現在、「マイコプラズマ肺炎」の感染が増加しています(※1)。また、「インフルエンザ」も少しずつ増加傾向にあります。
今回は、妊婦さんが知っておきたい感染症や風邪などの予防対策についてお伝えします。
感染症・風邪を防ぐには基本の対策が大切!

妊婦さんの感染症を防ぐためには、下記の5つの予防対策をすることが大切です。
②人混みを避ける
③十分な睡眠をとる
④栄養バランスのよい食事をとる
⑤適度な運動をする
どれも基本的なことですが、基本が一番大切です。普段から二人で意識的に行うことで、インフルエンザや風邪といった感染症の予防にもつながります。
妊婦さんはもちろん、一緒に住む家族にも上記の予防対策を徹底してもらいましょう。いくらパパ・妊婦さんが対策をしていても、家族がウイルスに感染してしまったら、そこからうつる可能性もあるからです。
次からは、それぞれの予防策について詳しくご説明していきます。
① 手洗いをしっかり行う

感染症予防で特に重要なのは、手洗いです。
手にウイルスがついた状態で、口や目、鼻を触ると感染のリスクが高まります(※2)。特に食事の前や外出先から帰ってきたときは、下記のステップを参考にしっかり洗いましょう(※3,4)。
手の洗い方
- 指輪や時計をはずす
- 流水で手をぬらして石けんやハンドソープをつける
- 手のひらをあわせてよく洗う
- 手の甲を伸ばすようにしてこする
- 指先や爪の間を念入りにこする
- それぞれの指と指の間を十分に洗う
- 指先と手のひらをねじり洗いする
- 最後に手首を洗う
洗い終わったら水でしっかりすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで水を拭き取りましょう。外出先でどうしても手が洗えないときなどは、アルコール消毒液を使うのもいいでしょう。
とはいえ、最も大切なのは手洗いです。アルコール消毒液が入手できなくても、心配しすぎる必要はありません。そのぶん手洗いをしっかり行いましょう。
② 人混みを避ける

インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などは飛沫感染するため、屋内で人と人との距離が確保できない状況で一定時間を過ごすと、感染のリスクが高まるといわれています。
ウイルス感染症が流行しているときは、人混みを避けましょう(※1)。
やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度飛沫感染を防げる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
③ 十分な休養・睡眠をとる

ウイルスへの抵抗力を高めるために、休養や睡眠をしっかりとることも大切です(※1)。夜は早めに寝るように心がけましょう。
とはいえ妊婦さんは、体調の変化によって寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めてしまったりすることも。日中に時間が取れるときは短時間でも横になって、体を休ませるようにすすめてあげてくださいね。
④ 栄養バランスのよい食事をとる

十分な栄養をとることも、感染症予防として有効です。主食・副菜・主菜・乳製品・果物を、1日の食事のなかでバランスよく食べるようにしましょう(※5)。
火を十分に通していない肉や生ハム、サラミ、加熱していないチーズなどにはトキソプラズマ症やリステリア症などの原因となる微生物が含まれていることがあるため、妊娠中は食べないように注意してあげてください。
⑤ 適度な運動をする

安定期に入って医師の許可が出たら、適度な運動をするのもいいですね。妊娠中の運動は、健康維持や増進に効果的だともいわれています(※6)。
マタニティヨガやマタニティピラティス、軽い散歩なら、パパも一緒に行うことができますよ。
ただし、運動の途中で妊婦さんの体調が悪くなったり、お腹が張ったりしたときはすぐに中止してください。
基本的な予防対策が大切!
妊娠中に感染症が流行すると、「もしかかってしまったらどうしよう」と心配になってしまいますよね。しかし、心配だからと焦りすぎる必要はありません。日常生活のなかで、基本的な予防対策をしっかり行うことが何より大切。
不安や疑問があるときは、かかりつけの産婦人科の医師や助産師に相談してくださいね。