この記事では、管理栄養士である中村美穂さん著『まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳 発達を促す子どもごはん』より、子どもの食の悩みのひとつである、「遊び食べ」について紹介します。
記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(中村美穂著、日東書院本社)
食の悩み「遊び食べ」について
遊び食べで汚されるとおうちのかたは嫌がってしまいがち。でも、遊んでいるように見えて、食べる練習しているという場合も。
また、1〜3歳の子どもが食事に集中できるのは、せいぜい10〜15分。集中できる環境を作ることも大切です。
興味が広がる今の時期特有のトラブルです
自分で歩けるようになると、行動範囲が広がると同時に、興味の範囲も広がります。
この時期の子どもは好奇心旺盛で、次々と興味が移り、集中力も続かないもの。そのため、食べ物や食器で遊んでしまったり、 イスから離れてしまったりするのです。
自分一人で上手に食べられるようになると次第に落ちついてくるので、一過性のものと捉えて対応しましょう。
【CASE1】
食べ物をぐちゃぐちゃにする
なぜ?
感触を確かめていたり、
遊んでいたり原因はいろいろ
手でぐちゃぐちゃにする、スプーンやフォークでつぶす、汁をごはんに混ぜるなど、いろいろな遊び方のパターンがありますが、どの場合も原因はさまざま。
興味を持って確かめている、食べようとして上手くできない、食べる気がないなど、原因を見極めるのは難しいのですが、食べることに集中できているか、周りの環境を見直してみて。
これで解決!
食べやすいもので練習する
こぼされると困るごはんや汁物は離れたところに置き、手で触りやすい料理を少量皿にのせ、手づかみ食べの練習をしましょう。
楽しく食べさせつつも、ある程度で「遊んじゃだめよ」と伝え、手を止めることも大切です。汚れたらおしぼりで手をふき、おかずをフォークに刺して持たせるなど、きれいに食べる心地よさを体験させましょう。
【CASE2】
じっと座って いられない
なぜ?
食事に集中できないか、
食事と遊びの区別がつかない
好奇心旺盛な子どもはあらゆることに興味があり、なかなか食べることに集中できません。おもちゃがそばにあったりテレビがついていては気が散ります。遊びと食事の区別がついていないこともあります。
これで解決!
気持ちを切り替える工夫を
歩き回る場合は、立ち歩けないような座り方に。歩いたら迎えに行き、毅然とした態度で声をかけることを繰り返します。おもちゃなど歩く目的を隠すか、逆に食卓に持ってきて「○○も見てるよ」など利用する手も。
「おもちゃを片づける➡手を洗う➡席に座る」など食事前の動作を習慣づけ、気持ちを切り替えて。料理はパクっと簡単に食べられ、栄養バランスのよいものがおすすめ。ただ、3歳代になると減ってくるものなので大らかに見守ることも必要です。