共働き世帯も増え、育児に参加する父親も増えてきました。ただ、昔の厳格な父親像を想像して、もっと厳しく接したほうが良いのか、反面教師として優しく接したほうが良いのか、迷っている父親も多いようです。そこで今回は、父親と息子の信頼関係を生む秘訣をご紹介します。
父親と息子のいい関係とは?
息子に限らず娘にも当てはまりますが、子供が成長する上で、母親の愛情だけでなく、父親の愛情も大切です。
母親が生きるために必要であるのに対して、父親は少し子供から離れた立ち位置にいるため、愛情と社会の厳しさをうまく伝えることが父親の役割といえるでしょう。
「子供の言うことを聞いてあげる味方であり、社会のルールも教えてくれる。そして、社会に飛び立てるように自由な挑戦の機会も与えてくれる」ような立ち位置でいることがステキな父親といえそうです。
父親と息子の関係が悪いことによる影響は?
逆に、父親が息子に無関心で愛情が伝えられていなかったり、ルールに厳しく子供を否定するような言動を繰り返していると、子供自身の自己肯定感が低下し、強い反抗や社会に反した行動を起こしたり、内向的な子供になってしまう可能性があります。
「仕事が忙しいから」「育児は母親に任せているから」と、息子との時間を積極的に取ろうとしなかったり、息子との関係を重要視していないと、子供の成長にさまざまな影響が出るかもしれません。
父親と息子の関係は年齢によって違う?
息子といい関係を築いていくうえで、子供の成長に合わせたコミュニケーションが必要です。
例えば、子供が小学校くらいまでは、父親はなんでもできるスーパーマンであり、思春期に差し掛かった中学・高校生では父親は乗り越えるべきライバルであり、大学生くらいになると挑戦を認めてくれるよき理解者であることが求められるようです。
最初から完璧にできる父親はいません。まずは「息子の成長に沿ってコミュニケーションが変わるんだな」と理解することから始めてみてください。
父親と息子の信頼関係を生む5つの秘訣
さて、求められる父親像や、息子の成長と父親の関係を紹介してきましたが、次は、具体的にはどのようなことを心掛けたらいいのか、5つの秘訣を紹介します。
1. 「してはいけないこと」は厳しくても伝える
子供を育てていくうえで、やはり「してはいけないこと」は間違いなく伝える必要があります。例えば、人に暴力を振るってはいけないとか、法を犯すような薬物を使ってはいけないなど。子供のことを思えば、嫌われる勇気もときには必要です。
2. 息子のよきライバルになる
息子にとって、一番身近で比較できる同性が父親になることは多いですよね。そのため、思春期に差し掛かると自分との差を感じて、なんとなく避けたい存在・なんとかして乗り越えたい存在に変わっていきます。
この時期は一層、父親が果たすべき責任に向き合う必要があります。例えば、仕事へ立ち向かう姿や、家庭を大事にする姿など、今まで以上に行動で示していきたいですね。
3. 息子に、自分の夢を押し付けない
また、同性の息子には「自分の夢を叶えてくれるのでは」と思う父親も多いようです。しかし、子供には子供の人生があるということを忘れないでください。
もちろん自分が頑張っていることや、自分が理想にしていることを話すことは、社会を知る上で大切です。ただし、それを子供に押し付けすぎると、自分で考える力が育ちにくいといわれています。
4. 母親への愛情を表現する
母親は子供にとって情緒面でサポートする大切な存在です。その大切な存在がどう扱われているかは、息子に限らず子供にとって大事なこと。また、息子が将来どのような家庭を築くかにも影響するので、夫婦の関係は良くしておきたいですね。
5. いざというときはしっかり対応する
息子も成長すると、ライバルである父親にあれこれ言われると嫌な気持ちになることもあります。放任で自由にしているように見えて、困ったときには登場する。そんな自由だけど安心できる距離感が、父親と息子の信頼関係に重要です。
言葉での表現が難しければ行動で語ろう
父親と息子が同性であることは、ライバルとしての衝突もありますが、男同士の熱い友情・信頼関係が結べるというすてきな面もあります。
年代によっては父親と衝突することが多くても、息子自身が社会に出たり、家庭を持ったりしたときに、父親のありがたみに気づくことも少なくありません。
もともと無口な父親であれば、無理に言葉を使って表現せずに行動で語ることも一つの手。父親と息子の関係はなかなか大変ですが、少しずつでも絆を強くしていけるといいですね。