子供の舌をふと見たときに白くなっていたら、「何が原因なのかな?」と心配になるかもしれません。場合によっては、病気が原因で舌が白くなっていることもあるので、注意が必要です。今回は子供の舌が白いときの原因や対処法、病院に行く目安などについてご紹介します。
子供の舌が白い原因は?病気の可能性は?
舌といえば赤いもの。それなのに、子供の舌が白いと、不安になってしまいますよね。実は赤ちゃんから大人まで、舌が白くなるのはそれほど珍しいことでありません。
例えば赤ちゃんの場合、舌が白くなるのは母乳やミルクのカスが溜まっていることも多くあります。また、体調不良のサインとして舌が白くなることもあります。
子供の舌が白くなる原因も様々あり、あまり気にする必要がないこともあります。しかし場合によっては、病気によって白くなっていることもあるので、舌だけでなくその他の症状も注意深く観察する必要があります。
子供の舌が白くなる原因としては、以下の要因が考えられます。
舌の汚れ
舌の表面に白い苔が生えたように見えることがありますが、これは舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、舌の細胞が剥がれたものや食べ物のカス、細菌などが堆積してできます。
疲労やストレスが溜まったり、風邪による鼻詰まりで口呼吸になって口の中が乾燥したりしているときに、舌苔が発生しやすいといわれています。また、舌苔は口臭の原因にもなります(※1)。
溶連菌感染症
溶連菌感染症にかかると、喉に痛みや赤い腫れが現れるとともに、38~40度の高熱が出て、舌が白いコケで覆われたようになります。発熱した時点から3日ほど経つと、舌の表面が苺のように赤くなって、苺の粒のようなブツブツが現れます。
溶連菌感染症の特徴として、かゆみのある小さな赤い発疹が首や胸などに現れ、徐々に全身に広がります。この他にも頭痛や関節痛、首のリンパの腫れなどが症状として現れることがあります(※2,3)。
口腔カンジダ症
口腔カンジダ症は、鵞口瘡(がこうそう)とも呼ばれ、口腔内にカンジダというカビが異常に増殖する病気です。
口腔カンジダ症を発症すると、頬の粘膜や舌などに白いコケのようなものが現れます。このコケのようなものは、ガーゼでは簡単にぬぐい取れない点がミルクのカスと異なる点です。ぬぐった後に発赤やびらんが見られます(※4)。
また口腔カンジダ症にかかると、口に痛みが生じることもあります。乳児期の子供は言葉で痛みを上手く表現できないため、食欲が低下したり、機嫌が悪くなったりします。
口腔カンジダ症は、免疫力低下や唾液量の減少、抗菌薬の長期間の服用などが原因で引き起こされるとされています(※4)。
子供の舌が白いときの対処法は?病院に行くべき?
子供の舌が白いときの対処法は、原因によって異なります。舌の表面だけを見て判断するのは難しいため、その他の症状をよく観察しましょう。
舌の汚れ
舌の汚れによって舌苔ができている場合には、特別な治療をする必要はありませんが、口臭の原因にもなるので、舌専用のブラシで舌を掃除するのがおすすめです。
舌専用ブラシで舌をきれいにするのは、一日に一回、起床時だけで十分です。舌ブラシで磨き過ぎると、舌の粘膜を傷つける恐れがあります。
舌の掃除は、毛先が柔らかい小児用の歯ブラシや、目の粗いタオルで行うこともできます。しかし、舌に傷や潰瘍があるときは、舌の掃除は控えるようにしてください(※5)。
溶連菌感染症
白い舌に加えて、発熱や喉の痛み、発疹が見られる場合には、溶連菌感染症の疑いがあるので、すぐに小児科を受診しましょう。
溶連菌感染症の治療には抗生物質を使用します。服用から数日以内に発熱は治まり、喉の痛みや発疹も徐々に目立たなくなって、1週間程度で消えます。また、舌の様子も速やかに改善します。
口腔カンジダ症
舌の白い部分を清潔なガーゼなどでぬぐった後に、発赤やびらんが見られたり食欲が低下していたりしている場合は、口腔カンジダ症の可能性があります。その場合は、早めに病院を受診してください。
口腔カンジダ症の治療では、口の中を清掃して、抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬を使用するのが一般的です(※4)。
子供の舌が白くならないように口と体調のケアを
舌は少し白いのが健康な状態なので、多少白く見えても過度に心配する必要はありません。しかし、舌が普段よりかなり白くなっている場合や、発熱や喉の痛みなど他の症状も見られる場合は、注意深く対処しなければいけません。
舌が白くなっている原因は、口腔ケアの怠りや不規則な生活であることも。定期的な舌の掃除やバランスの良い食事、十分な睡眠を心がけて、子供の口の中の健康も守っていきましょう。
不安があるときは、病院を受診して診断してもらうことも大切ですよ。