今増えている「消化管アレルギー」とは?親が知っておきたい対処法って?

乳幼児が食事をすると、数時間後に嘔吐などの症状を起こす「消化管アレルギー」をご存じですか?

今、この消化管アレルギーは、世界的に増加傾向にあります(※1)。

そこで今回は、消化管アレルギーとは何か、他の食物アレルギーとの違い、そして最新の対処法をご紹介します。

今増えている「消化管アレルギー」とは?

離乳食 アレルギー

消化管アレルギー(食物たんぱく誘発胃腸症)とは、新生児や乳児が飲食をしてしばらく経ってから起こる食物アレルギーの一種で、以下のような症状を起こります(※1)。

● 嘔吐
● 血便
● 下痢
● 体重が適切に増えない など

近年増加傾向にありますが、なぜ増えているのか、また疾患のメカニズムも十分にわかっていません。

消化管アレルギーは、飲食をしてから1〜6時間後に症状が出て繰り返す場合と、症状の出現まで1日~数週かかる場合の2パターンがあります。

他の食物アレルギーとの違いは?

離乳食の時期によく見られるアレルギーは、消化管アレルギーの他に、「即時型アレルギー」や「口腔アレルギー症候群」があります。

即時型アレルギーの症状

最も典型的な即時型症状の場合、アレルゲンを食べてから2時間以内にアレルギー症状が起こり、じんましんや咳、くしゃみなどの症状が出ます(※2)。

口腔アレルギー症候群の症状

唇と口の粘膜だけに起こる口腔アレルギー症候群では、果物や野菜などのアレルゲンを食べて数分以内に唇や口の中がかゆい、イガイガする、腫れぼったいといった症状が起こります(※2)。

いずれも消化管アレルギーと比べると、特定の食べ物を口にしてから症状が出るまでが早く、粘膜や皮膚などの症状が多いことが特徴です。

消化管アレルギーと思ったら?対処法を解説

救急車 搬送

2023年5月、国立成育医療研究センターは、日本で初めて消化管アレルギーが起きた際の行動指針を公開しました(※3)。

ここからは、その行動指針をご紹介します。子どもに消化管アレルギーの症状が現れた際は、冷静に以下の対応を行いましょう。

軽症・中等症の症状と対応

【子どもの状態】
・視線を合わせる
・手足を動かせる
・遊べる
軽症・中等症と判断

軽症・中等症の場合は、以下のような対応をしてくださいね。

1. 子どもを1人にせずに症状を観察する
→観察中に下記の重症に当てはまる症状が出現したら、119番に通報し、救急車で緊急受診

2. 嘔吐がおさまれば、スプーン1杯ずつから水分を与える
→水分がとれる場合は、自宅で過ごす
→水分がとれない場合は、医療機関を受診

【対応のポイント】
・いつ起きたのか、症状、行った対応などの経過を記録する
・4〜6時間は見守りを続ける
・原因の可能性がある食材は食べさせず、後日かかりつけ医へ相談する

重症の症状と対応

【子どもの状態】
・視線が合わない
・泣き声が弱い
・手足が冷たい
・手足の色が悪い
・手足がだらんとしている
重症と判断

重症に当てはまる症状が1つでもあれば、119番に通報し、救急車で緊急受診しましょう。

消化管アレルギーの対応を知っておこう

消化管アレルギーは、いつ起こるかわかりません。いざという時に慌てないよう、対応を頭に入れ、家族で情報をシェアしておけると安心ですよ。

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