毎月、生理が来るたびに生理痛に悩まされる人は多いと思います。痛みを感じる場所には個人差がありますが、なかには子宮のあたりにズキズキとした痛みを感じるという人もいます。今回は、生理で子宮が痛くなる原因や痛みの解消法、痛いときは病院に行くべきかなどをご説明します。
生理で子宮が痛い原因は?
生理のときに子宮あたりに痛みを感じるのは、経血を排出するために子宮収縮を促す「プロスタグランジン」というホルモンがたくさん分泌されるからです。
女性の体内では月に一度、妊娠するための準備として、子宮内膜を厚くし、卵巣から卵子を排卵します。しかし、妊娠が成立しなければ子宮内膜は必要なくなるので、プロスタグランジンの分泌量を増やして子宮収縮を促し、子宮内膜(経血)を排出します。このときに、血行が悪い・ホルモンバランスが乱れているなどで経血の排出が滞ると、プロスタグランジンの分泌量が増えてしまって子宮収縮が強くなり、痛みを感じやすくなります。
生理時の子宮の痛みは解消できる?
子宮の痛みがひどいと日常生活に支障が出る場合もあるので、痛みを感じたら早めに対処しましょう。生理時の子宮の痛みには以下のような解消法があります。
下半身を温める
カイロをお腹に当てて温めましょう。子宮周辺の血行がよくなれば経血の排出がスムーズになってプロスタグランジンの分泌量が抑えられ、痛みもやわらぎます。半身浴や足湯などでじっくり下半身を温めるのも効果的です。
ツボ押しをする
子宮の痛みにはツボ押しも効果的です。ひざの皿の内側の端から指3本分上にある「血海(けっかい)」というツボを刺激すると体の血行がよくなります。また、内くるぶしの頂点から指3本分上にある「三陰交(さんいんこう)」も子宮の痛みをやわらげてくれるのでおすすめです。
鎮痛剤などの市販薬を飲む
「薬に頼りたくない」と痛みを我慢する人もいますが、用法・用量を守れば月に1~2回使用するくらいなら心配ありません。痛みを我慢することで感じるストレスも体によくないので、痛みが激しくなる前に早めに鎮痛剤の利用を検討しましょう。
生理時の子宮の痛みは予防できる?
体の血行をよくしておくと、生理時の経血の排出がスムーズになって痛みがひどくなるのを予防できます。子宮の痛みを予防するために、以下の生活改善を始めてみましょう。
体を冷やさない
体の冷えは生理時の経血の排出を妨げます。そのため、普段から下半身を冷やさないように薄着は控えましょう。また、締め付けがきつい服を着ると血行が悪くなるので、できるだけゆったりとした服装を心がけてください。そのほか、防寒着を持ち歩いたり、温かい飲み物を飲むのも冷え対策として効果的です。
適度な運動をする
体を動かすのは全身の血行をよくする作用があります。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動でかまいませんので、週に1~2回くらいのペースで始めてみてください。運動する時間がとれないという人は、通勤時などで階段を使ったり、最寄り駅の一駅前で降りて歩くなど、普段の生活のなかで体を動かす習慣づけができるといいですね。
食事に気をつける
血行をよくする作用があるニンジンやセロリ、パセリといったセリ科の植物を積極的に食べましょう。また、ゴボウに含まれるアルギニンという成分も血行をよくし、成長ホルモンの分泌を促進してくれるといわれています。
子宮の痛みがひどいと病気の可能性もある?生理後も続くときは?
ひどく子宮が痛むときは、婦人科系の病気が原因の可能性もあります。子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫などは子宮に痛みが現れやすいものです。
生理が原因であれば、生理が終われば痛みもなくなります。生理後も痛みが続く場合は病気の可能性があるので、一度婦人科を受診すると安心です。また、生理時の経血量が増えたり、不正出血を起こすこともあるので、いつもの生理とは違うと感じたときも注意が必要です。
生理で子宮が痛いのは体からのSOS
生理で子宮が痛くなるのは、体の調子が万全ではない証拠です。「生理で子宮が痛むのはよくあること」と思い込まず、自分の健康状態をチェックしてみることをおすすめします。子宮の痛みは体からのSOSだと考えて、日頃の生活習慣や食生活を見直して健康的な生活を始めるきっかけにしてください。
また、痛みがひどくなったら我慢せずに婦人科を受診することも大切です。生理は毎月のことなので、専門家に診てもらって1人で悩むことがないようにしてくださいね。