赤ちゃん・新生児のしゃっくり、止め方はある?多い原因は?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

新生児の赤ちゃんがしゃっくりをする姿はよくみますが、あまりにも頻繁に、長い時間しゃっくりをしていると、赤ちゃんが苦しかったり、吐いてしまったりするのではないかと心配になりますよね。そこで今回は、新生児の赤ちゃんのしゃっくりについて、止まらないときはどうすればいいのか、多いときの止め方などをまとめました。

そもそもしゃっくりがでる仕組みとは?

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しゃっくりとは、お腹のなかにある「横隔膜」と呼ばれる薄い膜のような筋肉が、けいれんを起こしている状態のことです。大人の場合、食べ過ぎたときや早食いをしたときに、横隔膜が急激に収縮して声帯が閉じてしまい、空気が遮断されたときに「ヒクッ」という音を発することがあります。

新生児や赤ちゃんも基本的には同じ原理でしゃっくりをしますが、体と脳の繋がりがまだ未発達な部分もあり、大人に比べてしゃっくりを起こしやすくなっています。

新生児や赤ちゃんにしゃっくりがでる原因は?多いのはなぜ?

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赤ちゃんがしゃっくりをする原因は様々ですが、一番の原因は、おっぱいを飲んでいるときに空気を一緒に吸い込んでしまうことです。また、授乳直後で大きく膨らんだ赤ちゃんの胃が横隔膜を圧迫して、しゃっくりが起こることもあります。

特に新生児~生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは横隔膜が未熟なので、ちょっとした刺激でもしゃっくりを起こすことがあります。しゃっくりがしばらく続いたとしても、何か悪影響が出るわけではないので、「この時期の赤ちゃんはしゃっくりが多いものだ」と考えて、慌てず対処してあげてください。

新生児や赤ちゃんのしゃっくりを止める方法はあるの?

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赤ちゃんは、しゃっくりをしていても、大人が考えているほど苦しさは感じていません。

放っておいても自然と止まるので、無理に止めようとする必要はありませんが、気になる人は下記のような方法を試してみてもいいかもしれません。

飲みものを飲ませる

おしっこをした後や、離乳食などを食べているときにしゃっくりが出る場合は、何かを飲み込んだ刺激で治まることがあります。母乳やミルクはもちろん、白湯や麦茶が飲める月齢であれば飲ませてあげましょう。

母乳やミルクの後にげっぷを出す

母乳やミルクの後にしゃくりが出る場合は、空気を一緒に飲み込んでしまった可能性もあります。縦抱きにしてげっぷを出してあげると、しゃっくりも一緒に止まることがありますよ。

 体を温める

寒さで体が縮こまるときに、しゃっくりが出ることもあります。お湯であたためたガーゼやタオルをお腹に当てて、体を温めてあげましょう。また、冬場やお風呂あがりなどで体が冷えやすい環境にあるときは、十分気をつけてあげてくださいね。

おむつを替える

濡れたおむつが原因で体が冷えていることもあるので、おむつを替えてあげるのも良いですね。おむつを替えただけでピタっとしゃっくりが治まったという先輩ママの声もあります。濡れたおむつは思っている以上に体温を奪ってしまうので、こまめに替えてあげましょう。

背中を軽くさすったり、トントンしたりする

げっぷを出そうとしても出ず、しゃっくりが止まらないときは、縦抱きをしながらゆっくりと背中をさすってあげましょう。ママの手で体が温まり、安心することでしゃっくりが止まることもあります。

また、大人と同じように背中を軽くトントンするのも効果的。ただし、強く叩いてしまうと母乳やミルクを吐き戻してしまうので、軽めに叩いてあげてください。授乳直後に寝かせながら背中をトントンするのも吐いてしまう原因になるので、抱っこしながらにしましょう。

新生児や赤ちゃんのしゃっくりが止まらないときの注意点は?

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大人と同じ方法でしゃっくりを止めようとするのは禁物です。大人がしゃっくりを止めるときには、

・耳に指を入れる
・ワッと驚かせる
・鼻にこよりを入れてくしゃみをさせる
・コップ一杯の水を飲む

などの方法がありますが、赤ちゃんは体の構造が大人と異なり未発達なので、同じ止め方をするのはやめてくださいね。

特に、しゃっくりを止めてあげたいと思ったときに、大人はよく「驚かせる」という対処をすることがありますが、赤ちゃんにはあまり効果はなく、びっくりして泣き出してしまうこともあるのでやめましょう。

新生児や赤ちゃんのしゃっくりが止まらないのは病気の可能性もある?

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新生児や赤ちゃんのしゃっくりが続くときは、肺炎やお腹の炎症で横隔膜に膿がたまっている可能性もあります。

しゃっくりがあまりに頻繁で止まらず、「ぐったりして元気がない」「おっぱいやミルクを飲まない・飲む量が減ってきた」などの症状があれば、一度小児科を受診してみましょう。

また、稀に、食べ物のアレルギー症状としてしゃっくりが出ていることもあります。小麦やピーナッツなど、アレルギー症状を引き起こす食べ物は様々なので、離乳食期の赤ちゃんは注意してください。

しゃっくりの他に、湿疹、くしゃみ、鼻水、目の充血などのアレルギー症状が出ていないか、合わせて確認しましょう。

ただし、病気や食物アレルギーが原因でしゃっくりを起こしているというケースは極めて稀なので、しゃっくりが頻繁でも、元気そうなら病院にいく必要はありませんよ。

新生児や赤ちゃんのしゃっくりは成長の一環

生後1歳くらいまでは、しゃっくりが多く出るのは自然な現象です。特に新生児期はうまく母乳やミルクを飲むことができず、げっぷも上手にできないので、しゃっくりが出やすい時期です。成長するにつれて回数も減っていくものと思って、見守ってあげましょう。

ママに余裕があるときは、背中をさすってあげたり、抱っこしてあげたりして、優しく接しながら、様子をみてあげると良いですね。

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