流産後の生理や排卵はいつ?基礎体温や手術後の過ごし方は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

「早く子供を授かりたい」と願う女性にとって、流産したあとにいつ生理が戻ってくるのか、排卵がされるようになるのかは気になるところですよね。また、流産後にどのように過ごしたらいいのか知りたい、という人もいるかもしれません。今回は、流産後の生理や排卵、基礎体温といった体の変化や、手術後の過ごし方についてご説明します。

流産が起こる原因や確率は?

自然流産は、すべての妊娠のうち約15%に起こるとされ、そのうちのほとんどは妊娠12週未満の早い時期に起こる「早期流産」です(※1)。

早期流産の原因で最も多いのは、胎児の染色体などの異常です。その場合、受精した段階で流産となる可能性がより高く、妊婦さんの生活習慣などが原因で流産することはほとんどないといえます(※1)。

流産後の生理と排卵はいつから?

流産の状況やもともとの生理周期によっても異なりますが、一般的には流産となってから3~5週間後に生理が来る人が多いようです。

ただ、精神的ストレスなどにより遅れる場合や、流産後すぐに生理が戻る場合もあるなど、個人差が大きいため、あくまでも目安として考えてください。

また、排卵は生理の約2週間前なので、流産の数週間後に排卵していることもあれば、最初の生理までに排卵が起こらないこともあります。

より正確に体のリズムをつかむために、基礎体温をつけるよう産婦人科医から指示されることもあります。

流産後の基礎体温はどうなる?

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流産となったあと、しばらくは基礎体温が高い状態が続いたり、グラフがガタガタになったりすることもよくあります。

これは、ホルモンバランスが元に戻るまでの一時的なものと考えられます。時間の経過とともに安定することがほとんどなので、あまり焦る必要はありません。

生理周期が落ち着いてから、あるいは次の妊娠を考えはじめたときから、基礎体温の記録を再開すると良いでしょう。

流産後はいつから妊娠できるの?

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流産した直後の子宮は、まだ完全に機能が回復していない状態です。早く子作りを再開したい、と思う人もいるかもしれませんが、まずは心身の回復を優先させ、ゆったり過ごすようにしましょう。

夫婦生活を始めてもいい時期については、流産後に体調が戻っていれば、特に制限はありません。かかりつけの産婦人科医とも相談しましょう。

生理が再開していないうちに次の妊娠をすると、正確な妊娠週数がわからなくなってしまったり、妊娠に気づかなかったりすることもあるため、一般的には生理が1~2回来るのを待ってから子作りするのが良いとされます。

なお、流産後しばらくは夫婦生活をする気になれない、といった場合には、パートナーに気持ちを伝え、二人が納得のいくタイミングで再開してくださいね。

流産後の過ごし方は?心身のケアは?

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もっとも大切なことは、流産後はできるだけ心身を休め、少しずつ回復させていくことです。ずっと寝たきりで過ごす必要はなく、無理のないペースで少しずつ元の生活に戻していきましょう。

流産による腹痛や出血、手術を経験したあとは、少なからず身体的ダメージを受けています。もし、術後しばらく体調不良が続くようであれば、ひとりで我慢せず、かかりつけの産婦人科医に診てもらいましょう。

また、多くの場合、流産は防げないものとはいえ、術後は悲しみや無力感などに襲われることもあるかもしれません。パートナーと十分にコミュニケーションをとったり、信頼できる友人に話を聞いてもらったりして、少しずつ気持ちが落ち着いていくといいですね。

病院によっては、流産・死産などで赤ちゃんを失った女性の気持ちに寄り添う「グリーフケア」のカウンセリングを紹介してくれることもあります。詳しくは、手術を受けた病院で聞いてみてください。

流産後の仕事は?会社にどう伝える?

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妊娠をまだ報告していない場合でも、手術のための入院などで会社を休む必要があるときは、直属の上司に相談しましょう。

すでに妊娠を報告しているときも、基本的に上司には先に流産について報告し、流産後に心身の状態が落ち着いてから、同じ部や課の同僚に伝えると良いでしょう。

流産後しばらくは、まだ心身の状態が万全ではない可能性があるので、上司や同僚と相談して仕事量の調整をするのが理想です。

「これまでどおり仕事に打ちこんで悲しみを乗り越えたい」という人もいるかもしれませんが、くれぐれも無理をしないようにしましょう。

流産後に必要な手続きは?水子供養は?

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流産後に関係してくる手続きについて、いくつかご説明します。

死産届・火葬許可申請

妊娠12週以降に流産・死産したときには、術後7日以内に、住居のある自治体へ「死産届」と「火葬許可申請書」を提出する必要があります。届け出に必要な書類など詳しいことについては、手術を受けた病院の窓口や、地域の役所で聞いてみましょう。

出産育児一時金・保険金

妊娠85日(4ヶ月)以降の流産・死産の場合、「出産育児一時金」の給付対象になります(※2)。妊娠日数について病院であらためて確認し、申請が可能かを相談してください。

また、加入している民間の医療保険によっては、流産手術で保険金がおりる場合もあります。一度、自分が契約している保険会社に確認を取ってみて、必要な場合は申請書類への記入を病院で依頼しましょう。

水子供養

これは必ずしなければいけないことではありませんが、一つの区切りとして「水子供養」を希望するときには、寺社に問い合わせをしてみることをおすすめします。

産婦人科で近隣の水子供養ができる寺社の情報をもらえる場合もあるので、一度相談してみるのも良いかもしれません。

流産後の過ごし方は無理しないで

流産後、心身ともに完全に回復するには、少し時間が必要かもしれません。家事や仕事など、ひとりで全部抱えこもうとせず、パートナーや友人、職場の同僚などからサポートを受けながら、無理のない生活を送ってくださいね。

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