赤ちゃんが生まれてから1歳を迎えるまでの間には、成長をお祝いするための行事がたくさんあります。しかし、いつ何をすればいいのかわからないというママ・パパも多いのではないでしょうか。
今回は、赤ちゃんが1歳を迎えるまでに行うお祝いについてご紹介します。
赤ちゃんのお祝いとは?
日本には年齢の節目ごとにお祝いをする習わしがあります。特に赤ちゃんが1歳になるまでの1年間は、他の年齢と比べてたくさんの行事があります。
生まれた日からの日数にもとづいたものが多いので、以下を参考にお祝いの時期を把握しておくと早めに準備ができて安心ですよ。
行事名 | お祝い日 |
お七夜(命名式) | 生後7日目 |
お宮参り | 生後1ヶ月目 |
お食い初め | 数えで生後100日目 |
初節句(女の子) | 生後最初の3月3日 |
初節句(男の子) | 生後最初の5月5日 |
ハーフバースデー | 生後満6ヶ月 |
初誕生 | 生後満1年 |
ハーフバースデーは昔ながらの行事ではありませんが、近年は主流になりつつあります。
次からは、赤ちゃんのお祝い事の内容について、風習に則った正式な方法と現在の傾向を交えて具体的にご紹介していきます。
生後0〜5ヶ月のお祝い事
お七夜(命名式):生後7日目
赤ちゃんが生まれてから7日目に、赤ちゃんの名前を親族へお披露目し、無病息災を祈願するお祝いです(※1)。
風習に則った方法
正式には、名付け親が奉書紙に赤ちゃんの名前を書いてもらい、神棚や床の間に飾ります。祝い膳などを用意してお祝いすることもありました。
現在
現在では、両親や祖父母が半紙や専用の命名紙に赤ちゃんの名前を書き、部屋に飾ることが多いです。専用の命名紙はベビーグッズ専門店で購入できるので好みのデザインを選びましょう。現在は祝い膳などを用意するお祝いをすることは少ないようです。
お宮参り:生後1ヶ月頃
生後1ヶ月頃に地元の氏神様に赤ちゃんの誕生を報告し、無病息災を祈願するお祝いです(※1)。
風習に則った方法
地域によっても異なりますが、男の子は生後30〜32日目、女の子は生後31〜33日目を目安に行います。
参拝は赤ちゃんと父方の祖父母とパパのみで、赤ちゃんを抱っこするのは父方の祖母。ママは体を休めるためにお宮参りには参加しませんでした。
参拝後に祝い膳を囲んでお祝いをすることもありました。
現在
基本的にはママの体調や親族の都合、天候のよい日を考慮して行う場合がほとんどです。
参拝も、両家の両親も含めて行うこともあれば、赤ちゃんとママ・パパで参拝することも珍しくありません。参拝時の抱っこも、風習を気にしない場合は誰でも大丈夫ですよ。
祝い膳はママの体調や赤ちゃんの様子にあわせて行う場合もあれば、現在は行わないケースも珍しくありません。
お食い初め:生後100日目
「一生食べ物に困らないように」と祈願するお祝いです。一般的には、数えで生後100日目にお祝いのご膳を用意して、赤ちゃんに食べさせる真似をします。
お祝いご膳のメニューは地域によって違いがありますが、尾頭付きの鯛、握り飯、鯛もしくは鯉の汁、煮物、香の物、紅白餅などが一般的です。歯が丈夫になることを願って、氏神の神社で拾った石を「歯固めの石」として添えることもあります。
風習に則った方法
正式には、白木の三方(さんぼう)、土器の椀皿、柳の白木箸を使用してお膳を盛り付けたり、男の子は朱塗り、女の子は外側が黒・内側が朱塗りの器を使ったりすることも。両親や親族を招いて行うこともありました。
現在
現在では、赤ちゃんとママ・パパで行うこともあれば、家族を招いて行うこともあります。料理のお皿には、離乳食が始まったときに使いたいベビー食器を準備して使うこともありますよ。
料理をすべて手作りする家庭もありますが、出来合いの料理と手作り料理を合わせたり、お祝いご膳を仕出しで用意したりする家庭も増えています。
