発疹に市販の解熱剤は効かない?
突発性発疹の熱の症状は、先にご説明したとおり、特に治療をしなくても自然に治まることが多いです。ただし、高熱のせいで眠れなかったり、食欲がなかったりする場合には、医師から「アセトアミノフェン」を用いた解熱剤が処方されることがあります。
高熱が出ると、家にある過去に処方された解熱剤を使おうと考える人もいると思いますが、それでは十分に効かない可能性があります。薬は処方する時点の子供の体重によって量が決まっているため、過去に処方された薬を使っても、体重が変わっていれば効果が現れないことも考えられるからです。
もし突発性発疹による高熱で子供が眠れなかったり、食欲がなかったりするときは、医師から改めて解熱剤を処方してもらい、用法・用量を守って服用しましょう。
突発性発疹に解熱剤の座薬は使える?
アセトアミノフェン製剤には座薬のタイプもあり、適切に使えば突発性発疹の熱を下げることができます(※2)。
解熱剤の座薬を使うタイミングは?
一般的に解熱剤の座薬は、子供の状態が以下のような場合に使います。
● 38.5度以上の発熱があり、ぐったりしている
● 食欲がなく、水分も補給できていない
● 機嫌が悪く、よく眠れない
また座薬の場合、使うタイミングも重要で、発熱のピークで使用するのが最も効果が大きいと考えられています。
解熱剤の座薬が効かないときは?
座薬を使っても突発性発疹の熱が下がらない場合は、下記のような原因が考えられます。
● 使用期限が切れている
● 保管状況が悪く変質している
● 処方されてから子供の体重が増えている
● ウイルス感染による発熱の勢いが強い
座薬には使用期限が設けられており、その期限内であれば使用することが可能です。使用期限は一律ではなく、製品ごとに異なりますが、薬に表示されていないことが多いため、薬局で薬を受け取る際に確認しておくといいでしょう。
また、座薬は一般的に「1~30度の気温で保管すること」とされており、冷暗所や冷蔵庫での保存が推奨されています。長期間暑い場所で保管した場合、変質してしまう可能性があるので注意しましょう。
処方されてから子供の体重が増えている場合も、効き目が弱くなることがあります。上述した解熱剤と同様に、座薬の量も子供の体重をベースに計算されて処方されているため、子供の体重が増えていると十分な効果を発揮できない可能性があるのです。
突発性発疹に解熱剤の座薬を使う前に、医師に相談を
子供が39度を超える熱を出したら、すぐに下げてあげたくなりますよね。そんなときに、昔処方された座薬を使いたくなるのは、ママやパパによくある心理だと思います。
しかし、突発性発疹の熱の症状は、特に治療をしなくても自然に治まることが多いうえ、解熱剤として効果が高いと考えられている座薬でも、用法・用量を守らないと、効かないことがあります。そうなると、かえって子供に負担をかけてしまう可能性も考えられます。
苦しむ子供の姿を見ているのは、ママ・パパとしてもつらいもの。子供の体の負担を少なくしてあげる意味でも、まずは医師に相談し、指示された最適なタイミングで座薬を使うようにしましょう。