子どもが離乳食後期からしはじめる「手づかみ食べ」。食べさせてもらうだけだった子どもが、少しづつ自分で食べたがるようになっていきます。
手づかみ食べは、食べることの楽しさを知ることにつながるほか、これからの成長に大きな役割を果たします。そこで今回は、1歳頃からの手づかみ食べにぴったりな、幼児食のおやつのレシピを紹介します。
「手づかみ食べ」は
スプーンや箸を使うための練習期間
子供が手づかみ食べで行う、目で見て、手で確かめて、力を加減しながら口に入れるという一連の動作は、 目・ 手 ・口の協調運動であり、大人が思っているよりも複雑な動作です。
食べ物に手で触れようとするのは、食に対する興味の表れであり、自分で食べることにつながる第一歩。
テーブルや洋服が汚れるため、ママ・パパは大変かもしれませんが、手づかみ食べの十分な経験が、食べることの楽しさを知り、スプーンや箸を上手に使うための基礎になります。
大変なのは一時のことだと覚悟して、ぜひ十分に体験させてあげてくださいね。
やる気を尊重しながら
さりげなくフォローを
手づかみ食べを始めた子どもは、最初は上手にできず、食べ物をぎゅっとつかんで口に押し込んだり、ぐちゃぐちゃにしたりしてしまいます。
しかし、何度も繰り返し経験することで、次第にぎゅっと握るところから、指でつまみ、大きなものはひと口分を噛み切れるようになります。
また、ここでひと口分の量を覚えることが、スプーンや箸でこぼさずに食べることにもつながります。
自分でやりたい気持ちが高まる時期なので、さりげなくフォローをしながら子どものペースに合わせて練習をさせてあげてくださいね。
手づかみ食べの練習になるおやつレシピ
白花豆とりんご煮
材料(4食分)
※白いんげんでもよい
- 1鍋に白花豆と、皮を取って厚めのいちょう切りにしたりんご、砂糖、塩を入れて約10分煮る。
※豆の皮が食べにくい場合はむく。
- 乾燥豆のゆで方
豆は水に約4時間浸す。水をきり、鍋に豆とたっぷりの水を入れてふたをし、強火にかける。沸騰したら火を弱め、やわらかくなるまで約20分(圧力鍋の場合は約7分)ゆでる。 - 保存方法
密閉容器にゆで汁少しと一緒に入れ、乾燥を防ぐ。冷蔵庫で2週間程度保存可能。食べる際は加熱する。
豆類は手づかみ食べメニューに大活躍。まとめてゆで、小分けにして冷凍すれば、スープやサラダにも使えます。金時豆、白いんげん豆など糖質が多いものがおすすめです。
小松菜ヨーグルトスコーン
材料(約15個分)
- 1小松菜はやわらかくゆで、葉先の部分をみじん切りにしてすり鉢などですりつぶす。Bを加えて混ぜる。
- 2Aをボウルに入れて混ぜる。サラダ油を加え、両手でこすり合わせるようにしてなじませる。粉と油が均一に混ざってサラサラの状態になったら、1を混ぜ、ひとまとめにする。
- 3ラップで包んで1cm厚さの四角形に伸ばし、包丁で1×3cmの棒状に切る。
- 4アルミホイルをしいて3を並べ、オーブントースターで約10分焼く。
スコーンは、粉と油を先になじませることで外はさっくり、中はふんわりとした食感に。手で持っても崩れず、唾液で溶けるかたさになります。
にんじんフレンチトースト
材料
- 1よく混ぜたAに6等分に切った食パンを浸し、全体に液を含ませる。
- 2熱したフライパンにバターを薄くしき、1を並べて両面が薄く色づくまで焼く。
かたくなったパンでもできるフレンチトーストは、甘さを控えて野菜を入れれば食事メニューに変身!中はやわらかく外はカリッとしているのが手づかみ食べにもぴったりのかたさです。
かぼちゃ蒸しパン
材料(3〜4個分)
- 1かぼちゃはゆでて皮をむき、ラップで包んで手でもみつぶす。ボウルに入れ、Bを加えて泡立て器でよく混ぜる。Aをザルでふるいながら加え、ゴムベラで混ぜる。
- 2カップをしいた耐熱容器に生地を7分目くらいまで入れる。蒸気の上がった蒸し器に並べ、強火で15分程度蒸す。蒸し器がない場合は鍋またはフライパンに高さ2cmの湯を入れ、容器を並べる。ぬれ布巾で包んだふたをし、強火で15分程蒸す(途中で湯がなくなりそうになったら足す)。
卵・乳不使用のやさしい味。パン類はやわらかすぎると口の中で詰まりやすいため、生地は握ってもつぶれない程度のかたさで、口の中で溶ける状態が適しています。
きな粉トーストスティック
材料(1食分)
- 1室温でやわらかくしたバターを食パンにぬり、砂糖を混ぜたきな粉をふりかける
- 21を2cm幅の棒状に切り、オーブントースターで軽く色づくまで焼く
パンはやわらかすぎると上あごに貼りついたり、団子状になってのどに詰まりやすいため、軽くトーストしましょう。丸のみできない長さに切ることで、手で握って前歯でかじり取る練習になります。
手づかみ食べは学べることがたくさん!
子どもは手づかみ食べを通して、食べ物の大きさ・形・温度・かたさ・重さ、手や指の動かし方、前歯を使って食べ物を噛み切ることなどを学んでいきます。
初めはこぼしたり散らかして後片付けが大変かもしれませんが、成長の一環だと思ってあたたかく見守ってあげてくださいね。
● 食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
● 具材が大きい場合は、食べやすいサイズに調整しましょう。
● レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません。(ただし、この時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。
レシピ・記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(日東書院本社)
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