「桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）」という漢方薬をご存知ですか？女性の体質改善に効果が高く、不妊治療の一環として、妊娠を希望する女性たちの間で注目されている漢方薬の一つです。今回は、桂枝茯苓丸の不妊への効果や飲み方、気になる副作用などをまとめました。
桂枝茯苓丸とは？
桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）は、病院でも処方されている漢方薬の一つです。血行を促進し、巡りを良くする「桂皮（けいひ）」、「 茯苓（ぶくりょう）」、「牡丹皮（ぼたんぴ）」「桃仁（とうにん）」に、痛みを取る「芍薬（しゃくやく）」と、計5種類の生薬が配合されています。
桂枝茯苓丸は、血の流れが滞る「瘀血（おけつ）」体質の人に向いていて、上半身がのぼせる「気逆（きぎゃく）」や、水が滞る「水滞（すいたい）」の人に使われることもあります。
特に下記のような人に処方されています。
● 体格がしっかりしている
● 比較的体力がある
● 顔がのぼせて赤い
● 上半身はあたたかいのに、下半身が冷える
● 血の流れが悪く、ドロドロしている
桂枝茯苓丸にはどんな効能があるの？不妊にも効果的？
人にはそれぞれ、生まれ持った体質と後天的に作られる体質があります。漢方医学では、後天的な体質を改善し、元々の弱点を補うことで、丈夫な体を作ることができると考えられています。
桂枝茯苓丸は、主に全身の血流を促進する効果があるといわれ、多くは下記のような症状に処方されます。
● 月経困難
● 月経不順
● 更年期障害
● 不妊症
● 子宮内膜症
● 肩こり
● 頭痛
● めまい
● にきび
桂枝茯苓丸を不妊治療の目的で服用したい場合は、まず服用前に不妊の原因を特定することが大切です。桂枝茯苓丸は、血の流れが滞る「瘀血」に起因した幅広い症状に効果があるとされています。
つまり血行不良による冷えや、そこからくるホルモンバランスの乱れ、月経困難、月経不順などが不妊の原因の場合、効果が感じられるかもしれません。
不妊治療における漢方の使い方については、下記の関連記事に詳しくまとめています。こちらも合わせて参考にしてくださいね。
桂枝茯苓丸に副作用はあるの？
漢方薬は、比較的副作用が少ない薬ですが、体質によっては副作用が起こる場合もあります。下記のような症状が出た場合は、服用を中止して、医師に相談しましょう。
● 皮膚の発疹・発赤、かゆみ
● 食欲不振
● 全身のだるさ
● 発熱
● かゆみ
● 下痢
特に似たような成分の西洋薬と併用すると、過剰投与となり、副作用が起こる恐れもあります。すでに服用している薬がある場合は、桂枝茯苓丸の服用を始める前に医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
また漢方による副作用の多くは、血液検査や尿検査によってわかります。長期間服用し続ける場合は、2～3ヶ月ごとに定期検査を受け、重篤な副作用を予防しましょう。
桂枝茯苓丸はどこで買える？不妊治療で処方される？
桂枝茯苓丸は、薬局やドラッグストア、インターネットでも購入できます。
しかし、体質によって副作用が現れる可能性もあるので、病院できちんと医師の処方を受けることをおすすめします。一度処方してもらい、体に合うことがわかってから薬局やインターネットで購入すると良いでしょう。
漢方の取り扱いがある産婦人科なら、不妊治療はもちろん、月経不順などでも処方してもらうことができますよ。
ツムラ漢方 桂枝茯苓丸料
- 税込価格
- 3,582円
- サイズ
- 24包／64包
妊娠しても桂枝茯苓丸を飲み続けてもいい？
子宮収縮作用や流産・早産の危険性があることから、妊婦さんに投与禁忌とされている生薬には以下のものがあります（※1）。
・大黄（だいおう）
・牡丹皮（ぼたんぴ）
・附子（ぶし）
・桃仁（とうにん）
・牛膝（ごしつ）
・硫酸ナトリウム・無水芒硝（ぼうしょう）
桂枝茯苓丸には、流産・早産の危険性がある「牡丹皮」と「桃仁」が含まれるため、妊婦さんへの処方はほとんど行われていません（※1）。
現状では、ほとんどの漢方薬の服用による胎児への影響のデータがなく、リスクの有無が確認されていません。
妊娠中に頭痛や肩こりを解消する目的で桂枝茯苓丸やほかの漢方薬を服用したいと思うかもしれませんが、妊娠が発覚したら、漢方薬の服用は一旦中止し、医師や薬剤師に相談すると安心です。
桂枝茯苓丸での不妊治療は妊娠しやすい体作りから
桂枝茯苓丸の服用は、体の不調を整え、妊娠しやすい体を作ることにつながります。
不妊以外に様々な婦人科系の悩みや、ニキビ、頭痛などにも効果が期待できるので、不妊治療の一歩目として始めてみるのもいいですね。
また、桂枝茯苓丸といった漢方の他に、サプリメントを使って妊娠しやすい体づくりをする方法もあります。自分にとって続けやすい不妊の治療方法が見つかるといいですね。
