この記事では、管理栄養士である中村美穂さん著『まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳 発達を促す子どもごはん』より、子どもの食の悩みのひとつである、「食べすぎ」について紹介します。
記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(中村美穂著、日東書院本社)
食の悩み「食べ過ぎ」について
適量は子どもによって異なりますが、高カロリーのもの、味の濃いものの食べ過ぎには注意。量は大人の1/3〜1/2くらいが目安ですが、それ以上の場合も、栄養バランスがとれていればさほど心配ありません。
そのときの感情で食欲が左右されることも
自己主張が強くなり、何でも自分でやりたがる時期。その延長で、時々の感情に食欲が左右されることも。
また、満腹中枢が未発達で満腹の感覚が鈍いという点にも理解が必要です。「いっぱい食べたね」など満腹感を意識させてあげて。
過度な心配は不要ですが、食べ過ぎの習慣が身につかないよう、家族の食生活を見直したり、適度な運動をするなどの対応も考えてみましょう。
【CASE1】
「ごちそうさま」をしようとすると泣く
なぜ?
満腹の感覚が、まだ分かりにくい
脳の満腹中枢が未発達なために満腹の感覚が分かりにくいことで、何度もおかわりしたがったり、親の分まで食べたがったりなど、いくらでも食べてしまうことがあります。さらに、やわらかく食べやすいメニ ューばかりだと、どんどん食べてしまいます。
これで解決!
量より内容を重視して、小分けにして与えて
食べる量よりも食事の内容が大事。肉などのタンパク質や、揚げ物などの脂質、味の濃いものや甘いものは与え過ぎず、穀物や野菜を増やして調整しましょう。一品メニューをどーんと出すのではなく、汁物やおかずなどの単品を、食べる量を決めて盛りつけます。
【CASE2】だらだら食べ
なぜ?
食事量が足りないか、空腹と満腹の差がない
食べるのが好きなのはいいことなのですが、常に食べ物を要求してくる場合は、1回の食事量が足りず、すぐおなかがすいてしまうのかもしれません。または、少しずつ食べているため空腹と満腹のメリハリがなくなっているケースも。
これで解決!
食事の時間・量を決め、メリハリをつける
生活リズムを見直し、食事の時間と量を決め、それ以外の時間にはなるべくあげないようにコントロールしましょう。一定量を食べ終えたら、デザートタイムを設けるのも手です。少量の果物などをあげて食事の終わりをイメージさせましょう。「ごちそうさまをする➡麦茶を飲み口をきれいにする➡歯を磨く」など、食事を終えるときの動作を決めて、習慣づけていくといいでしょう。