生理中にタンポンを使っていて、「経血が漏れてしまった」という経験がある女性は多いようです。外出中に突然経血が漏れると、焦るだけでなく対応にも困ってしまいますよね。しかし、なぜ腟内で直接経血を吸収しているはずのタンポンから、経血が漏れることがあるのでしょうか。今回は、タンポンから経血が漏れてしまう原因や対応方法、使用時の注意点をご紹介します。
タンポンをつけても経血が漏れる原因は?
タンポンは、経血を吸収する「吸収体」と呼ばれる繊維を腟内に入れることで、経血を直接吸収する生理用品です。
正しく使っていれば、基本的に経血が漏れるということはありませんが、状況によって、漏れてしまうことがあります。
経血が漏れる原因として、以下のことが考えられます。
経血の量とタンポンのサイズが合っていない
タンポンには様々なサイズがあります。自分の経血量よりも小さなサイズのタンポンを使ってしまうと、経血を吸収しきれず、パッケージに記載されている使用時間内であっても、経血が漏れてしまうことがあります。
タンポンが正しい位置に入っていない
タンポンは、腟内の正しい位置に入れることが大切です。入れる位置がずれていると、タンポンが経血を正しく吸収できず、漏れてしまうことがあります。
長時間使用している
パッケージに記載されている使用時間を上回って、長時間の使用を続けていると、タンポンが経血を吸収しきれず、漏れてしまうことがあります。
特に、経血が多い日の就寝時などは注意が必要です。
骨盤底筋の筋力の低下
子宮や膀胱といった臓器を支える「骨盤底筋」の筋力が弱まると、腟のゆるみにつながります。
腟がゆるむと、タンポンの位置がずれやすくなり、経血の漏れにつながることも考えられます。
骨盤底筋は、出産や年齢の影響で弱くなります。尿漏れや、お風呂からあがるときに腟内に溜まったお湯が出るという経験があれば、骨盤底筋が弱くなっている可能性が高いでしょう。
タンポンで漏れないようにする方法は?
タンポンをつけたときに経血が漏れないようにするためには、まず先述の内容から、原因を考えてみましょう。思い当たる原因があれば、以下の方法を参考にしてみてください。
経血の量に合ったサイズを選ぶ
タンポンは、個々の経血の量に合わせられるよう、吸収力の異なる様々なサイズがあります。そのときの状況に合ったサイズを使用しましょう。
漏れが気になって、吸収力が高いタンポンを使いたくなるかもしれませんが、経血量より吸収力が高すぎるタンポンを使ってしまうと、使用後に抜けにくくなることがあります。
正しい位置に入れる
タンポンを入れる正しい位置は、腟のなかに指を入れたときに、第二関節が完全に入るほどの、子宮の手前の部分です。
タンポンが腟の手前側に入っていると、位置がずれて経血をうまく吸収できず、漏れてしまうことがあります。
正しい位置がわからない場合は、吸収体を正しい位置まで導いてくれる、プラスチックのケース(アプリケーター)がついた、アプリケータータイプのタンポンを使うのがおすすめです。
使用制限時間より前に取り替える
経血の量が多いときは、使用時間が4~8時間と記載されていても、それより短い間隔で、こまめに取り替えましょう。
記載されている時間はあくまでも目安です。経血の量や状況に合わせて判断してくださいね。
なお、1回の使用時間は、パッケージに記載された目安時間を超えないように気をつけましょう。
エクササイズで骨盤底筋を鍛える
腟のゆるみを感じている人は、エクササイズで骨盤底筋を鍛えるのも効果的です。スポーツジムや自宅で骨盤底筋体操をするなど、しばらく継続してみるといいですね。
はくだけで骨盤底筋を鍛えることができるショーツなどもあるので、自分に合った方法で試してみてください。
タンポンで経血が漏れるときは病気の可能性もある?
タンポンの位置やサイズ、骨盤底筋などが原因で経血が漏れてしまうのは問題ありませんが、経血の量が多く、タンポンをしていても漏れる状況が続く場合は、「過多月経」の可能性も考えられます。
正常の生理の経血量は、1回の生理周期につき20~140mlが目安です。個人差はありますが、2時間おきに昼用のナプキンを交換すれば大丈夫というときは、心配いりません(※1,2)。
しかし、昼用のナプキンが1時間も持たないほど多かったり、レバー状のドロッとした経血の塊が多く出たりする場合は、過多月経の疑いがあります(※1,2)。
過多月経は、通常よりも生理の期間が長い「過長月経」を伴うケースが多いのが特徴です。生理が8日以上続いたり、貧血の症状がみられたりする場合は、早めに婦人科で相談しましょう(※1)。
また、経血の量が漏れるほどタンポンを長時間使い続けていることで、「黄色ブドウ球菌」という菌が腟内で繁殖し、高熱や嘔吐などを伴う「トキシックショック症候群」という急性疾患を引き起こす可能性もあります(※3)。
タンポンを使って経血が漏れてしまうときは、トキシックショック症候群の予防のためにも、長時間使いすぎていないか、一度確認してみてください。
タンポンで漏れるときは生理の状況を把握しよう
タンポンをしていても経血が漏れてしまうときは、経血の量が多すぎないかなど、まずは自分の生理の状況を把握しましょう。
生理自体に問題がなければ、タンポンを正しく使っているかを見直して、漏れの原因に応じた対応方法を試してみてくださいね。
また、タンポンの使用にこだわらず、状況に合わせてナプキンに切り替える、タンポンとナプキンを併用して使うなど、臨機応変に使い分けることも大切ですよ。