希望する幼稚園に無事願書を提出したら、次に待っているのが面接です。先着で合否が確定する幼稚園などでは面接を行わない場合もありますが、最近では、いわゆる私立のお受験幼稚園ではない、地域に根差した一般的な幼稚園でも面接が行われることが多いようです。幼稚園の面接とは一体どういうものなのか、今回は、幼稚園の面接の内容や親と子供が着ていく服、持ち物などの事前準備について詳しくご紹介します。
幼稚園の面接はいつするの?必ずあるの?
幼稚園の面接の有無や行われる日は園によって様々です。入園願書を提出した後日に面接を行う園もあれば、願書提出日に行う園もあります。
面接の有無についても、有名私立や国立の大学付属などのいわゆるお受験幼稚園では、面接をすることがほとんどです。一方で、地域の公立・私立の幼稚園では、面接をする園としない園に分かれます。
いずれも、見学時や入園説明会で日程などを教えてくれるので、願書提出日や面接日を逃さないよう確認をしておきましょう。
幼稚園の面接の目的は?
幼稚園の面接は、子供が幼稚園で集団生活を送っていくことができるかどうか、親と幼稚園の方針が合っているかを見ることを目的としています。
先着で合否が決まるタイプの幼稚園は、面接をクラスを編成するための参考にしたり、子供の状況(アレルギー・トイレトレーニングなど)を把握することに使うところが多いようです。
一方で、面接で合否を決めるタイプの幼稚園の場合は、親の様子とともに、「当たり前のこと」がどの程度できるかが重視されます。
私立・国立などのお受験幼稚園の場合、園の方針によっても異なりますが、子供は「当たり前のことができること」をより高い水準で要求されることがあります。
このような幼稚園の面接は、親が子供をどこまで理解しているか、親に良識があるかどうか、いわゆる「モンスターペアレンツ」ではないかといったところも見られることから、「親の受験」といわれることもあります。
幼稚園の面接の質問内容は?
幼稚園の面接内容は、園によって様々です。親は面接で子供のことをどれくらい理解し、どういった方針で育児をしているか、志望動機や園のことをどれだけ理解しているかなどが問われます。
子供には、基本的な名前や年齢をはじめ、年齢に応じた会話や行動がどれくらいできるかが問われます。
次からは、地域の公立・私立の幼稚園、私立・国立のお受験幼稚園の、主な面接の内容例をご紹介します。
地域の公立・私立幼稚園の面接内容例:親編
● 子供のアレルギーの有無
● 園への質問
● 幼稚園に入ることを子供にどう伝えているか
● トイレトレーニングの進み方
● 持病や過去の病気の確認
● 送迎方法
地域の公立・私立幼稚園の面接内容例:子供編
● 名前、年齢
● 果物や動物、色カードを見せて答えられるか
● 普段遊んでいる人、好きな遊び
● ケンケンができるか(運動・バランス)
● 幼稚園が楽しみかどうか
● 母子分離ができるかどうか
私立・国立のお受験幼稚園の面接内容例:親編
● 建学の精神、沿革を把握しているか
● 教育方針、理念、思想を理解し賛同しているか
● 家庭での育児方針や子供との接し方
● 子育てで注意してきたこと
● 子供との楽しかったエピソード
● 子供がどんな人になって欲しいか
● 子供をほめるときと叱るときの判断
● 子供が興味を持っていること
● 幼稚園に対する希望
● いじめや登校拒否したときにどう対応するか
● 子供の長所と短所
私立・国立のお受験幼稚園の面接内容例:子供編
● 面接、試験中に泣かないでいられるか
● すぐに母子分離ができるか
● 「はい」「いいえ」の返事ができるか
● 「こんにちは」「ありがとうございます」など、日常で使うあいさつが適切にできるか
● 先生の質問にしっかり答えることができるか
● 積み木やおままごとなどの、集団遊びができるか
● 呼びかけや集合にすぐ反応して対応できるか
※お受験がある幼稚園の場合は、面接時ではなく、「行動観察」として入園試験の項目に含まれる内容もあります
幼稚園の面接で注意することは?
