アンジュ28とは?副作用は?生理を遅らせるには?飲み忘れたら?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

経口避妊薬として使われる低用量ピルにはたくさんの種類があり、「アンジュ」もその一つです。正しく服用すればほぼ100%の避妊効果を発揮し、使い方によっては生理周期をずらすこともできます。今回は、アンジュの飲み方や副作用、飲み忘れたときの対処法などについてご説明します。

低用量ピルのアンジュとは?

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「アンジュ」は、あすか製薬株式会社が製造・販売する経口避妊薬(低用量ピル)で、避妊を希望する女性に対して、婦人科で処方される薬のひとつです。

低用量ピルは、開発された順番によって第1~4世代に分類されており、アンジュは第2世代にあたります。

「シンフェーズ」や「ルナベル」など、最初に開発された第1世代のピルよりも含まれる黄体ホルモンの量が少なく抑えられていますが、強い効果を発揮するのが特長です。

アンジュの効果は?

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アンジュには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つの女性ホルモンに似た成分が含まれており、順番を守って飲むことで「排卵したときと同じホルモンバランス」を段階的に作り出すことができます。

これにより、脳が「すでに排卵が終わった」と錯覚して排卵が止まるため、かなり高い確率で妊娠を防ぐことができるというわけです。

ちなみに、同じく第2世代のピルに「トリキュラー」(バイエル薬品)や、ジェネリック医薬品の「ラベルフィーユ」(富士製薬)がありますが、効果はアンジュとほとんど同じです。

アンジュ21錠と28錠は何が違う?

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アンジュには、21錠入りの「アンジュ21錠」と28錠入りの「アンジュ28錠」の2種類あります。何が違うの?と疑問に思うかもしれませんが、効果や副作用などには違いはありません。

一般的に、低用量ピルは21日間連続で薬を服用し、その後7日間は薬を飲まない「休薬期間」を設けます。この休薬期間に、ホルモンが配合されていない偽薬(プラセボ)を飲むか飲まないかの違いがあるだけです。

アンジュ28錠なら、避妊を希望する期間は毎日1錠ずつ飲み続けるだけ、とシンプルなので、休薬期間を数え間違える心配が少なくなります。

アンジュの飲み方は?生理を遅らせるには?

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アンジュは、体内のホルモンバランスの変化を自然なものに近づけるために、錠剤のホルモン配合量を3段階に変化させています。

ホルモンの配合量の違いで錠剤の色が赤褐色、白色、黄色の3色(アンジュ28錠の場合は、赤色も入れて4色)に分けられており、次の順番で飲むことになっています(※1)。

● 赤褐色:生理初日~6日目
● 白色:7~11日目
● 黄色:12~21日目
● 赤色:22~28日目(アンジュ28錠のみ)

翌月以降も避妊する場合は、29日目に当たる日から新しいシートの1錠目を服用して、上記の順番で飲み続けます(※1)。

ホルモンバランスの変化を安定させるため、また飲み忘れを防ぐためにも、毎日決まった時間に飲むようにしましょう(※1)。

なお、生理を遅らせたいときには、黄色の最後の1錠を飲み終わったあと、遅らせる日数に合わせてまた黄色の錠剤を飲む、というのが基本ですが、間違いのないようにかかりつけの婦人科の医師に聞いてみてくださいね。

アンジュを飲み忘れたときはどうする?

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アンジュは、ほかの低用量ピルと同じく、毎日1錠ずつ順番どおりに飲むことで最大限の効果を発揮します。それでは、うっかり飲み忘れてしまったときはどうしたらいいのでしょう?

飲み忘れたことに翌日までに気がついた場合、すぐに飲み忘れたぶんの錠剤を飲んでください。そして、当日の錠剤はいつもの時間に飲みましょう。

もし2日以上連続して飲み忘れてしまった場合は、一度服用を中止して、次の生理が始まるのを待ってから新しいシートの1錠目を飲み始めてください。服用を再開するまでの期間は避妊効果がないので、コンドームをつけるなど別の避妊法が必要となります(※1)。

ちなみに、「アンジュ28錠」の赤色の錠剤を飲み忘れた場合、これはホルモンが含まれていないプラセボなので、飲んでも飲まなくても構いません。休薬期間の数え間違いをしないように、飲まなかったプラセボは処分しておくと安心です。

アンジュの副作用は?

副作用

アンジュは、ピルのなかでも比較的副作用が少ないといわれていますが、まったくないわけではありません。製造販売元の調査によると、アンジュを飲んだ女性の約15%になんらかの副作用が見られています(※1)。

主な副作用は、不正出血や乳房の痛み、胃のむかつき、吐き気といった症状です(※1)。こうした症状は、服用を続けることで体が慣れて次第に現れなくなることがほとんどです。

しかし、まれに「血栓症」のような重い副作用を起こすことがあります。手足のしびれや痛み、突然の息切れ、胸や頭の痛みなどの血栓症の兆候が見られたときは、アンジュを飲むのをやめてすぐにかかりつけの医師に相談してください(※1)。

アンジュは通販よりも病院での処方を

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アンジュなどの低用量ピルは、インターネット通販で販売されていることもありますが、最初は婦人科を受診したうえで処方してもらうことをおすすめします。その方が、飲んだあとの体調など気になることがあったときに、早く対処を受けることができますよ。

また、併用してはいけない薬などもあるので、きちんと病院で問診を受けたうえで処方してもらいましょう。

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