更年期で肌荒れがひどい!原因と対策は?

監修医師 産婦人科医 城 伶史
城 伶史 日本産婦人科専門医。2008年東北大学医学部卒。初期臨床研修を終了後は、東北地方の中核病院で産婦人科専門研修を積み、専門医の取得後は大学病院で婦人科腫瘍部門での臨床試験に参加した経験もあります。現在は... 監修記事一覧へ

40代〜50代の女性で「これまで使ってき化粧品や基礎化粧品が合わなくなってきた」、「なんだか肌が荒れてきた」という人もいるのではないでしょうか?更年期の女性で、肌トラブルに悩んでいる人は少なくありません。そこで今回は、更年期に肌荒れがひどくなる原因と対策についてご説明します。

更年期にひどくなる肌荒れとは?

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40代になって、「最近肌が乾燥してきた」、「ハリがなくなってきた」と感じている人は、もしかしたら更年期に見られる肌荒れの兆候かもしれません。

更年期に肌荒れに悩まされる人は多く、その代表格がシワ(たるみ)や赤み、ニキビです。

ニキビができるのは思春期がピークと思われがちですが、じつは、更年期にもニキビはよくできるのです。

なぜ、更年期に肌荒れがひどくなるのでしょうか?原因は、このあと詳しくご説明します。

更年期に肌荒れがひどくなる原因とは?

更年期に肌荒れがひどくなるのは、女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の減少が原因です。

エストロゲンは、閉経が近づくと次第に分泌量が減っていきますが、エストロゲンには皮脂腺の分泌を抑えたり、コラーゲンの合成を促進したりする働きがあります(※1)。

そのため、エストロゲンが減少する更年期になると、ニキビができやすくなったり、肌が弾力を失ったり、かゆみを生じたりするのです(※2)。

更年期は肌の乾燥もひどくなる?

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更年期の女性は、肌荒れだけでなく、肌の乾燥に悩まされることも多いようです。

前述のとおり、エストロゲンが減少するとコラーゲンが作られにくくなります。

コラーゲンは、肌の真皮層(表皮の内側にあり、肌組織の大部分を占めている)にネットのように張りめぐらされています。このネットの間を、ヒアルロン酸が水分を抱えた状態で満たすことで、肌の乾燥を防ぎ、うるおいをキープしています。

しかし、コラーゲンが作られにくくなると水分を抱え込むことができなくなり、肌が乾燥してしまうのです。

更年期にひどくなる肌荒れの対策は?

更年期にひどくなる肌荒れの対策は、大きく分けて3つあります。

どれもすぐに始められるものなので、今日から実践してみてください。

1. スキンケアを見直す

肌荒れを防ぐには、肌を清潔に保ち、十分に保湿することが大切です。

顔や体を洗う際、ゴシゴシこすると肌にダメージを与えてしまいます。石鹸や洗顔料をしっかり泡立て、やさしくなでるようにして汚れを落としましょう。

入浴後、体にはボディローションを塗ります。乾燥がひどい部分には、ボティミルクやボディクリームを重ねるといいでしょう。

更年期障害のホットフラッシュで汗をかきやすい場合は、クリームを塗ると不快感が増してしまう場合もあるようです。その場合は、サラッとしたローションにミルクを足す人も多いようですよ。

顔は、日頃から保湿をする習慣がある人が多いと思いますが、目元や口元、フェイスラインは案外おろそかになりがちなので気をつけましょう。

2. 生活習慣を見直す

健康的な肌は、規則正しい生活から作られるといっても過言ではありません。十分な睡眠とバランスのよい食事、適度な運動を心がけましょう。また、ストレスを溜め込まないことも大切です。

夜間には、肝臓で血液の浄化が盛んに行われます。肌の新陳代謝にはきれいな血液が欠かせないので、夜は早めに寝るのが理想です(※3)。

3. 肌にいい食べ物を摂る

肌の老化防止には、ビタミンA、C、B群、Eが欠かせません。ビタミン類は、野菜や果物に豊富に含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。

それぞれ下記のような働きがあります(※3)。

● ビタミンA…肌を丈夫にして潤いを保つ

● ビタミンC…コラーゲンの合成に働きかける

● ビタミンB…肌の炎症を防ぎ、肌の再生を促す

● ビタミンE…血行をよくし、新陳代謝を高める

更年期の肌荒れ対策はスキンケアと生活習慣の改善から

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肌荒れがひどくなると、ファッションやメイクを楽しめなくなることもあり、気が重くなってしまいますよね。

しかし、更年期の肌荒れは、適切なスキンケアと規則正しい生活をすれば改善することができます。

セルフケアをしても症状が改善しない場合は、婦人科や皮膚科を受診して、適切な治療を受けてくださいね。

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