鉛筆の持ち方は小学校に入学すると教えてくれますが、学校だけでなく、家庭でも正しく持つように徹底しなければ、なかなか身に付きにくいものです。そこで今回は、鉛筆の正しい持ち方とはどのようなものなのか、そして矯正は子供が小さいうちの方が効果的なのかなどについてご説明します。
鉛筆の持ち方を正しくするメリットは?
鉛筆の持ち方は、文部科学省の小学生学習指導要領で、小学校1、2年生が学ぶべきこととして定められています(※1)。鉛筆の正しい持ち方を習得すると、次のようなメリットがあります(※2)。
● 形のよい、きれいな文字を書けるようになる
● 速く書いても、きれいに書けるようになる
● 姿勢がよくなる
● 指にかかる負担が減るため、手や目、首、肩が疲れにくくなる
鉛筆の持ち方の矯正は子供にいつさせる?
鉛筆の持ち方の矯正は、子供が小さいうち、できれば小学校1、2年生のうちにさせた方が効果的だとされています。なぜなら、この年代の子供は習慣が定着しやすいからです。もちろん、就学前に鉛筆の持ち方をマスターできれば、その後の勉強がスムーズに進みやすくなります。
ただし、小学校1、2年生を過ぎてしまったとしても、鉛筆の持ち方を矯正するのが手遅れなわけではありません。
長時間書き続けたり、長文を書く機会が増える小学校高学年では、間違った持ち方をしているせいで指に疲労を感じたり、鉛筆だこができたりすることがあり、自分から正しい持ち方に直そうとする子供もいるからです(※3)。
鉛筆の持ち方はどうするのが正しい?
鉛筆の正しい持ち方のポイントは次の5つです(※2)。
1.削り際よりも少し上を親指、人差し指、中指の3本で軽く持つ
2.人差し指は曲げすぎず、他の2本よりもほんの少し前に出す
3.鉛筆の軸が人差し指の第2関節と第3関節の間で接している
4.手のひら部分に空間がある
5.小指が紙と軽く触れている
鉛筆の持ち方の練習方法は?
鉛筆の正しい持ち方を身につけるには、以下の練習方法が効果的だとされています。しばらくは、鉛筆を持つたびにこの方法を実践させるといいかもしれませんね。
なお、この練習方法は右利き用なので、左利きの子供の場合は左右を反転させて行ってください。
1. 先端が右を向くように鉛筆を机の上に置く
2. 親指と人差し指で輪を作り、削り際の少し上を軽く挟む
3. 鉛筆を起こし、先端を左に向ける
4. 小指の横腹を机につけ、鉛筆の真ん中あたりを人差し指の付け根付近に付ける
5. 鉛筆の角度を前から見て20度、横から見て60〜70度に保つ
6. 1円玉くらいの大きさの円を描く
7. 1〜6を10回繰り返してから、文字を書く練習をする
鉛筆の持ち方を教えるときのコツは?
子供が鉛筆の正しい持ち方をなかなか身につけられず、悩んでいるママやパパは多いと思います。そこで、鉛筆の持ち方を教えるときのコツを紹介します(※3)。
矯正用の器具を活用する
子供でも持ちやすい鉛筆や、鉛筆を持つときの正しい指の位置を覚えるための補助的な器具などが市販されています。そういったものを活用することで、鉛筆の正しい持ち方を子供に覚えさせやすくなります。
子供に適した鉛筆を使う
小学校低学年の子供は手が小さく、力も弱いため、芯が硬い鉛筆を使うと指に余計な負担がかかってしまいます。できるだけ芯が柔らかい鉛筆を使いましょう。
また、普通のサイズより太い鉛筆や、消しゴムのついた鉛筆、デザイン性を追求した鉛筆など、一般的でないものも使用を避けた方が良いでしょう。
鉛筆を正しく持とうとする意欲を促す
子供が鉛筆を正しく持とうとしているときにしっかりとほめてあげたり、鉛筆の正しい持ち方のイラストや写真を机の前に貼っておくなどの工夫をして、子供が鉛筆を正しく持とうとする意欲を持たせてあげましょう。
鉛筆の持ち方を矯正する器具があるの?
鉛筆の持ち方を矯正するための器具がいくつか市販されています。以下でその一例を紹介します(※4)。
子供用の鉛筆
軸が太く、三角形になっている子供でも持ちやすい鉛筆です。2Bや4B、6Bなど、鉛筆の濃さにもバリエーションがあります。「こどもえんぴつ」といった名称で市販されています。
矯正用のシリコンゴム製リング
親指と鉛筆を差し込んで使うシリコンゴム製のリングです。この器具を使うことで、鉛筆を持つ位置を覚えることができるとされています。「Qリング」などの名称で市販されています。
矯正用のグリップ
鉛筆を持つときの親指、人差し指、中指の正しい位置を覚えることができるグリップです。「もちかたくん」などの名称で市販されています。
鉛筆に差し込んで使う柔らかい素材でできたグリップもあり、こちらは「プニュグリップ」といった名称で市販されていることがあります。
鉛筆の持ち方は家庭でも教えてあげて
子供は指先の力が不十分なため、握りしめるように持ったり、人差し指の上に親指がくるように持ったり、鉛筆を正しく持つことが苦手です。間違った持ち方が身についてしまうと、きれいな字が書けないばかりか、姿勢が悪くなってしまったり、体に余計な負担がかかってしまいます(※2)。
鉛筆の正しい持ち方は小学校でも教えてくれますが、家庭でも徹底した方がより効果的です(※3)。子供が小学校に入学したら、家庭でも鉛筆を正しく持つように促してあげましょう。
子供のやる気を引き出しながら、焦らずに教えていきたいですね。