アレルギーマーチとは?予防できる?原因や治療法は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供がアレルギーになると、痒みや痛みなど、苦しい症状が続いて心配になりますよね。アレルギーを持つ人は増加傾向にあり、いつどこでアレルギーを発症するかわかりません。そこで今回は、アレルギー症状を患う子供に多く見られる「アレルギーマーチ」について、原因や症状、治療方法などをご説明します。

アレルギーマーチとは?

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アレルギーとは、異物から体を守るための免疫反応の一部で、体に害のないものに対しても過剰に反応してしまっている状態です。

アレルギーには様々な種類があり、年齢とともに異なるアレルギー症状が次々と現れたり、併発したりすることを「アレルギーマーチ」といいます。アレルギーの症状が、まるで行進しているかのように変化することから名付けられました。

全国の1~59歳までで、アレルギーを患っている人のうち、約7割もの人が2種類以上のアレルギーを併発しているという調査結果もあります(※1)。

アレルギーマーチの原因は?

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アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は、食べ物やホコリ、花粉、動物など、身の回りにたくさんあります。

また、アレルギーは遺伝することもあり、親がアレルギーだとその子供もアレルギーになる可能性があります。しかし、必ずしも遺伝で発症するというわけではなく、周りの環境など、様々な原因で発症します。

ママが食べたものが母乳を通して赤ちゃんに入り、アレルギーを引き起こすという説もありますが、母乳とアレルギーの関係はまだはっきりと分かっていません。

アレルギーマーチの症状は?

症状

アレルギーマーチになると、アレルギー症状が次々に現れます。同時に複数のアレルギー症状が現れることもあります。アレルギーの種類は様々ですが、一般的に、下記のような順番で症状が現れるケースが多いです。

1. 食物アレルギー

アレルギーマーチの最初に発症するものの1つが、「食物アレルギー」です。特定の食べ物に対してアレルギー反応が起こることを指します。

乳児期には卵、牛乳、小麦の3大アレルゲン、3歳以上の子供は野菜、魚介類、果物などが原因となることが多く、比較的早い時期から症状が現れます。

一度食物アレルギーになっても、適切な治療を行えば年齢とともに治ることが多く、その有症率は、乳児で約5~10%、保育所に通う子供で約5%、小学生では4.6%とされています(※2)。

2. アトピー性皮膚炎

アレルギー反応が皮膚で発症したものが、「アトピー性皮膚炎」です。肘や膝などの体の関節に痒みを伴う湿疹が繰り返しでき、幼小児の12%に見られます(※3)。

食物アレルギーが原因となることがあり、特定の食品を食べた後に、アレルギー反応として、湿疹や蕁麻疹などが表れることもあります。

食物アレルギーとは関係なく、アトピー性皮膚炎だけが発症することもあります。

3. 喘息

空気の通り道である「気道」に炎症が起こり、呼吸困難を引き起こすのが「喘息」です。ハウスダストやダニなどのアレルゲンが原因となることが多く、喘息の60~70%は2~3歳までに、80%以上が6歳までに発症します(※4)。

4. アレルギー性鼻炎

花粉やハウスダストなどのアレルゲンに鼻の粘膜が刺激され、炎症が起こっている状態が「アレルギー性鼻炎」です。主な症状として、鼻水やくしゃみ、鼻づまりが起こります。

アレルギー性鼻炎のうち、植物の花粉によって起こる鼻炎のことを、「花粉症」と呼びます。

アレルギーマーチの治療方法は?

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アレルギーマーチの治療は、そのときに現れているアレルギー症状に対して行われます。具体的には、下記のような治療を行います。

アレルゲンの回避

アレルギー治療は、アレルギーの原因となったアレルゲン物質を避けることから始まります。

そのためにまずは、血液検査でアレルゲンの特定を行います。アレルゲンが食べ物であれば、その食べ物を直接食べることを避け、加工品を摂取するようにします。

環境の場合は絨毯や寝具などをきれいに保つ、花粉の場合はマスクを着用するなど、アレルゲンに合わせて上手く避けることが大切です。

薬物治療

アレルギーの症状がひどい場合は、症状を軽くするために薬物治療を行うこともあります。症状に合わせて、抗ヒスタミン剤などの抗アレルギー剤や点鼻薬、ステロイドや保湿の塗り薬などが病院から処方されます。

減感作療法

減感作療法とは、アレルゲンを少しずつ、継続的に体内に取り組むことで、反応を弱くする治療法です。

日本では、12歳以上のスギ花粉症と、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎に対しての有効率が約80%という実績もあり、近年注目されています(※5)。治療は主に、皮下注射や薬の服用が行われ、ますが2~3年ほど続ける必要があります。

アレルギーマーチは予防できる?

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アレルギーは様々な要因で発症するため、その要因を全て生活から排除し、予防することは不可能に近いことです。

そのため、アレルギーマーチの進行を予防するには、アレルギー症状に早く気づき、適切な治療を行うことが大切です。特にアレルギーマーチの初期症状である食物アレルギーや、アトピー性皮膚炎の治療を早めに行い、離乳食の進め方を工夫することが有効とされています。

アレルギーの原因がわからないことには進行の予防もできないので、疑わしい症状が現れた場合は自己判断せず、病院を受診し、医師の判断をあおぐようにしましょう。

アレルギーマーチは専門医に相談しよう

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アレルギーマーチの治療は長期に渡ることがほとんどです。最近ではアレルギー専門の医師がいる病院もあるので、長期的な治療を見据えられる病院をみつけてくださいね。

子供がアレルギーになってしまったら、普段の生活でも気をつけないといけないことがあるかもしれません。家族で協力し合いながら、症状の改善を目指せるといいですね。

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