妊娠線を画像・写真で解説!お尻や太ももにもできる!?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

妊娠中の肌トラブルの一つに、妊娠線があります。妊娠線は、急激にお腹が大きくなることによって皮膚に現れる線状の溝のことで、一度できてしまうと完全に消えることはないとされています。今回は、多くの妊婦さんを悩ませる妊娠線について、お腹だけでなくお尻や太ももにもできるのか、どんな人ができやすいのか、いつからできるのかなどを、画像と合わせてご説明します。

妊娠線とは?

妊娠線 妊婦 お腹

胎児を成長させるため、妊婦さんの体は約10ヶ月の間にどんどん変わっていきます。見た目にもこれまでにはなかった変化がたくさん起こり、妊娠線もその一つです。

妊娠線は、妊娠中にお腹が大きくなることにより、急速に皮膚が伸びる過程で生じる皮膚の線のことで、医学的には「皮膚伸展線条」「線状皮膚萎縮症」の一種とされています(※1,2)。

妊婦さんのお腹は、だいたい妊娠5~7ヶ月くらいから目に見えて大きくなり、前にせり出してきます。その際、お腹だけでなく周りの皮膚も引っ張られるため、皮膚の内側の真皮や皮下組織という部位に、亀裂が入ってしまいます。

また、妊娠中にステロイドホルモンが増えることも影響しているとされています(※2)。

ただし妊娠線ができる時期には個人差があり、臨月になってからできる場合や、全くできない場合もあります。ただし、一般的には90%以上の妊婦さんが、体のどこかしらに妊娠線ができるとされています(※2)。

妊娠線は数ミリ~1センチほどの亀裂です。大きさや本数には個人差があり、妊娠線が1本だけしか現れない人もいれば、15本以上できてしまう人もいます。

妊娠線はかゆみを伴うこともあり、最初は赤紫っぽいものの、時間が経つにつれて白っぽくなっていきます。

妊娠中に生じた妊娠線のことを「新妊娠線」、出産後にしわになった妊娠線を「旧妊娠線」と呼びます(※1)。

妊娠線を画像・写真でチェック!お尻や太ももにもできるの?

妊娠線ができやすい場所とその画像は以下の通りです。

お腹

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最も妊娠線ができやすく、目立つのはお腹です。急激に胎児が成長してお腹が大きくなると、お腹の皮膚が耐え切れず、妊娠線ができてしまいます。

太もも

妊娠線 太もも
太ももも、お腹が大きくなることにより皮膚が引っ張られて、妊娠線ができやすい場所です。

お尻

妊娠線 おしり お尻
太ももと同様、お尻にも妊娠線ができることがあります。そのほか、胸や二の腕にできることもあります。

妊娠線がお尻や太ももにできやすい人は?

妊婦 妊娠8か月 お腹 心配

前述のとおり、妊娠線は妊婦さんの90%以上にできるので、「できて当たり前」と考えておきましょう。

ただし、特に妊娠線ができやすいのは、妊娠5ヶ月以降に急激な体重増加をしている妊婦さんです。また乾燥肌の人も、真皮が伸びづらいため、妊娠線ができやすいといえます。さらに、小柄な人や多胎妊娠の人も要注意です。

これらに該当するかもという妊婦さんは、日々のケアで予防していきましょう。急激な体重増加は「妊娠糖尿病」や「妊娠高血圧症候群」などのリスクも高めてしまうため、適切な体重増加を心がけてくださいね。

お尻や太ももの妊娠線の予防策や対処法は?

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ここでは、妊娠線ができないように、またはできてしまったときに行いたい予防策や対処法をご紹介します。

妊娠線の予防策は?

妊娠線は乾燥するとできやすくなるので、妊娠中期~後期を冬に迎える人は、特に全身の保湿ケアを入念に行いましょう。また、お腹の横部分や背中はケアをしづらいため、パートナーにも手伝ってもらうのがおすすめです。

できれば妊娠初期から、お腹だけでなく、お尻や太ももなどの乾燥しやすい部分には保湿をしてあげましょう。関連記事におすすめの妊娠線予防クリームをご紹介しているので、合わせて参考にしてください。妊娠中は添加物も気になるので、妊婦さん専用でお気に入りのものが見つかるといいですね。

妊娠線の対処法は?

妊娠線ができてしまったら、残念ながら現段階で効果が明らかな治療法はありません。ただし妊娠線は時間が経つとともに目立たなくなっていきます。

症状によっては美容整形手術が可能なこともあるので、出産したあとも妊娠線が気になるようであれば、検討してみてもいいかもしれません。

また妊娠線のかゆみが我慢できずに引っ掻いてしまうと、皮膚を傷つけて色素が沈着してしまう可能性もあるので、妊娠線ができてもできるだけ掻かないようにしましょう。

妊娠線はママの証

体の変化が大きな妊娠中、または産後の育児や家事でバタバタしているときでも、妊娠線は気になってしまうかもしれません。しかし、元気な赤ちゃんを産むためにできた妊娠線は、ママの証ともいえます。

ただし妊娠線は出産後も残り、しわになってしまうこともあるので、事前にできるだけケアをしておいた方がいいでしょう。

それでも妊娠線ができてしまった場合は「私と赤ちゃんが頑張った証拠なんだから」と、前向きに考えてみてはいかがでしょうか。

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