幼稚園の面接で注意することは、子供が面接しているときにママ・パパは口出しをしないことです。いくら練習を重ねたからといっても、環境や知らない先生たちに緊張して、スムーズに話せないこともあります。
しかし、どう話し出すかを見るのも面接の目的のひとつなので、子供が答えられなくても親が代わりに答えることがないように注意しましょう。
また、面接時に子供の長所や短所を聞かれた場合、短所だけを伝えないようにするのがポイントです。また、短所と感じている部分も、「気が強い→意志が強い」ともとれます。普段から、短所をどう長所として活かせているかを見てあげると良いですね。
幼稚園の面接の服装は?スリッパは必要?
面接時によく迷うのが、スリッパを持参するかどうかです。地域の幼稚園の場合は用意されているものを履くこともありますが、数に限りがあるので持参するケースがほとんどです。
持参する場合は、普通のスリッパで構いませんが、色が派手なものや、トイレで使用するようなもの、つま先が空いているものは避けたほうが無難です。
最近は「受験用スリッパ」というものも販売されています。ママ向けには、ヒールのように高さのついたスリッパが人気ですよ。
服装は、地域の幼稚園かお受験幼稚園かで程度が変わりますが、以下を参考に準備しましょう。
地域の公立・私立幼稚園の面接での服装
幼稚園側からは軽装・普段着と指定されることが多いですが、ジーパンやスウェットにTシャツといった、カジュアルすぎる服装で面接に臨む人は少ないのが事実です。
スーパーやコンビニに行くような服装ではなく、ちょっとおでかけするときのようなきれいめなコーディネートがおすすめです。子供にも、比較的きっちりとした服装をさせている人が大多数ですよ。
父親
● スラックスやビジネススーツのパンツ
● ポロシャツなど
● ネクタイなしのワイシャツ
母親
● きれいめなパンツスタイル
● 上品な素材のTシャツにタイトスカート
● 広がりすぎないフレアスカート
● ワンピースにストッキング
子供
● 子供用ブランドでカジュアルなものやお出かけ着
● 女の子はワンピーススタイル
● 男の子は半袖シャツに半ズボン
私立・国立などのお受験幼稚園の面接での服装
ほとんどの家庭が夫婦ともにスーツスタイル。子供はかっちりとスーツまでいかずとも、清潔感と動きやすさを意識しましょう。
父親
● 紺色やグレーなど、落ち着いた色のスーツ(Tシャツにブレザー、ノーネクタイは避ける)
母親
● フォーマルスーツ(派手な色は避ける)
● 短すぎない丈のスカート
● 常識的な範囲のアクセサリー(シンプルなネックレスや結婚指輪など)
子供
● 汚れていない清潔感のある服装
● 女の子は子供用のフォーマルワンピース
● ブラウスにカーディガンとスカート
● 子供用のポロシャツにパンツ、半ズボン
● 新品よりも少し馴染んでいる方が自然
幼稚園の面接は普段の取り組みが大切
幼稚園の面接があるからといって、前日や当日から練習や準備をしても、普段の良さを活かしきれませんよね。受験のための教室に通う家庭も多いですが、なによりも親と子供の普段のコミュニケーションが大切です。
日常で使う挨拶や自分の名前を言うことなどは、面接ではなくても必要なことです。普段から意識して、夫婦で挨拶をする姿を見せたり、感情を言葉で表現してあげたりすることで、子供も少しずつ身につけていきます。
また、親は子供に対して行動の指示や誘導をするだけでなく、子供が自発的にすることにも目を向けてあげましょう。どんなことに積極的な姿勢を示すのかを理解したうえで、アドバイスをしながら面接に備えることが重要ですよ。