生後6〜12ヶ月のお祝い事
ハーフバースデー:生後6ヶ月目
日本の伝統的な行事ではありませんが、赤ちゃんが生まれて半年を記念してお祝いをします。家の中を飾り付けしたり離乳食プレートを作ったりして、ちょっとしたパーティーをすることも。フォトスタジオで記念写真を撮る家族も多いようです。
初誕生:生後1年目の行事
昔は栄養事情や生活環境が悪く、1歳を無事に迎えることさえ難しい時代だったため、無事に1歳を迎えられたことを盛大にお祝いする風習が生まれました(※1)。
風習に則った方法
赤ちゃんに「一生背負いきれないほどの食べ物に恵まれる」という願いを込めて、約1.8kgの「一升餅」を背負わせて歩かせる習わしがあります。地域によっては、赤ちゃんに草履を履かせて一升餅を踏ませる「踏み餅」などもあるようです。「地に足をつけて歩いていけるように」という願いが込められているとされています。
また、「選び取り」という占いをすることも。赤ちゃんから少し離れた位置に職業に由来する道具などを並べ、選んだ道具によって将来の職業を占います。
現在
現在も「一升餅」「選び取り」を誕生日のお祝いとともに行うことが多いですが、一升餅の形や選び取りで使う道具の種類などを工夫している家庭が多くあります。
市販されている普通サイズのお餅を一升分リュックに詰めたセットを背負わせたり、選び取りには実際の道具ではなくカードを使ったり、現代の職業に由来したものに変えたりしています。
1歳になると食べられるものも増えてくるので、赤ちゃんの好きなメニューを用意してお祝いしてあげましょう。
季節に関係するお祝い事
赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句では、子供の健やかな成長を祈願します。生後1ヶ月で節句を迎えるような場合は、準備が大変なので翌年にまわすことも多いようです(※1)。
初節句で飾る雛人形や兜・鯉のぼりは、どちらも一般的には母方の実家が買うとされていましたが、現在は家族で話し合って決めることが多いようです。
初節句(女の子):生後最初の3月3日
風習に則った方法
雛人形を飾り、両家の親族を招いて、ちらし寿司やハマグリのお吸い物、白酒などのお祝い膳を囲みます。
現在
最近では、リビングに飾れるコンパクトな雛人形なども人気です。両親や親戚を招く場合は祝い膳を用意することもありますが、参加する人が好きなものを用意することも。離乳食が進んでいれば、赤ちゃんが好きなものを用意してあげましょう。
初節句(男の子):生後最初の5月5日
風習に則った方法
鯉のぼりや武者人形を飾り、チマキや柏餅を食べてお祝いします。
現在
女の子の初節句と同様、コンパクトな兜やおしゃれな鯉のぼりが人気です。お祝い膳や赤ちゃんの食べ物も同様に、好きなものを用意することが多いようです。
赤ちゃんのお祝い事をするときのポイントは?
赤ちゃんのお祝い事をするときは、以下のポイントを押さえておくと計画的に準備が進められますよ。家族と協力して行なってくださいね。
● 日程・場所・招待する人を決める
● 招待する人や行う場所に連絡をする
● 食事や衣装など行事に必要なものを用意する
● 地域の風習を確認する
日程は、赤ちゃんとママの体調を優先して決めましょう。また、パパやママの出身地や祖父母が住んでいる地域に習ってお祝いをする場合は、地域の風習を確認しておくと安心です。祖父母の意見も聞きながら進めていくといいですね。
赤ちゃんの行事は家族で楽しくお祝いしよう
赤ちゃんの健やかな成長をお祝いする行事は、日本ならではの伝統的な風習です。ひとつひとつに意味があるので、早めに準備をして、家族で楽しくお祝いをしましょう。
お祝い行事は準備が大変なこともありますが、赤ちゃんの成長を記録するいい節目です。家族みんなの素敵な思い出になるといいですね。