親が離婚するときの子供の気持ちとは?伝えるときに注意することは?

結婚をして家庭を築いても、生活していくなかでのすれ違いや変化により、離婚を決断することもあります。それは子供がいる家庭であっても同様です。しかし、両親が離婚を選ぶということは、子供にとって大きな変化です。今回は、親が離婚をするときの子供の気持ちや、伝えるときに注意したいことについてご紹介します。

子供がいる家庭の離婚率は?

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厚生労働省が行った調査では、平成27年の離婚件数は22万6215組で、そのうち、未成年の子がいる離婚件数は13万2166組、未成年の子がいない離婚件数は9万4049組というデータが出ています(※1)。

つまり、平成27年の離婚件数のうち、約58%が子供のいる家庭ということになります。

親が離婚するとき、子供はどんな気持ちになる?

男の子 後ろ 少年 子供 孤独

離婚する家庭は、それぞれの家庭で理由や状況が異なりますよね。同じように、離婚をするときの子供の心境というのは、子供の年齢や性格、これまでの親との関係性、子供をとりまく環境によっても異なるものです。

離婚を伝えられた子供の心境にどのような変化があるのか、家庭ごとに子供の気持ちをケアし、向き合うことが大切です。

ここでは、時期別の子供の気持ちの変化や伝えるときに注意したいこと、ケアするときに意識したいことについてご紹介していきます。

乳幼児~小学校低学年

乳幼児期は、親の離婚をあまり理解できませんが、離婚による間接的な事象によって、子供の気持ちに変化が訪れることがあります。

子供が幼い時期は、特に親とのコミュニケーションが子供の心の成長を育むときです。離婚によってコミュニケーションが不足してしまうと、不安を抱えやすくなることもあります。

たとえば、離婚による経済的な理由で仕事の時間が長くなり、親と接する時間が減るということもあります。

社会性が身につきだす3歳以降になると、他の家族と自分の家族の違いに気づき、パパやママがいないことを疑問に感じはじめます。直接聞いてくることもあれば、幼いながらに遠慮してしまうケースも少なくありません。

小学生低学年であれば、「離婚」の意味も少しずつわかりはじめますが、離婚の理由を本当に納得できるまでには時間が必要です。

思春期・青年期

離婚することについて、すでに「気づいていた」「まったく気づいていなかった」という状況の違いによって気持ちは異なります。家庭外でとりまく子供の環境(友達関係など)も、気持ちに大きく影響するといわれています。

たとえば、周りに相談できる友達が少なかったり、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な場合は、離婚という事実を受け入れるのに時間がかかり、親に反抗したり、気持ちが不安定になることも。

一方で、離婚による不安や、やり場のない気持ちを打ち明けられるような友達が身近にいる場合は、疑問や不安は感じつつも、比較的受け入れやすい傾向に。

子供が成人を迎える頃になると、理由によっては応援してくれるというケースもあります。

しかし、それでも親権・財産分与・戸籍の変更等が生活に影響し、負担を感じさせてしまうこともあります。

この時期は、体や心の成長が著しいときです。特に親と子が異性であれば、相談しにくいことも出てきます。どんな状況であれ、一時的にストレスを感じさせてしまうことがあることも認識しておきましょう。

子供の気持ちを考慮しながら離婚を伝えるポイントは?

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子供に離婚を伝えるときは、子供の状況や気持ちを考えながら伝えるようにしましょう。

伝えるタイミングを考える

予定を調整できる状況であれば、子供の生活に影響しないタイミングを選びましょう。

精神的な負荷をかけないよう、イベントや試験の前、幼稚園や保育園、学校の期が変わる時期など、新しい環境になるときや、集中しなければいけないことがあるときは、できるだけ避けてください。

嘘をつかず事実を伝える

離婚の内容によっては、事実を伝えるまでに時間が必要なこともあります。伝えられる範囲で伝え、嘘だけはつかないようにしましょう。

幼児であっても、わかる言葉で説明してあげてください。わからなくても真剣に向き合ってくれたという事実が、子供の自信に繋がります。

離婚の理由を子供のせいにしない

親が離婚をする理由が、子供である自分自身と聞くのはとても傷つくもの。

特に「●●ちゃんのために離婚した」といったフレーズや内容は、子供にとって迷惑と感じることや、「自分が悪いんだ」と責任を感じてしまうこともあります。

相手の悪口を言わないようにする

子供にとっては、父・母である2人は大切な存在です。悪口を言うのは、子供自身が否定されたように感じることもあります。別れた相手を否定するような言葉を子供に聞かせないよう配慮しましょう。

離れていても親であることを伝える

離れてしまうことになったとしても、「いつまでも自分は親である」「見放したわけではない」こということを伝えましょう。一緒に暮らす場合も「見放さない」と伝え、安心感を与えてあげてください。

また、子供が面会を希望している場合は、会わせられる状況であれば子供の意志を尊重しましょう。親の都合で「会わせない」と決めず、子供の気持ちを考えた判断が必要です。

子供に回答や意見を無理に求めない

離婚について「どう思う?」「どっちと暮らしたい?」「あなたはどうしたい?」と聞いても、すぐに答えを出せる問題ではありません。

時間をかけて、少しずつ意見を聞くようにしてください。

親が離婚した後の子供の心のケア方法は?

赤ちゃん 親子 手 繋ぐ

離婚後、子供との新たな生活がスタートしても、すぐに気持ちを切り替えられるわけではありません。子供が不安にならないよう、いつでも愛情を伝えるようにしてくださいね。

また、親子の時間を作ることも重要です。難しいと感じるかもしれませんが、短時間でも毎日接することで、子供の気持ちの変化を感じ取りやすくなります。

朝に数分、帰ってから15分でも、子供との時間を確保して、1日にあったことや今日の予定といった、何気ない会話をしてみてください。

もし、時間がどうしても取れないときは、ノートでやり取りしたり、メールを送るときに写真も一緒に添付してみたりするなどして、親子のコミュニケーションを作るようにすると良いですね。

離婚するときは子供の気持ちも大切に

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子供が親の離婚を受け入れるまでは時間がかかるもの。DVなど心身の危険がある場合は、すぐに離れた方が安全ですが、調整できる状況であれば、子供の気持ちを最優先に考えて進めてください。

また、再婚を考えている場合も同様です。突然、全く知らない人を新しい親として受け入れるのは難しいもの。

少しずつ子供との交流を増やし、子供が受け入れられるようになるまで、時間をかけてあげてくださいね。

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