暑くなり始める時期は、熱中症対策のためにも水分補給は欠かせません。しかしながら、カフェインや糖分が気になり「何を飲めばいいの?」と困る妊婦さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、妊婦さんにおすすめの飲み物と、妊娠中は避けたほうがいい飲み物をまとめました。
妊娠中に喉が渇きやすい理由は?

妊娠すると、赤ちゃんを守るため体にさまざまな変化が起きます。その結果、汗をかきやすくなり、すぐに喉が渇いてしまうことも。
また、妊娠初期はつわりなどで思うように水分を摂れないこともあり、脱水症状になってしまうことがあります。そのため、妊婦さんはこまめな水分補給が欠かせません。特に夏場は意識的に飲み物を飲むことが大切です。
つわりで吐き気がひどい妊婦さんは、氷を舐めるなどして、少しずつ水分補給するようにしてくださいね。
暑い時期におすすめの飲み物は?

麦茶
麦茶はノンカフェインの飲み物で、妊娠中に摂取したい食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。
ただし、麦茶には体を冷やす作用があるとされているので、体が冷えやすい妊婦さんは常温で飲むようにしたいですね。
ルイボスティー
ルイボスティーは、あっさりとした味でクセがなく、妊婦さんも飲みやすいハーブティー。鉄分やカルシウムなど栄養価が高いのもうれしいですね。
ただし、妊娠後期に大量に摂り続けると、ルイボスティーに含まれるポリフェノールの作用で、赤ちゃんの血管が狭まったり閉じたりしてしまう「胎児動脈管早期収縮」が複数例みられています(※1)。
妊娠後期にルイボスティーばかりを飲むことや、ポリフェノールが多く含まれるものを一緒に摂ることは控えて、ティータイムを楽しむ程度の量にしましょう。
小豆茶
小豆は昔から健康食として知られており、薬膳にも欠かせない素材の一つです。ミネラルや、ビタミン類が豊富なので、妊婦さんにおすすめです。
ただ、小豆茶にもポリフェノールが含まれています。妊娠後期は特に飲みすぎに注意してください。
炭酸水・スポーツドリンク
特に汗ばむ時期には、サッパリ飲める炭酸水やさわやかなスポーツドリンクがおすすめです。
つわりの時期にも飲みやすいですが、糖分が含まれるものはほどほどにしましょう。
暑い時期の水分補給で注意することは?

夏場は冷たい飲み物を飲みたくなりますが、体が冷えたり、お腹を壊したりすることもあるので、飲み続けないように気をつけてくださいね。
また、冷房を使い始めると冷気で体が冷えやすくなります。そんなときは、先ほどおすすめしたお茶やハーブティーをホットで飲むほか、「ゆず茶」もおすすめです。
ゆずは、ビタミンやミネラルが豊富なので、たっぷり栄養を摂ることができ、体も温まって一石二鳥です。ジャム状になったゆず茶が手軽ですが、加糖タイプがほとんど。飲み過ぎには注意しましょう。
妊娠中に避けたい飲み物は?

妊娠中は、以下の飲み物は控えるようにしてくださいね。
お酒
妊婦さんがお酒などのアルコールを摂取すると、お腹の赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」を発症し、成長の遅れや神経系に異常が出てしまう危険性があるので控えましょう(※3)。
カフェイン入りの飲み物
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、胎児の発育に影響が及ぶ可能性が指摘されています。
内閣府の食品安全委員会は「摂取量をゼロにする必要はないが、妊娠中はいつも以上にカフェインの摂り過ぎに気をつけるように」と注意喚起しています(※4)。
タンニン入りの飲み物
コーヒーや紅茶、ウーロン茶などには、鉄分の吸収を妨げる「タンニン」も多く含まれています。
特に貧血気味の妊婦さんは、食事の前後2時間程度は飲まないようにするといいですよ。
一部のハーブティー
子宮収縮を促す作用があるハーブティーには注意が必要です。ハーブティーを飲むときは事前に医師に飲んでもいいか確認しておくと安心ですよ。
妊娠中の飲み物は体に合ったものを選ぼう
妊娠中は、妊婦さんと赤ちゃんの健康のためにも、水分補給だけは欠かさないようにしましょう。いろいろな飲み物を試してみて、口に合って飲めそうなものを見つけてくださいね。
特に梅雨時は、気圧の変化で頭痛が起こりやすくなったり、だるさを感じたりします。ただでさえ体調がすぐれないなか、さらにしんどくなることも。そんな時こそ、水分補給をして体を労ってあげましょう。
体に負担がかからない飲み物を摂りながら、健康的なマタニティライフを過ごしてくださいね。