赤ちゃんのO脚の原因は?治療や矯正は必要なの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの足をよく見てみるとO脚になっていて、「このままで大丈夫なのかな?」と不安になることがあるかもしれません。しかし、赤ちゃんのO脚は珍しいことではなく、多くの場合、成長するにつれて自然にまっすぐになっていきます。今回は赤ちゃんのO脚について、原因や病院へ行く目安、治療法などをご紹介します。

赤ちゃんがO脚でも大丈夫?

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O脚とは、両足をそろえて立ったときに、両膝の間が開いた状態のことをいいます。

赤ちゃんは、生まれてから2歳頃まではO脚であるのが普通で、「生理的O脚」と呼ばれることもあります。歩き始める頃も、O脚の状態です。

2歳から6歳にかけては、X脚(立ったときに左右のくるぶしの間が開いた状態)ぎみになり、7~8歳の頃にほぼまっすぐになります(※1)。

このように、子供は生まれてから学童期に入るまでに、脚の形が大きく変化していくので、どのように変わるのかを覚えておくと安心ですね。

赤ちゃんのO脚の原因は?

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生まれたばかりの赤ちゃんは、生理的にO脚であることが普通ですが、以下のような病的な原因で子供がO脚になることもあります。

ブラウント病

ブラウント病は、膝の内側の骨の成長に障害が現れる病気で、内側よりも足の外側の骨が成長するため、O脚になります。

ブラウント病が起こる原因について、はっきりしたことは分かっておらず、赤ちゃんを早いうちから無理に歩かせることによって起こるという説もあります。

膝が内側に曲がった状態になりますが、生理的O脚との見分けがつきづらいため、注意が必要です。1歳児健診や1歳半健診などの乳幼児健診でO脚が強いと、ブラウント病が疑われることもありますが、その後に経過観察を行っていきます。

くる病

くる病は、ビタミンDの欠乏やビタミンDの合成障害、リンの不足などが原因で、軟らかい骨が増えている状態です。O脚以外にも、背骨の曲がりや低身長、鳩胸などが見られることがあります(※2)。

くる病は、レントゲン検査で脚の形が極度なO脚になっていたり、歩行の状態を見たりして診断されます。ビタミンDを含む食品を摂取することで予防できます。

赤ちゃんのO脚で病院へ行く目安は?治療法は?

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2歳を過ぎても、両足をそろえて立ったときに、両膝の間に大人の指が3~4本入る場合は、O脚の程度が強いため、念のため整形外科を受診しましょう(※3)。病院では、問診や視診、レントゲン検査などを通して、診断を行います。

生理的に起こっているO脚は、成長するにつれて自然に改善していくので、基本的に治療の必要はありません。

ただし、ブラウント病やくる病といった病気が原因でO脚になっている場合は、矯正具やビタミンD製剤などを使って、足の骨が適切に成長できるようにしていきます。

ただ、矯正具や薬でも良くならない場合は、膝の骨を切って形を矯正する手術を行うことがあります。手術後のリハビリも必要になるため、専門医と相談しながら、治療法を検討してください。

赤ちゃんがO脚でも落ち着いて様子を見よう

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赤ちゃんのO脚の多くは、生理的に起こる自然なもので、成長と共にまっすぐになっていきます。ただし、O脚の度合いが強い場合や、歩き方や立ち方に異常を感じる場合には、整形外科を受診しましょう。

それが生理的な原因で起こっているのか、病的な原因で起こっているのかを確認し、病気が原因であれば、適切な治療法を行い、定期的に経過観察を行うことが大切です。

赤ちゃんがO脚であっても慌てず、まずは落ち着いて様子を見てあげてくださいね。

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