知っておきたい地震のこと。お腹の子を守るために準備しておきたいこととは?

日本は地質的に、地震が起こりやすい国です。東日本大震災や熊本地震が記憶に新しい人も多いと思います。妊娠中にもし地震が起こったら、どうしますか?自分とお腹の赤ちゃんの命を守る準備はできているでしょうか?今回は、妊娠中にやっておきたい地震対策についてご説明します。

地震はいつ起きるかわからない

地震

日本は地震大国と言われるほど、地震が多い国。今後も、大きな地震が発生することが予測されています。

例えば、九州から関東の広範囲にわたって大きな被害が予想されている「南海トラフ地震」が起こる確率は、30年以内に70%程度といわれています(※1)。

地震が発生するかどうか、発生するとしたらいつなのかは、誰にもわかりません。そこで大切なのが、いざ地震が起きたときに自分とお腹の赤ちゃんを守れるよう、準備をしておくことです。

ここからは、妊娠中だからこそ、地震対策として確認しておきたいことや準備しておきたいものについてご説明していきます。

地震が起きる前に確認しておくこと

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まずは、これから紹介する4点をしっかり確認しておきましょう。夫婦で一緒にしっかり話し合ってくださいね。

近くの避難所

一般的に避難所と呼ばれるものには、大きく2つの種類があります。

1つめは、「避難所」。小中学校の体育館などが主で、地震によって家に戻れないときなどに、寝食を行うことができる場所です。

2つめは、「避難場所」。大きな公園や団地、大学などが指定されており、地震による火災などが起こったときに、一時的に避難できる場所です。

まずは家から徒歩圏内にある避難所と避難場所を確認しておきましょう。家の近くだけでなく、職場の近くや、赤ちゃんが生まれてから通わせる予定の保育園の近く、里帰り予定がある人は実家の近くの避難所など、行動範囲にある避難所も確認しておいてくださいね。

夫婦の集合場所

地震はいつ起こるかわからないので、もしかすると、夫婦で別々の場所にいるときに被災するかもしれません。また、地震の後は通信回線が混雑するため、連絡がすぐに取れるとも限りません。

そのため、地震が起きたときに夫婦で集合する場所を事前に決めておきましょう。

妊婦さんが長距離を移動するのは大変なので、できればママの職場の近くや家の近くの避難所がいいでしょう。子供が生まれたら、保育園や保育園近くの避難所を集合場所に決めている家庭も多いようです。

このとき、「校門の前」「体育館の入り口の横」など、具体的な場所を決めるのがポイントです。天候に左右されないよう、できれば屋根がある場所や室内がいいでしょう。

電話が繋がらないときの連絡手段

前述のとおり、地震直後はいつもの連絡手段では連絡が取れない可能性が高いものです。

そんなときは、NTTの「災害伝言ダイヤル」や、各携帯電話会社が提供している災害用の伝言板サービスを利用して、家族と連絡を取ることをおすすめします(※2)。どのサービスをどんなふうに利用するのか、事前に決めておきましょう。

例えば、「自分の安否を地震後すぐに連絡する」「避難場所についたら伝言を残す」「ママは地震の10分後、パパは地震の20分後に伝言を残し、それぞれ確認する」などです。30秒程度のメッセージしか残せないので、何を伝えるかを決めておくことが大切ですよ。

すぐに利用できるよう、使い方も事前にしっかり確認しておいてくださいね。

近くの医療機関

いざというときに駆け込める病院を、家や職場の近くで数ヶ所確認しておきましょう。地震が起きたときは、病院や医師も被災者となります。妊婦さんに何かがあっても、かかりつけの産婦人科が対応できるとは限りません。

できれば大学病院など、大きな病院を探しておきましょう。救急車を呼べるとも限らないので、歩いていける距離にあるとベターです。

家で準備しておく防災グッズリスト

リュック
防災グッズは、一般的なものに加え、妊娠中に必要なものも用意しておきましょう。大きめのリュックに下記のグッズを詰めておくと安心です。

避難時にすぐ背負っていけるように、ベッドの下や下駄箱の中など、すぐ取り出せるところに置いておいてくださいね。

□ 水(500ml×2)
□ 非常食(お菓子、ゼリー飲料など)
□ バスタオル(破水したときや冷え対策に)
□ 普通のタオル
□ 使い捨てカイロ
□ 除菌ウェットシート
□ 使い捨てマスク
□ 下着
□ おりものシート
□ 旅行用の洗面道具
□ スマホ用バッテリー
□ 携帯トイレ

これらのほかに、病院から指定されている入院準備グッズを早めに用意しておくことも大切です。こちらも避難時にすぐに持ち出せるよう、1つのバッグにまとめて、取り出しやすい場所に置いておきましょう。

携帯しておく防災グッズリスト

妊婦 外出 カバン 散歩
外出先で被災したときのために、普段から下記のような最低限の防災グッズを持ち歩くことも大切です。

□ マタニティマーク
□ 母子手帳
□ 水(500ml×1本程度)
□ タオル(大きめのハンカチ)
□ スマホ用バッテリー
□ 非常食(お菓子など)
□ ホイッスル

防災グッズとして準備しようと思うと何だか構えてしまいますが、ほとんどのものは普段使いのアイテムとして持ち歩けばOK。

非常食は普段から食べられるお菓子にして、食べたら補充すればいいですし、水も飲んだら入れ替えましょう。タオルやスマホのバッテリーも、普段から持っておくと安心のアイテムですよね。

唯一聞き慣れない「ホイッスル」は、地震で倒壊した建物に万が一閉じ込められたときなどに、助けを呼ぶために使用するアイテムです。妊婦さんは特に、持っておくことをおすすめします。

ホイッスルを探す

家でやっておく地震対策リスト

家 部屋 リビング ソファ

地震が起きたときのために、家の中を安全な空間にしておくことも大切です。家族で協力して、下記のことを行いましょう。

□ 大きな家具は転倒防止グッズで固定する
□ 食器棚などの扉が開かないように固定する
□ 家具が倒れたり電気が落ちたりしても安全な位置にベッドを置く
□ 窓ガラスの近くに家具や植木鉢を置かない
□ 部屋の出入り口付近に大きな家具を置かない

大切なのは、いざというときに身の安全を守れることと、避難経路を確保できることです。この2点を頭において、家具などの配置などを考えましょう。

赤ちゃんを守るため、早めの準備を

妊婦 お腹 公園 

地震は、もちろん起こらないに越したことはありません。しかし万が一のとき、お腹の赤ちゃんを守れるのはパパ・ママだけです。

「備えあれば憂いなし」ともいいます。防災対策はしっかり行っておきましょう。

夫婦でしっかりと話し合い、家族みんなで防災への意識を高めていけるといいですね。

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