胎動が弱い・少ない・感じないとき、お腹の赤ちゃんに何か起きているの?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

胎動は、赤ちゃんの元気のバロメーターとよくいわれます。胎動がいつもと違う感じがすると「赤ちゃんに何かあったのかな?」と不安になりますよね。

そこで今回は、胎動が弱い、少ないときの原因や対処法についてご説明します。

胎動とは?

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胎動とは、お腹の赤ちゃんが頭や手足を動かしたときに、子宮の壁にぶつかって感じる振動のことです。妊娠週数が進み、赤ちゃんが大きくなって、よく体が動くようになると、胎動を感じやすくなります。

最初は動きが小さく、胎動も弱く感じるだけですが、赤ちゃんの体が大きくなると動きもダイナミックになり、痛みを覚えるほど強く感じることもあります。

胎動は個人差があるものの、初産の場合は妊娠20週前後、2人目以降の場合は妊娠18週前後から胎動を自覚するようになるといわれています(※1)。

胎動が弱い、少ない、感じないこともあるの?原因は?

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胎動が弱い、もしくは少ないと感じる原因は以下のようなものが考えられます。

● ママが初産で胎動に気づいていない
● ママの体型がふくよかである
● ママが仕事など他のことに集中していて気づいていない
● 赤ちゃんがまだ小さく、力が弱い
● 赤ちゃんが眠っている
● 胎動を感じにくい体勢をしている

頻繁なお腹の張りや痛み、出血などを伴う場合は、切迫早産などの可能性もあります。このような場合は、すぐにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

妊娠後期に入ると赤ちゃんの頭が骨盤に固定されて大きな動きをとりにくくなるため、臨月に近づくにつれて胎動は減少するといわれています(※2, 3)。

ただし胎動の感じ方は個人差が大きく、妊婦さんが感じる胎動が減るとは限りません。

胎動が弱い、少ない、感じないときはどうしたらいい?

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なかなか胎動が感じられないと思ったら、横になっている場合は寝返りを打つ、立っている場合は座ってリラックスするなど、体勢を変えてみましょう。

また、お腹をつついてみたり、優しくマッサージしたりすると、赤ちゃんが反応して動いてくれることもあります。お風呂に入ったときや食事をしたときなども、胎動を感じやすいタイミングです。ゆったりとした気持ちで観察してみてください。

胎動の感じ方は、赤ちゃんの大きさやママの体型、妊娠週数などによって異なります。ただし、胎動を全く感じられなくなることはありません。

急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。また、胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。

普段からリラックスしているときに胎動カウントをとっておくと、胎動の変化に気づきやすいですよ。

胎動カウントはどうやったらいいの?

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胎動カウントには、妊婦さんの時間的な負担が少ない10回胎動カウント法がよく用いられます。

10回胎動カウント法は、ママが横になる、もしくは座った状態で、赤ちゃんがはっきりと10回動くまでの時間を測定します。

カウントにかかる時間は妊娠末期で約20分程度です(※2)。そのため、目安として計測時間を30分以内とすることが多いです。

10回胎動カウントで何分以上かかれば医療機関に連絡をするべきという明確な基準はなく、ママの状態や医療機関によって異なるため、医師に確認しておくと安心ですよ。

胎動に変化を感じたら落ち着いて対応しよう

胎動の感じ方には個人差があります。妊婦さん同士で胎動の強弱を比べて不安にならないようにしましょう。

毎日リラックスした状態でお腹に手をあてて、赤ちゃんの胎動を感じる幸せな時間を作ってくださいね。

もし違和感があり不安なときは、1人で抱え込まず、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

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