現在、麻しん(はしか)の感染者数がヨーロッパ地域で急増しており、日本国内でも感染報告があります(※1)。麻しんは感染力が非常に強く、今後の感染拡大が懸念されています(※1)。
妊娠中に感染すると流産や早産を起こす可能性があるため、妊婦さんを守るためにパートナーも注意が必要です。今回は、麻しんの具体的な症状や予防法についてお伝えします。
麻しんとは?症状や治療法は?
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症です。感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています(※2)。
感染すると以下のような症状が現れます(※2)。
麻しんの症状
● 感染から約10日後に、発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が発症
● 2〜3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現
肺炎や中耳炎、脳炎を合併しやすく、先進国であっても亡くなる割合は1,000人に1人といわれています。
妊娠中に麻しんにかかると重症化することが多く、流産や早産を起こす可能性があります(※2)。
麻しんの治療法
麻しんには特効薬がなく、対症療法が中心となります。
麻しんの予防法は?
空気感染するためマスクや手洗いだけでは防ぐことができず、最も有効な予防法は2回の予防接種です。
ワクチン1回接種による免疫獲得率は93~95%以上、2回接種による免疫獲得率は97~99%以上と報告されています(※3)。
現在麻しんの予防接種(MRワクチン)は定期接種が2回ですが、以下の年代は1回のみの可能性があります。
家庭内での感染を防ぐために、パートナーだけでなくご自身も2回接種しているかを確認し、さらに抗体検査をすると安心です。ワクチン接種の対応については、かかりつけ医に相談してください。
なお妊娠中は、麻しんのワクチン接種ができません。もし妊婦さんに抗体がなかった場合は、外出をできるだけ避け、人混みに近づかないことが大切です(※2)。
麻しんにかかったかも?と思ったら
発疹や発熱などの麻しんの症状があったり、身近で麻しんにかかった人がいたりする場合は、まずかかりつけ医に電話で相談し、医師の指示に従って受診しましょう。
麻しんの感染力は非常に強いため、受診の際はマスクを着用した上で、できる限り公共交通機関の使用を控えるようにしてください。
パートナーにも麻しんの情報をシェアして、家族みんなで麻しんから身を守りましょう。