性感染症の一つである「梅毒」。梅毒は母子感染のリスクがあるため、妊婦さんは特に注意が必要です。
2023年の梅毒感染者の報告数は14,906人と過去最高になっており、現在50年に一度の大流行期に入っています(※1)。
今回は、梅毒の症状や予防法、妊娠中のリスク、中期〜後期に疑わしい症状が出た場合の対処法についてお伝えします。
妊娠中の梅毒がなぜ危険なのか?

梅毒は、梅毒トレポネーマによって起こる細菌感染症で、性行為によって口や性器などの粘膜や皮膚から感染する病気です。
妊婦さんが梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児にも感染し、流産や死産、先天異常を引き起こす可能性があります(※1)。
そのため妊娠初期に受ける妊婦健診の血液検査では、梅毒の抗体検査が行われます(※2)。
もし梅毒と診断された場合、薬での治療を受けられるので、妊婦健診は初期の段階からきちんと受けましょう。
検査で陰性でも梅毒感染のリスク有

梅毒は感染後に無症状の期間が数週間あるため、妊娠初期の血液検査の時期が感染直後であった場合、陰性反応が出てしまうことがあります(※3)。
また、検査後に梅毒にかかってしまう可能性もあります。その原因になり得るのが、妊娠中の性行為によるパートナーからの感染です。
つまり、あなたが梅毒にかかっていないかについても、妊娠中に気をつけなければいけないのです。
疑わしい場合はすぐに検査を!
梅毒の症状としては、以下のようなものがあります(※4)。
● 性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができる
● 痛み、かゆみのない発疹が手のひらや体中に広がる
● 発熱や倦怠感、リンパの腫れ、消化器系、泌尿器系、筋骨格系など全身に症状も見られることも(※3)
ただし、感染しても目立った症状がない場合もあります。
もし上記の症状があなたやパートナーに見られた際は、すぐにお近くの保健所で検査を受けてください。
また上記の症状が消えても感染力が残っているのが梅毒の特徴(※4)なので、「もしかしたらかかっているかも」と疑わしい場合も検査を受けましょう。
赤ちゃんとパートナーのために最善の努力を
あなたやパートナーが「梅毒かも?」と疑わしい状態をそのまま放置することは絶対にやめてください。
妊娠中の性行為でコンドームを適切に使用することは、一定予防には役立つものの、コンドームで覆われてない部分から感染する可能性もあり、完全な予防にはならないとされています。
保健所では匿名/無料で検査を受けられます。パートナーも一緒に受けることが大切です。
妊娠中の性行為については、下記の記事をご覧ください。