生理前や生理中にむくみに悩む女性は多いですが、一般的に、生理後はむくみが解消されやすい時期です。それにも関わらず、生理後までむくみが続いてしまうのはどうしてなのでしょうか。今回は生理後のむくみの原因や、解消法、予防法などをご説明します。
むくみはなぜ起こるの?
そもそもむくみは、全身を流れている血液中の水分が外に染み出して、皮膚の下にある皮下組織に溜まってしまうことが原因で起こります。水分が溜まった細胞の1つ1つが膨れることで、体の表面がむくんで見えてしまうのです。
特に、水分は下の方に溜まりやすいという性質があるため、夕方や夜頃には足が、朝起きたときには顔がむくみやすいという特徴があります。
生理周期とむくみの関係は?
女性のむくみは、生理周期に左右されることがあります。生理前はむくみやすく、生理後はむくみが解消されやすいのが一般的です。その理由は、「プロゲステロン」という女性ホルモンの働きです。
排卵後から生理前にかけては、プロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンは女性の体を妊娠・出産に向けて整えていく役割があり、その一環として、栄養や水分を溜め込もうとします。その結果、新陳代謝も低下するので、体に水分が停滞し、むくみやすくなるのです。
一方、生理後にはプロゲステロンの分泌量が減少し、水分の排出や代謝が促されるようになります。そのため、生理前から感じていたむくみは解消されやすくなります。
生理後にむくみが現れる原因は?
それでは、生理後にむくみが現れるのはどうしてでしょうか。主に下記2つの原因が考えられます。
ホルモンバランスの乱れ
先にもご説明したとおり、生理後は、プロゲステロンの分泌量が減るのが一般的です。
しかし、ホルモンバランスの乱れによって、生理後もプロゲステロンの分泌量が減らないと、むくみが続く場合があります。
血行不良
生理中は、経血をスムーズに排出するために、血液が子宮へと優先的に供給されます。その結果、体全体が血行不良になりやすくなります。
この血行不良は生理が終われば改善されることがほとんどですが、生理が終わってすぐだと、まだ影響が残っている可能性があります。血行不良によって水分の代謝も滞り、むくみを招いていることも考えられるでしょう。
生理後のむくみの解消法は?
生理後のむくみを解消するには、体内に停滞している水分の排出を促すことが大切です。そのためには、原因に合わせて下記のような対策を行ってみましょう。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れが原因でむくみが起こっている場合、正しいバランスに戻してあげることが何より大切です。
● 規則正しい生活を心がける
ホルモンバランスは、ちょっとした影響で乱れてしまいます。睡眠時間が短い、栄養がしっかり摂れていないなど、不規則な生活に思い当たることがある人は、まずその習慣を改善しましょう。
● ストレスを発散する
ストレスもホルモンバランスが乱れる原因になります。ストレスを全く感じないようにするのは難しいかもしれませんが、溜めすぎないよう、こまめに発散していきましょう。
血行を改善する
女性ホルモンの影響の有無にかかわらず、一般的なむくみ対策として最も大切なのが、血行を改善することです。代謝をよくし、老廃物を溜め込めにくい体を作りましょう。
● 足湯をする
体の末端を温めると全身の血行がよくなるので、足湯はむくみの解消に最適な方法です。桶に40度ぐらいのお湯をはり、足を入れましょう。リラックスした状態で10~20分ほど続けてください。
● ストレッチをする
就寝前や入浴後に、5分程度の軽いストレッチをしましょう。むくみが気になる部位を伸ばすようにするとさらに効果的です。
● ゴキブリ体操をする
足のむくみに効果が高い体操です。仰向けに寝た状態で、手と足を床とできるだけ垂直になるように上げ、力を抜いてブラブラさせます。30秒~1分を3セットほど行うと効果的です。無理はせず、休み休み行いましょう。
● 冷・温パックをする
顔のむくみをとるのに効果的な方法です。温かいタオルと冷たいタオルを、交互に20秒ずつ当てましょう。何回か繰り返すと、顔の細胞が活性化されて血行が良くなり、顔のむくみが解消されます。
生理後のむくみは食事でも解消できる?
生理後に関わらず、むくみは、食事の工夫で解消されることがあります。下記のようなポイントを意識して、むくみを解消していきましょう。
塩分を控える
体内の塩分濃度が上がると、それを下げるために、体は水分を溜め込もうとします。塩分の過剰摂取には気をつけましょう。
アルコールを控える
アルコールも塩分同様に、摂取しすぎると、体内のアルコール濃度を下げるために体が水分を溜め込みます。アルコールはほどほどにして、飲むときは、水と一緒に飲むようにしましょう。
カリウムを摂取する
カリウムは体内の余分な水分を流してくれる作用があり、むくみに効く栄養素として知られています(※1)。アボカドや里芋、納豆、バナナなどに多く含まれるので、積極的に食事に取り入れてみましょう。
生理後のむくみ予防は生活の改善から
生理後のむくみは、生活習慣が乱れているサインかもしれません。普段からホルモンバランスの乱れや血行不良を起こさないように、生活習慣を見直すことが大切ですよ。
また、むくみが続くときは、腎臓や肝臓、甲状腺などの病気が隠れている可能性もゼロではありません。生活習慣を改善しても症状がよくならないときは、一度病院を受診するようにしてください。