子宮内膜症には漢方薬が効果的?副作用はあるの?

監修医師 漢方専門医・内科医 入江 祥史
入江 祥史 日本東洋医学会認定漢方専門医・日本内科学会認定総合内科専門医。医学博士。1991年、大阪大学医学部卒。慶應義塾大学病院漢方クリニック医長、証クリニック吉祥寺院長などを経て、2017年、入江漢方内科クリ... 監修記事一覧へ

女性特有の疾患である「子宮内膜症」は、年々増加傾向にあります。治療方法は様々ですが、痛みなどの症状緩和に、漢方薬が使われることもあります。そこで今回は、子宮内膜症の治療法で処方される漢方薬について、効果や種類、副作用などをご紹介します。

子宮内膜症とは?

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「子宮内膜症」とは、子宮の内腔にしかないはずの子宮内膜が、子宮内腔以外の場所にできてしまう病気です。

子宮内膜症ができる場所は、子宮の筋層内や膣、膀胱、リンパ節など様々です。子宮以外にできた場合、他の臓器や組織と癒着し、月経痛や不妊など、様々な症状を引き起こします。

20~40歳代の女性に発症しやすく、正常に生殖機能が働いている女性の7~10%に見られます(※1)。

子宮内膜症には漢方薬が効果的なの?

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子宮内膜症の治療には、主に手術療法と薬物療法の2種類がありますが、年齢や妊娠希望の有無、子宮内膜症が発生している部位などによって、その方法は異なります。

薬物療法から治療を始め、十分な効果が得られない場合に手術をすることが多く、手術療法と薬物療法をあわせて行うこともあります。

子宮内膜症の薬物療法には、大きく分けて下記の2種類があります(※2)。

対症療法

子宮内膜症は、月経痛や性交痛などの疼痛を伴うことが多く、その痛みを取り除くために行われるのが対症療法です。その場合は、痛みの原因となるプロスタグランジンの合成を抑える薬を使います。

内分泌療法

内分泌療法では、低用量ピルを用いた「低用量エストロゲン・プロゲスチン療法」や、排卵を抑えたり、閉経状態を作ったりする「ダナゾール療法」、「GnRHアゴニスト療法」、「ジエノゲスト療法」などがあります。

漢方薬のみで子宮内膜症を治療することは難しく、このような薬物療法の一環として、西洋薬と併用されることがほとんどです。

漢方薬を用いることで、冷え取りや血行促進など、根本的な体質の改善を目指すことができます。また、血の巡りを良くすることで、痛みの軽減にも効果が期待できます。

子宮内膜症に効果がある漢方薬とは?

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子宮内膜症に用いられる漢方薬には、どのようなものがあるのでしょうか。下記に、代表的な漢方薬をまとめました。

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

芎帰膠艾湯は、血行を良くして体を温める「当帰(とうき)」「川芎(せんきゅう)」、止血作用がある「阿膠(あきょう)」「艾葉(がいよう)」、痛みを緩和する「芍薬(しゃくやく)」「甘草(かんぞう)」などの生薬が配合された漢方薬です。比較的体力がなく、冷えや貧血を感じる人に処方されます。

期待できる効果は、下記のとおりです。

● 下腹部の冷えを取る
● 血の巡りを良くする
● 不正出血の止血をする
● 月経痛を緩和する

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、血を補う「当帰」、血の巡りを良くする「川芎」、痛みを和らげる「芍薬」、水分の巡りを良くする「蒼朮(そうじゅつ)」または「白朮(びゃくじゅつ)」、「沢瀉(たくしゃ)」「茯苓(ぶくりょう)」という合計6種類の生薬が配合された、女性によく処方される漢方薬です。

比較的体力がなく、顔色が悪い、冷えが強いといった人に処方されます。

期待できる効果は、下記のとおりです。

● むくみを改善する
● めまい、月経痛、頭痛、肩こりなどを緩和する
● 血の巡りを良くする
● 冷え性を改善する

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸には、血の巡りをよくする「桃仁(とうにん)」「牡丹皮(ぼたんぴ)」、痛みを和らげる「芍薬」、余分な水分を取り除く「茯苓」などの生薬が配合されています。比較的体力があり、のぼせ症がある人に処方されます。

期待できる効果は、下記のとおりです。

● 血の巡りを良くする
● のぼせと下半身の冷えを改善する
● 痛みを和らげる

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

竜胆瀉肝湯には、血の巡りをよくする「当帰」「地黄(じおう)」、熱や炎症を冷ます「竜胆(りゅうたん)」「山梔子(さんしし)」、水分循環を改善する「車前子(しゃぜんし)」「沢瀉」などの生薬が配合されています。比較的体力があり、冷えがない人に処方されます。

期待できる効果は、下記のとおりです。

● 排尿痛を緩和する
● イライラを沈める
● 血の巡りを良くする

子宮内膜症で漢方薬を服用したときの副作用は?

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漢方薬は効き目が穏やかで、比較的副作用があらわれにくい薬です。しかし体質に合わない場合、下記のような症状が起こることもあります。

「副作用かな」と感じたら、服用を中止し、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

● 食欲不振・胃の不快感・胃痛・吐き気
● 軟便・下痢
● 発疹・かゆみ・蕁麻疹
● 頭痛・めまい・のぼせ・動悸
● 不眠・倦怠感

漢方薬の服用も子宮内膜症の治療のひとつ

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子宮内膜症の治療に漢方薬を用いるのは、根本的な体質の改善を目指すためです。子宮内膜症には様々な治療方法がありますが、漢方薬も治療の一環として取り入れてみるのもひとつの方法です。

ただし服用の際は自己判断せず、どんなものをどんなふうに取り入れるのか、事前に医師に相談するようにしましょう。

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