生理で頭痛!原因と今すぐできる緩和方法をチェック!

監修医師 産婦人科医 山本 範子
山本 範子 日本産科婦人科学会専門医。平成5年、日本大学医学部卒。日本大学附属病院および関連病院で産婦人科医として経験を積み、その間に日本大学総合健診センターで婦人科検診にも力を注いできました。現在は港区の日野原... 監修記事一覧へ

生理の前後には、様々な不快症状に悩まされるという女性が多いと思います。そのなかでも頭痛は、代表的な症状です。痛みの強さや症状には個人差がありますが、毎月のことなので、できるだけ和らげたいですよね。そこで今回は、生理で起こる頭痛の原因や緩和方法、効果的な薬やツボについてもご紹介します。

生理で頭痛!原因は?

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生理に伴って起きる頭痛には、主に下記のような原因があります。

月経関連片頭痛

月経周期に合わせて頭痛を繰り返す場合は、「月経関連片頭痛」が考えられます。

月経関連片頭痛は片頭痛の一種で、日本頭痛学会によると、生理開始の2日前~生理の3日間だけに起こり、3周期中2周期以上でみられるものと定義されています(※1)。

原因はまだはっきりわかっていませんが、生理中に分泌量が減少する「エストロゲン(卵胞ホルモン)」という女性ホルモンや、エストロゲンが減少することで分泌量が減る「セロトニン」という脳内物質が関係しているのではないかと考えられています。

他の時期に起こる頭痛と比べて、持続時間が長く、一般的な片頭痛の治療を行っても、なかなか症状が緩和されないのが特徴です。

痛みは、「ズキズキと波打つよう」と例えられることが多く、痛みが出ているあいだは、音や光に過敏になったり、吐き気がしたりします。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、血行が悪くなり、肩や首、頭の周りが緊張することで起こる頭痛です。

生理中は、経血を体外に排出するために、子宮周辺に血液が集まりやすくなります。そのため、他の部位には十分な血液が届きにくく、緊張型頭痛が起こりやすくなるのです。

後頭部から首筋にかけて、頭全体がぎゅっと締め付けられるような痛みがあらわれるのが特徴で、めまいや倦怠感を伴うこともあります。

生理での頭痛がいつもよりひどいのはなぜ?

生理で起こる頭痛は「プロスタグランジン」という物質の影響も受けています(※2)。

「プロスタグランジン」は生理中に分泌される物質で、子宮を収縮させるほか、痛みを強める作用を持っています。そのため生理中は、頭痛がひどく感じられるのです。

プロスタグランジンは人によって分泌量が異なるので、症状や痛みの強さには個人差があります。

生理の頭痛の治し方は?ツボや薬が効く?

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頭が痛いと、普段の生活を送るのもつらくなるもの。症状はできる限り抑えたいですよね。生理に伴って頭痛があらわれたときには、タイプによって、下記のような緩和方法を試してみると良いでしょう。

月経関連片頭痛の緩和方法

月経関連片頭痛による痛みがあらわれたら、暗めの静かな部屋で、横になって休みましょう。痛いところを冷たいタオルで冷やしたり、圧迫したりすると、痛みが和らぐこともあります。

月経関連片頭痛の場合、あたためると逆効果なので注意してください。

緊張型頭痛の緩和方法

緊張型頭痛の痛みを緩和するには、血行を良くし、首や肩周りのこわばりを解くことが大切です。痛みがあらわれたら、まずは横になるか座るかして休憩をとり、痛い部分や肩・首周りを、蒸しタオルなどで温めましょう。

ツボを押して血行を促進するのもおすすめです。頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」や、首の後ろ側の髪の生え際にある「天柱(てんちゅう)」は、頭の血行をよくする作用があります。

ツボを押す以外にも、首や肩をぐるぐると回したり、マッサージをして揉みほぐしたりするのも効果的です。

痛みが強いときは

痛みが強いときは、我慢せずに鎮痛剤を飲むのもいいでしょう。ただし、痛みのタイプによって効果的な薬が異なります。自己判断せず、医師や薬剤師に相談してから飲むのがおすすめです。

いつも服用している頭痛薬が生理中に効かないという場合は、プロスタグランジンの分泌をおさえる作用がある、「ロキソニン」などの薬を飲むのも一つの方法です。

生理での頭痛は予防できる?

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生理に伴う頭痛は、一度起こってしまうと、痛みを和らげながら過ぎ去るのを待つしかありません。しかし、生理が始まる前から生活習慣を改善しておくと、頭痛の症状を抑えられることもあります。

月経関連片頭痛

月経関連片頭痛は、ホルモンバランスの乱れが関わっていると考えられているので、バランスが整うよう、規則正しい生活を心がけることが大切です。

また、生理前~生理中にかけてだけ痛みがあらわれる場合は、予防として数日間薬を服用することで、痛みが解消されることもあります(※1)。

緊張型頭痛

緊張型頭痛であれば、身体的・精神的なストレスや体の冷えなどが原因になるので、日頃からストレスをためないようにして、血行を良くしておきましょう。

また、生理での頭痛の痛みを助長する「プロスタグランジン」は、子宮周りの血行が悪いとより分泌されやすくなります。生理が始まったらお腹の周りを温めて、プロスタグランジンの分泌を抑えるのも効果的です。

生理に伴う頭痛は我慢しすぎないで

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生理に伴って頭痛が起きると、毎月のことだからと我慢しがちです。自己判断で市販薬を服用している人も多いと思います。

しかし、痛みの原因によっては市販薬が効かない場合もありますし、我慢していても良いことはありません。生理のたびに頭痛がひどいようなときは、早めに病院を受診し、自分にあった方法で対処を行うことが大切ですよ。

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