妊娠中〜産後に「腸活」を意識したい理由【ママの体と心を整えるヒント】

妊娠してから「お腹の調子がなんとなく芳しくない…」、産後は育児に追われ「体の不調を感じることが増えた…」。そんな、心身ともに変化の大きい時期のママにおすすめしたいのが「腸活」です。

なかでも効率的に腸内環境を整える鍵となる「ビフィズス菌」の意外なチカラについて、医師のコメントを交えてご紹介します。

腸の不調をやわらげるには?

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妊娠から産後はホルモンの変化による影響も大きく、つわりによる食事の偏りや産後の生活リズムの変化も重なって、お通じに悩むママは少なくありません。

不調を感じたときは、まず以下の習慣を見直してみましょう。

● 水分をこまめにとる
● 無理のない範囲で軽いウォーキングやストレッチを行う
● 朝食後は便意がなくてもトイレに座る習慣をつける
● 食物繊維が豊富な食材と一緒にビフィズス菌などの善玉菌を意識的にとる
● 医師の指導のもと、処方された便秘薬を服用する など

こうした生活習慣の見直しも立派な「腸活」。お通じをはじめ体の不調をやわらげることにもつながります。

ママにうれしい腸活のメリットは?

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腸内には多数の細菌が生息し(腸内フローラ)、バランスをとりながら健康を保っています。

近年、腸内環境を整えることは体と心にも良い影響を与えることがわかってきました。腸活に詳しい医師の工藤あき先生に、そのメリットをうかがいました。

工藤先生

工藤先生

腸活で得られる効果は、大きく3つあります。

① お通じのリズムが整うことが報告されている

② 腸と心のつながりが研究されていて、メンタルの安定にも関係していると考えられている

③ 腸内環境が整うと、食べ物の消化・吸収もしやすくなるといわれている

腸内は、「善玉菌」が多くいろいろな種類の腸内細菌がいる状態が理想とされています。まずは毎日の食事で腸活に取り組んでみましょう。

ママの腸からはじまる
赤ちゃんの健康づくり

さらに、ママの腸活は、赤ちゃんの健康にも良い影響を与えるといわれています。

ママの腸内細菌は赤ちゃんに受け継がれる?

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実は、分娩時に通る産道や、母乳を通じて、ママの腸内細菌の一部が赤ちゃんへ受け継がれるといわれています(※1,2,3)。

「最初の1,000日」が赤ちゃんにとって重要

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妊娠成立から2歳の誕生日までの「約1,000日間」は、赤ちゃんの腸内フローラが形成される大切な時期。この期間の腸内環境づくりは、その後の成長や免疫機能の発達に大きな影響を与えるといわれています(※4)。

母乳だけでなく、離乳食が進んだら腸内環境を整える食材を意識して取り入れるのがおすすめです。

意外と知らないビフィズス菌
乳酸菌との違いは?

森永ノンクレジット記事 ビフィズス菌イラスト

毎日の食事で腸活をするのが手軽ですが、ここで注目したいのが、善玉菌の代表格であるビフィズス菌のこと。乳酸菌と混同しがちですが、「人間」と「クラゲ」ほど全く別の存在なのです。

工藤先生

工藤先生

乳酸菌は『乳酸』を作りますが、ビフィズス菌は『乳酸+酢酸(短鎖脂肪酸)』を作り、酢酸(短鎖脂肪酸)によって腸内フローラが整うといわれています。

ビフィズス菌は年齢とともに減少し、食事から補給しても数週間で排出されるため、ビフィズス菌入りのヨーグルトやサプリメントで継続的にとることが大切です。

また、ビフィズス菌は食物繊維をエサに増えるため、食物繊維も意識的に取り入れましょう。

ビフィズス菌にも種類がある?

ビフィズス菌はヒトや動物の大腸にすんでいますが、それぞれのお腹にすんでいるビフィズス菌の種類は異なります。

私たちの大腸にすんでいるビフィズス菌は、ヒトにとって有益で、赤ちゃんや大人の健康を守るほか、母乳との相性が良いとも考えられています(※5,6)。腸活を効率的に行うには「ヒトにすむビフィズス菌」を選ぶのがおすすめです。

無理なく続けるビフィズス菌習慣のコツ!

日常生活でビフィズス菌を上手にとるコツを工藤あき先生に聞きました。

工藤先生

工藤先生

ビフィズス菌を毎日の食事からとるには、ヨーグルトやサプリメントがおすすめです。すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではないので、パッケージに『ビフィズス菌入り』と記載があるかチェックしましょう。

また、ビフィズス菌の働きを助けるために、食物繊維を多く含むバナナやキウイ、オリゴ糖シロップなどを合わせるのがおすすめです。ご自身に合う方法で、無理なく腸活を続けてみてくださいね。

赤ちゃんも離乳食が始まる頃からお腹のビフィズス菌が減っていきますので、離乳中期頃からビフィズス菌入りの無糖ヨーグルトを使っていただくのがおすすめです。

野菜ペーストや果物と混ぜると食べやすくなります。離乳食を卒業しても、ぜひ親子で意識してみてください。

腸を整えることは、ママ自身を大切にすること

赤ちゃん優先の毎日ですが、ママの体と心が整ってこそ、穏やかな時間が生まれます。腸活は、誰でも始められるやさしいセルフケア。「なんとなく不調」を感じたときこそ、少しだけ腸を意識した生活を取り入れてみてください。


工藤 あき(一般内科医/消化器病専門医)

(一般内科医/消化器病専門医)


1988年生まれ。腸内細菌・腸内フローラに精通し、腸活×菌活を活かした美肌やエイジングケア治療が人気を集めている。コメンテーターとしてメディア出演も多数。日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医等の資格を保有。2025年8月より東京・五反田のアロリエクリニック(婦人科)にて「美腸活外来」を担当している。

※1 Makino H. et al., PLoS One. 2013
※2 Toda H. et al., Scientific reports. 2019
※3 Pannaraj P. S. et al., JAMA pediatrics. 2017
※4 Walker WA. Nestle Nutr Inst Workshop, 2017
※5 Odamaki et al., International Journal of Genomics, 2015
※6 Minami et al., Beneficial microbes, 2016

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