赤ちゃんが生まれると、誕生したお祝いや、その後の健やかな成長をお願いするといった目的で、様々な行事が行われます。そのなかでも、比較的生まれてすぐに行われるのが「お宮参り」。昔は、父方の祖母が抱っこをして祈祷するのが主流でしたが、現代ではどうなのでしょうか。今回は、お宮参りの祈祷時の抱っこについて、義母が良いのか、両親ではダメなのかなどをご説明します。
お宮参りとは?
お宮参りは、赤ちゃんが生まれて約1ヶ月後に行われる行事で、「初宮参り(はつみやまいり)」とも呼ばれています。氏神様という、住んでいる土地の神様(産土神・鎮守様)に、赤ちゃんの誕生の報告や、健やかな成長をお願いすることを目的に行われます。
執り行う時期は地域によって様々ですが、男児は生後30~32日目頃、女児は生後31~33日目頃が一般的です。なかには、50日目、100日目に行うところもあるので、住んでいる地域の方法にならう場合は、近所の神社や両親に確認しておきましょう。
お宮参りでは、赤ちゃんは、白羽二重(しろはぶたえ)という内着をまとい、その上から「祝い着(産着・初着)」と呼ばれる華やかな柄の入った着物で、抱っこしている人ごと包むのが正式な方法です。
最近は、白羽二重の替わりにセレモニードレスやベビードレスを着せるなど、新たな文化が作られていっています。
お宮参りで赤ちゃんを抱っこするのは義母?
お宮参りで祈祷を行うときは、父方の祖母(ママから見た義母)が抱っこをするというのが、昔からの慣習でした。
これは、昔は特に命に関わることが多かった出産を「穢れ(けがれ)たもの」とし、産後は「出産の忌み期間」として、母親の外出が禁じられていたことが影響しています。
赤ちゃんはお宮参りの時期にちょうど忌み期間から抜けますが、母親は忌み期間中であるため、義母がお宮参りを行うスタイルが名残としてあるようです。
地域によって由来は諸説あり、母親以外なら誰が抱っこしても良いという説もあります。また、産後の母親の体調を気づかって、この習わしができたという説もあります。
最近は両親が遠方に住んでいる人も多く、慣習通りに行うことができない場合も。また、義母が抱っこしたとしても、母親も一緒に参加することがほとんどです。時代とともに、やり方も変わってきています。
お宮参りでママやパパが抱っこしたいときは?
お宮参りに限らず、昔からの様々な行事が簡略化されつつあり、しきたりよりも家族の都合を優先することが増えてきました。核家族化も進み、行事を家族だけで行うことも多く、両親や母方の祖母が抱っこすることも珍しくありません。
まず祖父母を招いて行う場合は、祈祷時の抱っこを誰にするのかを確認しておくとスムーズですよ。その際、特に希望がないのであれば、まず義母に「当日抱っこしてくださいますか?」とお願いしてみましょう。
ただし、義母以外の抱っこを希望するときは、夫婦でよく話し合い、父親から義母に伝えてもらうと良いですね。祈祷時の抱っこは義母にお願いし、記念撮影は母親が抱っこするという方法もありますよ。
いずれにせよ、地域や家庭によっては、しきたりを重んじるケースもあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。
行き違いは、お互いにとって良いことではありません。今後のためにも、希望があるときは伝えて、当日全員が気分良く過ごせる方法を考えてみてくださいね。
お宮参りは赤ちゃんのための行事
お宮参りをはじめ、今後行われるお食い初めや節句、七五三といった行事は、あくまでも「赤ちゃん・子供のための行事」ということを忘れないようにしましょう。
お宮参りが行われる時期は、赤ちゃんもまだ外出に慣れていない時期です。いつもの部屋の環境や生活リズムと大きく変わることから、落ち着かないこともあるかもしれません。
ママの抱っこでないと落ち着かず、泣き止まない、というのもよくあることです。赤ちゃんの体調や機嫌を優先して臨機応変に判断できるよう、話しておくのも大切です。
母親も体調が回復しきっていない時期でもあるので、甘えられるところは甘えて抱っこしてもらうのも、ひとつの方法ですよ。