子宮頸がん予防ワクチンの効果と副作用は?費用や年齢は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターを経て、板橋中央総合病院に勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救急診療、分... 監修記事一覧へ

20~30代の女性がかかるがんの中で、最も多く見られる「子宮頸がん」は、早期発見できれば治癒できる可能性が高い病気です。また、主な原因となるウイルスが判明しているため、ワクチンの予防接種でウイルス感染をある程度防ぐこともできます。今回は、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)について、効果や副作用のほか、予防接種にかかる費用や受けられる年齢などを詳しくまとめました。

子宮頸がんとは?

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子宮頸がんとは、子宮の出入り口である「子宮頸部」にできる悪性腫瘍です。子宮頸がんの主な原因は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染だということがわかっています。HPVは性交渉で感染するウイルスで、一度でも性交経験のある女性の70~80%が一生に一度は感染するといわれています(※1)。

ただし、HPVに感染した人が必ず子宮頸がんを発症するわけではありません。通常は自分がもともと持っている免疫によって、2年くらいで自然とウイルスが消えていきます。しかし、特に強力なハイリスク型ウイルスに感染し、病状が進行した場合には、約20%の確率で子宮頸部の「がん化」が促されます(※2)。

子宮頸がん予防ワクチンとは?

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ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、子宮頸がんの原因となる「ハイリスク型ウイルス」に有効な「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」がいくつか開発されています。

子宮頸がんから検出されるハイリスク型のHPVには何種類かあり、日本では16型および18型の単独感染が約65%を占めています。他の型も同時に感染している混合感染のケースも含めると、約67%です(※3)。

現在使用可能な子宮頸がん予防ワクチンは、HPV16型および18型の感染予防を目的としたもので、日本では2009年に製造販売が認可されました(※2)。現在は、「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類が販売されています。

世界保健機関(WHO)や国際産科婦人科連合(FIGO)は、子宮頸がん予防ワクチンの予防接種を推奨しており、多くの先進国で政府の主導により予防接種を行っています(※4)。日本でも2010年から公費助成が始まりました。

子宮頸がん予防ワクチンの効果は?

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子宮頸がん予防ワクチンには、持続的なHPVの感染や、細胞が「がん化」する過程の異常(異形成)を予防する効果があります。

ただし、今のところ「子宮頸がんそのものを完全に予防できる」と医学的に証明されているわけではありません。また、先ほども触れたとおり、HPVには何種類かあり、16型・18型以外のハイリスク型ウイルスは予防できません。

そのため、子宮頸がん予防ワクチンをすでに接種していたとしても、1~2年に一度は子宮頸がん検診を受けることが大切です。

子宮頸がん予防ワクチンの副作用は?

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子宮頸がん予防ワクチン接種後に見られる副作用(副反応)として、発熱や接種した部位の痛みやかゆみ、腫れがあります。

また、個人差はありますが、注射の痛みや恐怖、興奮による失神などを起こすこともあります。そのほか、軽度なものでは、疲労・倦怠感、腹痛、筋肉痛、関節痛、頭痛、じんましんなども現れる場合があります。

重篤な副反応としては、重度のアレルギー反応で呼吸困難などを起こす「アナフィラキシー」(約96万接種に1回)や、手足の神経障害を起こす「ギラン・バレー症候群」(約430万接種に1回)、慢性の痛みが生じる「複合性局所疼痛症候群」(約860万接種に1回)などが報告されています(※5)。

確率は低いですが、副反応もあることを理解した上で受けるようにしましょう。なお、厚生労働省は、このような副反応があったとしても、ワクチン接種の有効性と比較した場合、定期接種を中止するほどリスクが高くないと判断しています(※5)。

子宮頸がん予防ワクチンを受ける年齢は?

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日本では、2013年4月から、小学校6年生~高校1年生の女子を対象に、子宮頸がん予防ワクチンが「定期接種」として位置づけられています。定期接種は強制ではありませんが、「対象者はワクチンを接種するよう努めなければならない」とされています(※5)。

法に基づく標準的な接種は、中学1年生となる年度にワクチンを打つこととされています。しかし、小学校6年生~高校1年生の期間に接種を受けられなかった女性に対しても、子宮頸がん予防ワクチンの接種が推奨されています(※1)。

子宮頸がん予防ワクチンの現在の位置づけは?

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子宮頸がん予防ワクチンの接種後、痛みなどの体調不良を訴える人が出て、メディアでも大きく取り上げられたことが記憶に新しい人もいるかもしれません。

しかし、日本産科婦人科学会は、接種後の副作用として報告された痛みや運動障害の発生頻度は、10万接種あたり2件の頻度と極めて低いこと、それらの症状とワクチン接種との因果関係が明らかになっていないことなどから、「子宮頸がん検診とともに、ワクチン接種を推奨すべき」との声明を出しています(※4)。

子宮頸がん予防ワクチンの費用は?

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子宮頸がん予防ワクチンは、「サーバリックス」と「ガーダシル」のどちらか同じ種類を、3回接種する必要があります。サーバリックスは、1回目の接種をした1ヶ月後に2回目を、6ヶ月後に3回目の接種を行います。ガーダシルは、1回目の接種をした2ヶ月後に2回目を、6ヶ月後に3回目の接種、というスケジュールです。

このように、どちらのワクチンを選ぶかによって、2回目の接種のタイミングが異なります。必ず医師とスケジュールを確認しておきましょう。

予防接種の費用は、自費で受ける場合1回あたり1万5,000円で、3回合わせて4万5,000円です。定期接種の対象者は、公費助成を受けることができます。お住まいの地域での実施方法については、各市町村の予防接種担当課に問い合わせてみてください。

子宮頸がん予防ワクチンの不明点は医師に相談を

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子宮頸がん予防ワクチンは、「子宮頸がんの原因であるHPV感染を予防する」という効果がはっきりしている一方で、稀に重い副作用を伴う可能性もあります。

これはワクチン全般に言えることですが、接種前に有効性とリスクについて医師に確認しておくと安心です。

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