赤ちゃんが泣かない…病院へ行くべき?性格だから気にしなくていい?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

育児にはいろいろな心配がつきもの。赤ちゃんがあまり泣かない、なんていうと、他のママから「うらやましい」といわれることも。でも「泣かない」ということが、本当に良いことなのか、心配になってしまうママもいるのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんが泣かないときに、何か問題はあるのか、対処が必要なのか、病院に行くべきことなのかについてご説明します。

赤ちゃんが泣く理由は?

赤ちゃん 背中スイッチ 泣く 日本人

赤ちゃんが泣く理由のほとんどは、意思表示です。まだ言葉が話せないので、お腹がすいたことやおむつが気持ち悪いことなどをママに訴えるには、泣くしかありません。「泣く=赤ちゃんが要求を発信している」ので、何かあるたびに泣くのは、当たり前のことなのです。

また、「こっちを向いてよ」「相手をしてほしいよ」「かゆいよ」「暑いよ」「寒いよ」と、ママやパパの注意をひきたくて泣くこともしばしば。

そのため、ママが抱っこして、おっぱいやミルクをあげて、おむつを替えてくれれば、赤ちゃんはご機嫌になって泣き止むことがほとんどです。

赤ちゃんにとって泣くことは、ママとのコミュニケーション手段のひとつなのです。

赤ちゃんが泣かないのは、何か問題があるの?

赤ちゃん 泣かない 真顔 日本人

赤ちゃんがあまり泣かない原因は、たくさんあります。しかし、赤ちゃんが元気で、食欲もあり、体重も順調に増えているのなら、心配はいりません。

もともとあまり要求が強くない赤ちゃんなのか、ママやほかの家族がまめに赤ちゃんのお世話をしているため、たびたび泣いて注意をひく必要がないのかもしれません。性格がおおらかな赤ちゃんは、あまり泣かないこともありますよ。

赤ちゃんが泣かない…サイレントベビーかも?

赤ちゃん 抱っこ 日本人

「サイレントベビー」という言葉を聞いたことはありますか?笑わない、泣かない、視線が合わない、といった赤ちゃんのことを指します。いわゆる「赤ちゃんらしい」といわれる感情の表現が、極端に少ない状態の俗称で、病名ではありません。

サイレントベビーになる原因の一つとして、身近な人とのコミュニケーション不足が挙げられます。たとえば、赤ちゃんが長時間泣いていても放置していたり、テレビやスマートフォンの映像ばかり見せてママやパパが話しかけなかったりすると、サイレントベビーになる傾向が見られます(※1)。

ただし、その原因や将来的な発達リスクについて、医学的根拠があるわけではありません。「あまり泣かない」というだけで過度に不安がらないでくださいね。

赤ちゃんを抱っこしながら背中をトントンとしてあげたり、授乳のときはテレビを消して声をかけてあげたり、直接的なコミュニケーションをとることが、赤ちゃんの自己表現や人と関わりたいという欲求を引き出していくことにつながりますよ。

赤ちゃんが泣かないときは病院に行くべき?

病院 日本

ママが心配になるほど泣かない場合は、小児科や地域の保健センターなどで相談するのも一つの方法です。

赤ちゃんが順調に成長しているか確認してもらうこともできますし、ほかの人に相談することでママの不安がなくなり、その結果、赤ちゃんの気持ちも安定して反応が良くなるかもしれません。

もし、サイレントベビーの可能性があるといわれても、深刻に考えないことです。赤ちゃんは日々成長しており、家族の積極的なコミュニケーションで感情表現が豊かになることもあります。

しかし、なかには、肺や声帯に異常があって物理的に泣き声が出ない赤ちゃんもいます。気になる様子が続くときは、定期的に小児科に通い、経過を診てもらうと良いでしょう。

あまり泣かない赤ちゃんも放っておかないで

赤ちゃんにも個性があるので、決して「泣かない=問題がある」とは限りません。大事なのは「泣かないから楽」と赤ちゃんを放っておかないことです。

最初は少しでも泣いていた赤ちゃんも、ずっと放っておかれると「泣いても無駄だ」と思うようになるかもしれません。

言葉が話せるようになる前の赤ちゃんとコミュニケーションを取るのを難しく感じることもありますが、まずは赤ちゃんに触れてあげたり、歌を歌ってあげたりしてあげましょう。親子のスキンシップにつながる手遊び歌などを試してみてくださいね。

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