川崎病の後遺症とは?どんなリスクがある?予防はできるの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

「川崎病」は、ひょっとしたらあまり聞いたことがない病名かもしれませんが、乳幼児での患者数が年々右肩上がりに増えている病気として近年注目されています(※1)。この川崎病は後遺症があることでも知られており、なかには重篤なものもあります。そこで今回は、川崎病の後遺症について、どのようなものがあるのか、予防することはできるのか、治るのかなどをご紹介します。

川崎病ってどんな病気?

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川崎病は、毎年1万人以上の子供が発症する病気です。1967年に川崎富作博士が発見したことから、その名が付けられました。

感染の原因について、これまでコロナウイルスやEBウイルス、溶血性連鎖球菌、アデノウイルスなどの微生物による感染症によるものではないかという研究が行われてきましたが、未だにわかっていません(※1)。

川崎病が発症する季節は春と夏が多く、秋は少ない傾向があります。

症状は?

川崎病にかかると、以下の6つの特徴的な症状が現れます(※2)。

● 39~40度の高熱が5日以上続く
● 目が充血する
● 唇が腫れ、舌がいちごのようにブツブツと腫れる
● 発熱後2〜3日で全身に発疹が出る
● 手足が赤く腫れ、10日後くらいに指先の皮がむける
● 発症してすぐにリンパ腺が腫れる

これらのうち、5つ以上の症状が出ている場合か、4つの症状が確認できるうえ心エコー検査で冠動脈に異常が見られる場合は、川崎病と診断されます。

かかりやすい人は?

川崎病は、患者の80~85%を4歳以下の子供が占めています(※3)。

そのなかでも特に1歳児が多く、男女別では男の子の方が女の子よりも約1.5倍多いことがわかっています(※4)。

治療法は?

川崎病と診断されたら、原則として入院して治療を行います。合併症の予防のため、発症後すぐの治療にはアスピリンと大量の免疫グロブリンが使用される例が多くみられます。

川崎病の後遺症は?

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川崎病の代表的な後遺症に、冠動脈瘤があります。冠動脈瘤とは、心臓を動かすための栄養を運ぶ冠動脈(冠状動脈)に、こぶができた状態のことです。

冠動脈にこぶができることで血液が流れるスペースが狭くなり、血管が詰まりやすくなります。冠動脈が詰まってしまうと、心筋梗塞を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります(※4)。

近年では、川崎病の患者のうち、冠動脈瘤などの心血管の後遺症が残る割合は3.0%というデータもあります(※1)。

冠動脈瘤ができた場合は、抗血小板薬や抗凝固薬などの服用を続けたり、日常生活で運動制限が必要になったりする可能性があります。

また、退院時は後遺症が残らなくても、将来的に動脈硬化などになりやすくなる恐れもあります。

川崎病の後遺症は予防できる?

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川崎病の後遺症である冠動脈瘤は、ある程度予防ができます。

冠動脈瘤は、川崎病にかかりはじめの時期に炎症が強かったり、発熱が10日以上続いたりするとできやすくなります(※4)。そのため、少しでも早く炎症を抑えるための治療が必要になります。

川崎病の治療には、ほとんどの場合、免疫グロブリン製剤とアスピリンが使われます。

免疫グロブリンには、炎症を抑える、毒素を中和する、リンパ球や血小板の働きを抑えるなどの作用があると考えられており、免疫グロブリン製剤による治療が行われるようになった1991年以降、冠動脈瘤ができる人の割合は減少したという調査報告もあります(※1)。

しかしなかには、免疫グロブリン製剤での治療を行っても、冠動脈瘤ができてしまう子供もいるため、さまざまな治療法が今も研究されています。

また前述のとおり、大人になってから動脈硬化になりやすくなることもあるので、治ったあとも食生活に注意し、喫煙は控えることをおすすめします。

川崎病の後遺症は治る?

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川崎病の後遺症である冠動脈瘤ができたとしても、回復する可能性はあります。冠動脈瘤ができた人のうち、約50%は動脈瘤が消えるというデータもあります(※1)。

また、冠動脈瘤ができると血管が狭くなり、狭窄という状態になりますが、カテーテル治療やバイパス手術などで治療をすることも可能です。

川崎病の後遺症予防はかかりはじめが大事

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川崎病は発症する原因がわかっていないため、予防ができないやっかいな病気です。

突然発症し、後遺症として心筋梗塞も起こりうるため、子供に川崎病のような症状が見られたら、ママ・パパは心配でたまらないでしょう。しかし過度な心配は子供に伝わり、不安にさせかねません。

上述してきたように、川崎病の後遺症を予防するためには、かかりはじめの治療が大事です。

診断に必要な症状は見た目に出るものが多いですが、全ての症状が同時に現れるとは限らず、一度病院を受診しても気づけない可能性もあります。

そのため、一度病院を受診したあとに、さらに川崎病の特徴的な症状が現れた場合には、もう一度医師に診断してもらうことをおすすめします。

川崎症の後遺症予防は早ければ早いほうがいいので、「川崎病かもしれない」と思ったら、すぐに病院を受診しましょう。

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